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【トレーナー向け】報酬未払いの問題に直面!新規契約を結ぶときの注意点と契約書作成のポイントを解説します

フリーランスのアスレティックトレーナーとして活動する、德田晴宣(トクダハルノブ)です。プロアスリートのケア&コンディショニングや都内の大学パフォーマンスセンター、静岡県の野球振興活動、社会人野球チームなどに携わっています。

皆さんは報酬未払いに関する問題に直面したことはありますか?
特にフリーランスとして活動する方に少なくないそうなのですが、まさか自分自身がその問題に巻き込まれるとは思いもしませんでした。

今回は私が実際に経験したトラブルをケーススタディ形式にして、スポーツ現場で働くトレーナーやセラピスト向けに契約を結ぶ際のポイントをお伝えします。

ケーススタディ

<指導場所>
 大学野球部
<契約形態>
 野球部監督との個人契約
<状況整理>
1.諸条件を監督と口頭で打ち合わせし、2週間後からチーム付でのサポート業務を開始する。
2.契約書の作成を先方に依頼しているものの、速やかに作成してくれない。
3.書面での契約締結がされないまま、予定通り業務を開始した。
<特記事項>
①サプリメントメーカーの営業の方を通じて紹介してもらった。
②2週間のキャンプをサポートする予定で、報酬は全ての業務が終了したら相手方に請求し、支払ってもらう予定。

上記のケースでは一体、何が問題でしょうか?

今後どのようなトラブルが起こりそうでしょうか?

問題点

皆さんはどのような問題点を挙げられたでしょうか?

1.書面での契約締結がされないまま、サポート業務を開始したこと。

2.契約書の作成をしておらず、事前の打ち合わせで決めた内容や諸条件の確認を取らなかったこと。

3.2週間のサポート業務で報酬額が大きかったにもかかわらず、その全額を業務終了後に請求する形にしてしまったこと。

指導開始日までに書面での契約締結に至らなかったことが大きな問題点でした。
特に今回のケースではこれまで全く関わりがなく、初めて仕事を行う方との契約だったことを踏まえると、書面での契約締結はとても重要です。

また報酬の請求方法にも問題がありました。過去に何度も仕事をしている相手であればよかったかもしれませんが、今回のケースはそうではありません。

契約書がないうえにこのような請求の仕方であれば、

・事前の打ち合わせで決めた金額とは違う金額が支払われる(減額される)
・予定の期日までに支払いされるかどうかわからない
・指導開始日の直前で急なキャンセルが生じる可能性がある

などが懸念されるため、あまりよい方法とは言えません。

いずれの点も、”信頼関係が構築されていない相手”ということが今回の大きなポイントです。

以上のことを踏まえて、実際に起きたトラブルを一緒に見ていきましょう。

実際に起きたトラブル

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