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とり、ヒレ、アジ。ミックスフライのオーダーメイド。

洋食好き、揚げ物好き、盛り合わせ好き。自身の嗜好については、noteでも何度も告白してきたと思います。


🔥ミックスフライ悲喜こもごも

そんな自分のお気に入りメニューのひとつが、ミックスフライ。

ある意味で当然の帰結、到達して然りのゴールなわけで、おうちごはんとしてつくることも、ままあります。

いっぽう外で食べるとしたら、そのお店のスタイルは洋食屋さんか、とんかつ屋さんか定食屋さんというところでしょうか。

お店のメニューには、ミックスフライ定食(ごはん、味噌汁付き)みたいな記載があって、そこにヒレカツ、エビフライ、コロッケみたいにフライの種類が添え書きされています。

ミックスフライはそんな感じで、いわゆるお店側セレクトのおすすめセット、盛り合わせみたいなスタイルが主流で、食べる側としてはお店によってなにが組み合わせられているのかが楽しみだったりもします。

お、ここのはメンチがはいってるぞ。しかもあとはエビとイカ、もちろんタルタルソース付き。よし、頼もう。

そうなったり、逆に、うーんコロッケがはいってないなあ。コロッケカレーはあるのに。コロッケ食べたかったなあ…。ほかのにするか。

実際、自分もそんな経験、どちらも何度もあります。盛り合わせメニューだからこその、悲喜こもごもです。

🔥とあるお店のフライスタイル

しかし、数年前に友人に教えてもらった、とあるお店は、そんな心配一切ご無用。

というのもそこでは、壁に貼り出されたフライメニューを自由に選んで、自分が今食べたい組み合わせで頼めるというスタイル。

値段も食材によって変わるわけでなく、3品組み合わせはいくら、4品だといくらみたいな、品数均一方式。

📝響くオーダーバリエーション

オーダーを訊かれたら、こんな感じで答えます。

3品、とり、いか、メンチでごはん少なめ。

カウンターだけの店内には常にお客さんがいっぱいで、あちこちからさまざまなオーダーが響きます。

とり、アジ、なす、ごはん大盛り。

お、この人のチョイス、肉、魚、野菜でバランスいいな。

とり、肉巻き、コロッケ。ビール1本。

手の込んだところを攻めてくるじゃないの。昼からビール付き、うらやましい。

そのお店のイチオシというか、名物はとりかつという名でメニューに載るチキンカツ。みんなまずはそこを押さえてきます。中にはこんな感じのオーダーも。

とり、とり、クリームコロッケ。

これは強者、上級者。名物のとりダブルは、常連さんっぽくてかっこいいです。カウンターを埋め尽くしたお客さんの視線が、一瞬そこに集まる気配がします。

💡ミックスフライのオーダーメイド

この方式、めちゃくちゃいいですよね。いわばミックスフライのオーダーメイド。

チェーン店スタイルのとんかつ屋さんなんかだと、単品の組み合わせにごはんセット追加、みたいな形で自由にカスタマイズできるのかもしれませんが、明らかに個人経営の街の洋食屋さんというお店でこれをやってるというところに、なんだか嬉しくなってしまいます。

