Tomohiro Uemura (tNt Nature Connections)

極北カナダ・ユーコンで、カナダ人妻と極北犬と共に、大自然のシンプル生活を実践中です。自然ツアー会社tNt Nature Connectionsを自営。写真集「Dall Sheep」☆Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/tntnaturecon

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<極北カナダ>犬といく夏の山キャンプ

先週末、妻と愛犬テンシと共に夏の山キャンプを行った。極北カナダのユーコン準州から車を走らせること4時間ほど。隣のブリティッシュ・コロンビア州北部のアトリンという集落へ到着した。 アトリンはゴールドラッシュで開拓された街であるが、今は人口500人前後の小さな街で、巨大なアトリン湖の麓にある。アトリンの周辺には氷河で削られた山々がそびえており、街の郊外からは遠くにローウェリン氷河も見ることができる。この氷河の向こうは南東アラスカと繋がっており、山を超えると太平洋と温帯雨林の世界

    • 春のオーロラに想うこと

      極北はすっかり春になった。ついこの間まで雪と氷で覆われていた大地だが、今はもう5月の半ば。多くの鳥が南から返ってきており、春一番の花のクロッカスも咲き始めたところだ。 夏が近づくにつれて、白夜が始まろうとしている。今はかろうじて星がいくつか見えるほどだが、あと1週間もすると、星が全く見えない白夜の季節が始まる。 白夜とともに見えなくなるのが、オーロラだ。「オーロラは冬しか見えない。」そう思っている方も多いと思うが、実際は1年中宇宙で起きている現象で、季節や温度には全く関係

      • 手作りサウナ <極北カナダ・ユーコン>

        北米の極北では、あまりサウナの議論は交わされることが少ない。サウナといえば、北欧やロシアといった旧大陸の寒冷地が有名だ。現在僕が住むカナダ極北・ユーコン準州でも、サウナの文化はあまり浸透していない。スウェットロッジと言われる、先住民族の伝統をたまに耳にすることはあるが、元々は極地にあった文化ではないだろう。 それでもアラスカの一部で、サウナの伝統が少しばかり残っているらしい。アメリカ合衆国が買い取る前のアラスカでは、ロシア帝国の一部であったこともあり、ロシアのサウナ文化が当

        • 極北カナダ Vo.7 南東アラスカの国有林 『 −30℃のテント暮らしに到る道 』

          入植地は当然開発を行い、伐採をして林業や農業を行うのが入植者のやり方であった。一方で自然を保護をする場合には、大自然にはなるべく手をつけず、人が自然で遊ぶリクリエーション用の場所として使いながら、将来の為に残しておくものだと認識された。先住民と入植者には、自然に対する大きな認識と価値観の違いがあったはずで、今現在でも北米で続く問題であろう。 Vo.6のお話の続きです。(Vo.6はこちら↓) アラスカのシーカヤックの冒険に出かけた場所は、Tongass National F

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        • アウトドア冒険
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        • 極北の自然ライフスタイル
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        • カナダの北の大地 動画集
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          凍った湖で、釣りをしながら春を待つ

          厳冬期の2月は気温が-30度前後まで下がることもあり、仮に魚が釣れたとしても、穴から出てしばらくするとカチコチに凍ってしまうのだ。気温の温かい春先は、素手でも魚を捌くことができ、釣りをしていても集中力が持続する。 ようやく極北ユーコンでも、春の気配を感じ始めている。とはいっても4月初旬でも雪はたっぷり残っており、外気も夜はマイナス15度程度まで下がる時期である。3月中旬からは日照時間が急激に増え、同時に気温も上がってくる為、春を迎える喜びが徐々に湧いてくるのだ。 日本で桜

          オーロラライブ中継 リアルとバーチャルの狭間で

          コロナ禍で海外旅行ができない為、カナダ極北ユーコン準州ではガイドの仕事がほぼ休眠中だ。ガイド仲間のほとんどが、他の業種でバイトをしているか、休職中かのいずれかである。 当初は2−3ヶ月から半年ほどで落ち着くと思われていたコロナも、始まってから既に1年が過ぎてしまった。カナダは今でも国内の移動制限がある状態で、去年の秋を最後にカナダ国内のゲストさえもガイドできない状態である。 <オーロラ生中継のセットアップ> そんな中、各旅行会社やガイドたちがそれぞれオンラインツアーや配

          極北に住むと。。。

          世界のどこにもパラダイスなどないに違いない。結局何を選んで、何を捨てるか。その選択が、人生の方向を決めていくのかもしれない。 海外に住んでいると、特に極北の辺鄙な場所にいると、日本では考えられないようなことがよく起きる。 現在カナダもまだコロナ渦で、移動制限があるまっただ中だ。ここ北の果てのユーコン準州でも、未だに州境が閉ざされている。州外に出て戻ってくるだけで、2週間の強制隔離を行わなければならない。 州境が閉鎖されていることもあり、この冬はずっとユーコン州都のホワイ

