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三浦雄一郎さんのストイックさが少しでも欲しい

山登りの話を度々しているのでそれが趣味の一つではあるが、山に詳しいわけでも高い山を目指しているわけでもない。
プロフィールに書いている通り、運動が苦手な私でも出来るお気楽な山登りを好んでいるだけだ。きつい思いも忍耐も、出来ることなら不要な人生を歩いていきたい。
だからスポーツ事情にも疎いし、なんなら興味のない事においては残念な程に無知だ。

だいたいは自分の好きな事に関して情報を集めたり、先駆者について詳しくなるものだと思うのだが、私の場合はそういうところが薄情だ。好きになる芸能人やアーティストにしても、趣味に関する第一人者にしても、同じ人間だしね、と冷めた自分がいる。
熱しやすく冷めやすいので、好きになった人や物に対して一時的に熱狂することはある。だけどとことんまで掘り下げて持続可能な状態になる事は困難だ。そして忘れっぽい。

スポーツ観戦や何かの演者を客席から観る事にも興味が向かないのは、他人がしている事を観ることに喜びや満足感、達成感を自分のものとして落とし込めないからだ。
自分がこの体で何かを体験する楽しみ、そっちの方が私にとっては重要なのであって、自分の人生を生きているという実感が持てる。

山に関しても同じで、その道のプロを知らない。

それなのに、ひょんな事からその道のプロを知る事となった。
先日、親戚の小学生と山登りに行った時の事を書いたのだが、4月にも再び登りに行ってきた。

その4月の登りの前日のこと(4月8日)。
その子と電話で、翌日に登る山の話をしていると「高い山は空気が薄くなるんでしょ?エベレストだっけ?」と尋ねてくるので、賢い大人の私は何故空気が薄いのかを得意げに説明した。

そして、エベレストでは酸素ボンベが必要だという事も説明しようとして【エベレスト 酸素】と検索したら、青森労災病院のこんな記事を見つけた。

エベレスト山頂で酸素マスクを外したら、、麻酔科医と酸素の関係
麻酔科部長 大友 教暁

うみねこ通信 青森労災病院

2013年に三浦雄一郎さんがエベレストの登頂に成功した時、酸素マスクを外してインタビューに答えていたという事が書いてある。
その事と共に、当時80歳で登頂した事に驚いた私は興奮気味に親戚の子に伝えると「そういう人は昔から山登りをしている人とかだろうね。」という、私に反した冷静な返事が返ってきた。
むしろ、記事内のエベレスト山頂と青森県八戸市の酸素濃度は同じという事に驚いていた。

世界最高峰のエベレストの話をした翌日、私達は片道1時間の山を無事登頂してきた。

その1週間後の4月15日。昼食をとりながらYou TubeでANNnewsCHのニュースライブを見ていると、ニュースが終わってドキュメンタリーが始まった。
ニュースが見たい私は、普段なら特集やドキュメンタリーが始まるとチャンネルを変える。だがこの時は、何の特集かも分からないそれが気になってしばらく眺めていた。

三浦雄一郎さん。聞き覚えのある名前。

しばらくして、ハッと1週間前の青森労災病院の記事を思い出した。その時は人物検索までしていなかったので映像を見ても初めピンと来なかった。
つい最近知ったエベレスト登頂者の直近の特集が、こうして突然流れるのだもの。本当に面白いよなあ、とこういう時つくづく思う。

三浦さんは2020年、特発性頚髄硬膜外血腫という難病を発症されたそうで、手術とリハビリを経て再びゲレンデへという特集だった。
デュアルスキーという椅子付の2人1組のスキーに挑戦し、成功されていた。

エベレスト登頂時のインタビュー映像も流れて、これが1週間前に見た記事のことかと感慨深かったし、リハビリ中の三浦さんの台詞がインパクトが強すぎて夕方家に帰り着くまでずっと頭に残っていた。

「あまり不安はなかったですね 病気 けが 損傷は治る楽しみがありますから」

You Tub ANNnewsCH内の三浦雄一郎さんの言葉

闘病中の方の口から出る言葉とは想像もつかない前向きさ。

こんな台詞、なかなか言えるものではないが、今後もし自分の身に何かが起きた時はこう言おうと思った。
車から降りるとき、口からこの台詞を言っている自分がいた。

それから三浦さんに興味をもった私は、ほんの少し三浦さんについて詳しくなった。
チャレンジ精神と好奇心は旺盛だが根気のない私は、三浦さんのそのストイックさが少しばかり欲しい。

ストイックさ、ワンコインとかで売っていないだろうか。

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