そうきたら、これはやるしかない。ちょうどこの間、フライものの冷凍ストックをしておこうと、いろいろ衣をつけて冷凍したばかりのタイミングです。

併せて野菜のストックも確認。よし、いけるぞ。

📒とり、ヒレ、アジの組み合わせ

そう、着手するのはお品書き。それも、あのお店のスタイルをコピーしてやってみたい。

できました。トケイヤkitchenフライものメニュー表です。雰囲気出すために、壁に貼ってみました。

さあ、なんにしようか。

いや、実はもうすでに決まってます。なぜなら、この日は最初からこの3品組み合わせで、ミックスフライにするつもりだったから。

右からオーダー気分で紹介します。

3品、とり、ヒレ、アジ。ビールも。

おうちごはんの晩酌です。きょうはもちろん、ビール付き。

🔪つくってみよう3品組み合わせ

さあ、つくっていきましょう。

冷凍ストックのフライは油が低温のうちに投入。

じっくりと揚げていきます。

何度か返して、こんな感じに気泡が細かくなって、衣が色づいてくれば揚げ上がり。

油を切るとき、網の間にうまく挟める薄い具材のフライは立たせるようにしておくと、油がよく切れます。

🍽盛り付けはキャベツとあれと

あとは盛り付けです。

いつもの千切りキャベツ、そして隣に大根漬け。

まずはアジをどどーん。身が柔らかでお箸で切れる魚系は丸のまま置くと、大きくて迫力ありますね。

とり、ぶたは噛み切りにくいのでカットします。

できました、3品組み合わせ、とり、ヒレ、アジ。

ウスターも大好きですが、ここはオリジナルのお店をリスペクトして、とろみのあるソースをかけます。

いつものミックスフライも、ちょっとシチュエーションにこだわってみると、なんだかイベント的でつくってるときから、わくわくしますね。

🔪気になる大根

さて、盛付けのスピード感をなくさないよう、あえて触れずに話を進めましたが、これ、気になりませんか。

千切りキャベツの隣に鎮座する大根漬け。

実はここに大根漬けを盛り付けるのは、今回のモデルにしたお店をコピーしたもの。お店ではカウンターの上に、自由に取れる青菜系を細かく刻んだ、セルフのお漬物も用意されているのですが、お皿にこれも載ってるんですよね。

もちろんお店とまったくおなじものではありませんが、我が家の常備菜的なお漬物を載せてみました。

📝大根漬けのレシピ

🔪材料(2人分)
・大根…5ミリ幅2枚
・鷹の爪…1本
・昆布…1枚
・塩・ひとつまみ
・酢…大さじ1
・砂糖…大さじ2
・みりん…大さじ1
・レモン汁…大さじ2

大根は皮をつけたまま、いちょう切りにします。

塩を揉み込んで15分ほど置いて、水気をしっかり絞ります。

昆布、鷹の爪とともに密閉できる保存バッグに入れて、酢、砂糖、みりんをいれます。

最後にレモン汁を追加。空気をしっかり抜いて、冷蔵庫でひと晩漬ければできあがり。

皮をつけたままなので、食感はまさにたくあんのパリポリ感。レモンの酸味が爽やかなお漬物なので、揚げ物のお口直しにもぴったりです。

大根は1本買うと、使い切るのにけっこう日数がかかるので、最初にこうしてお漬物にして、なくなったらまた漬けるという形で、冷蔵庫に常備しています。

🍤このスタイルは難しいのか

今回のテーマのモデルになったお店のスタイル、珍しいなと思いますが、よく考えるとおなじ揚げ物の中でも天ぷら屋さんってこんな感じかもしれません。ネタを選んで順番に揚げてもらって食べる、お好みスタイルなら、まさにそう。

そう考えると、フライ物のこういうお店ももっと一般化しててもいいようなものですが、そうならないのには、天ぷらとの下ごしらえの違いがあるかもしれません。

天ぷらは素材を下処理しておいて、オーダーが通れば衣をくぐらせて油に泳がすという流れで調理できます。

でもフライは、その衣がもうひと手間。オーダーを受けてから、粉をはたいて溶き卵をくぐらせて、さらにパン粉を付けるというのは、なかなかに工程が多いですよね。

あらかじめ付けておくという方法もありますが、その場合お好みでオーダーを取ると、ロスが出るかもしれません。

そう思うと、このお好みスタイルを貫いているのは貴重なのかもしれないなと感じて、ますますお店の存在を教えてくれた友人に感謝です。

👫フライ・フレンドリーでいこう

家でつくるにしても、フライは衣をつけるのが面倒とか、揚げるのが難しいとか、調理のあと片付けが手間とかいろいろ聞きますが、いざやってしまえばそんなに身がまえることはないのにな、と思います。

衣を付けるときは一気にたくさん付けてしまえば、冷凍しておくと便利な作り置きになってくれます。実際我が家の冷凍庫には、常に3種類くらいのフライがいます。衣が付けてあるので、あとは揚げるだけ。

揚げるのが大変というのは、たまにしかやらないと難しく感じるということかなと思います。たしかにおなじお肉料理でも焼くのであれば、素材そのものが見えているので、火通りの様子がわかりやすいです。

それに比べて衣に包まれたフライは中まで火が通ってるのかどうかが目に見えない。そんなところが難しいという意見の出どころかなと思ってます。

でもそれもくり返せば、クリアできる問題です。何度かやるうちに、感覚がつかめてきます。経験が教えてくれること、経験値で覚えることは、世の中にたくさんあるはず。揚げ物もそのひとつです。

あと片付けにしても、揚げ物に限らず、料理をすれば発生する行為なので、そんなに警戒しなくていいよと思います。

そんなわけで、おうちでももっと揚げ物とフレンドリーにいこうよ、的なことを思ったりしつつ、とり、ヒレ、アジを堪能するのでした。ビールとともに。

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