どっちがナポリタン
ナポリタンと聞いて思い浮かべる姿。きっとこういう感じでしょう。
🍝世間一般のナポリタン
具はソーセージかベーコンかハムのお肉系どれかに、玉ねぎ、ピーマン、あればマッシュルーム。味付けはもちろんトマト。トマトといっても、トマトソースではなく、基本はケチャップです。
目玉焼きをトッピングしたりして、食べるときはたっぷりの粉チーズとタバスコ。飲み物を合わせるとしたらそうですね、おとなになった今はビールを選んじゃいますけど、ノンアルコールならコーラなんかもいいかも。そのときコーラには、氷を入れてレモンスライスを浮かべて、ストローで飲みたい気分です。
懐かしい喫茶店の味。昨今では昔ながらのとか、レトロななんて冠が添えられる、そんなスパゲティです。そうそう、麺の茹で加減はアルデンテなんてぶっ飛ばせ、やわらかくてコシのない感じが合うんですよね。
それがナポリタン。昭和の喫茶店の味です。
🍝でもそれがイタリアン
でも、ですね。そのスタイルのスパゲティ。実家のほうでは“イタリアン”と呼んでました。
それはなにも我が家だけがそうだったわけではなく、喫茶店のメニューにもそう書かれているお店が多かったんです。いまとなっては自分もナポリタンと呼んでますが、あの頃ケチャップスパゲティはたしかにイタリアンでした。
じゃあ、あの日あの時の故郷にナポリタンはなかったのか。
いえ、ありました。
🍝これがあの日のナポリタン
これです。
これがあの日のナポリタン。
もう見たらわかると思うんですけど、ひき肉をコンソメとトマトの風味で煮込んで、それをソースにした、いわゆるミートソーススパゲティです。
これが我が実家でも、近所の喫茶店でもナポリタンと名乗っていたのです。
🍝つくってみようレトロスパ
ミートソースは、炒めたにんにく、玉ねぎとひき肉にマッシュルームを加えると深みが出ます。
ちなみに詳しい作り方はこちらの記事で紹介しています。
パスタはいつもの糖質オフ仕様。麺の量は減らして、えのきを混ぜ込みます。
今回つくるのは昔ながら系スパゲティなので、袋の記載より2分ほど長く茹でてやわらかくしておくのがひとつめのポイント。
そしてここからが喫茶店系レトロスパの最大ともいえるふたつめのポイントです。
やわらかく茹でたスパゲティを、バターで炒めます。
一緒に茹でたえのきとよくからむように混ぜながら。
お皿はやっぱり、お気に入りのシルバープレート。懐かしい喫茶店とか洋食屋さんの雰囲気出ますよね。
仕上げにたっぷりの粉チーズと、彩りのパセリを飾ります。
付け合せのサラダにも、定番のサウザンアイランド風ドレッシングを。ピンクが鮮やか。“ピンドレ”なんて呼んでましたね。
フォークでくるくる。ミートソースをたっぷりからめていただきます。
🍝イタリアンと呼ぶ地域
ところであらためて調べてみると、ケチャップ味のあのスパゲティをイタリアンと呼ぶのは、おもに関西。
わりと広い範囲でイタリアンなんですね。
そんなケチャップスパをイタリアンと呼ぶことで、空席になったのが、ナポリタンというネーミング。そこにすっぽり収まったのが、喫茶店パスタの2大人気メニューのもうひとつ、ミートソースだったのかもしれません。
いまでは関西でもナポリタンといえば、全国共通のケチャップ味スパのほうが通りがよいように思いますが、ミートソースのナポリタンもレトロなお店なら出会えるかもしれません。自分にとっては子どもの頃を思い出す懐かしい名称です。
もしかしたら、全国どこでも食べられるミートソースも、その名前を変えるだけで、関西のご当地グルメと呼べるのかもしれませんね。
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