          極北カナダ Vo.6 アラスカの釣り 『 −30℃のテント暮らしに到る道 』

          今朝はまだ生きていた魚が、今は食糧となろうとしている。食べるものと食べられるもの。その境界線はどこにあるのか。焚き火を見ながら一人でいると、頭に様々な思考が現れては消えていく。じっと火を見つめていると、今日はまだ一言も発していないことに気づいた。 Vo.5のお話の続きです。(Vo.5はこちら↓) 出発前の準備とこの2日間で、疲れが溜まっていた。今日は長距離をカヤックで移動する気になれない。 シーカヤックでは荷物の積み下ろしに、かなりの時間を使う。テントを畳んだりする荷造

          極北カナダ Vo.5 森の野営地探し 『 −30℃のテント暮らしに到る道 』

          在学中に「荒野へ」という本を読んでから、極北の自然への憧れがあった。本の主人公である若者は、全てを捨ててアラスカへと行き、原野で自給自足の暮らしを始めた。最後は原野で亡くなるという実話だが、どこかで自分の心情を重ねながら、アラスカの海へとやってきたに違いない。 Vo.4のお話の続きです。(Vo.4はこちら↓) Naha湾で一晩を過ごした後、翌日は朝から満潮時を狙って、Roosevelt Lagoonへと入っていった。Lagoonとは、外海から隔てられた水深の浅い水域のこと

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          都会を飛び出し、極北の原野へ

          オーロラ、クマ、ビーバー。。。野生動物や大自然の魅力に溢れるカナダ極北ユーコンですが、この地へ移住した個人的な理由や今の自然暮らしなどの様子を動画にしました。大自然で暮らす生き物やアウトドアの様子など、大自然の美しさも伝われば幸いです!

          −30℃、真夜中のヒッチハイクの思い出

          早朝のフライトに備えて、オーロラツアー客は街のホテルで待っている状態だ。社長や同僚に電話をしても、皆寝ていて誰も電話に出てくれない。その時見えた車の光に反応し、道路の真ん中にランプを照らして飛び出した。ヒッチハイクが盛んなユーコンでも、真夜中3時に他人は乗せたくはないだろう。 本来、人の生活は自然に支えられて成り立っている。自然の状態が、人の暮らしに影響を与えるのは、当たり前のことだと言える。ただ全てが時間通りに動く社会で育った僕には、寒さが人の生活にこんなに影響するとは、

          極北カナダ Vo.4 野生動物との距離 『 −30℃のテント暮らしに到る道 』

          シュラフに潜り込んだのは、何時のことだったであろうか。今までキャンプ場では独りでキャンプをしたことがあるが、原野でソロキャンプはこの時が初めてであった。初日を無事に終えるできたという安心感と、まだ冒険は始まったばかりだという高揚感。体は疲れているのに、なかなか眠りつくことができなかった。 Vo.3のお話の続きです。(Vo.3はこちら↓) 「なんで鹿に石を投げるの?」 誰もいないはずの森から聞こえる声に、ふと我に返った。鹿の向こう側に立っていたのは少女で、9歳ぐらいの年頃

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          マイナス40℃・極寒のテント暮らし 極北カナダ

          カナダ極北のユーコン準州で、森の中で丸いテント(ゲル)に暮らしています。極寒の中も凍らずに生きていますが、ゲルの中身を公開しました。ミニマルな暮らしや大自然の暮らしに興味のある方、是非見てください!(日本語訳のCC付きです) こちらに記事もあります。 https://note.com/tntnaturecon/n/n01f7bfe34f5a

          極北カナダ Vo.0 ゲル暮らしを始めた理由 『 −30℃のテント暮らしに到る道 』

          ”極北のゲル暮らしは薪を割ったり、水を汲んだりと多くの作業がある一方、外の自然を常に感じることができる豊かな暮らしでもある。時にはフクロウの声が聞こえたり、上空を飛んでいく白鳥やオーロラを眺めることができることもある。自然との繋がりを求めてやってきた極北カナダのユーコン準州。家に住みたいと思いながらも、なんだかんだで、シンプルな森のゲル暮らしが似合っているのかもしれない。" 今朝の気温はマイナス42度。北極海から寒波が南下し、一年でも最も寒い気温となっている。ゲルの中では薪

          極北カナダ・ソリ犬の物語

          一昨日のこと、また一頭あの世に行った。最初は18頭いたソリ犬たちが、今は4頭しか残されていない。 極北カナダのユーコンでは、歴史的に犬ぞりが盛んな地だ。今でも街の郊外にいくと、趣味で犬ぞりをしている人たちが存在する。カナダのユーコンと隣のアメリカのアラスカ州とを結ぶ、全長1600kmの大きな犬ぞり国際大会「ユーコンクエスト」も毎年2月に行われる土地柄である。 今住んでいる土地にやってきたのは8年ほど前。ちょうど北海道・道東での3年間の滞在に区切りを付け、ユーコンで出会った

          極北カナダ Vo.3 通過儀礼 『 −30℃のテント暮らしに到る道 』

          ”今回の相手は大自然。自然は立場的に中立的なものなので、時には何にも変えがたい感動、そして時には逃げたくなるような恐怖を突きつけてくる。人が介さない分だけ、自分の行為や判断がそのまま自分に跳ね返ってくる。その人間のさじ加減がきかない無慈悲さに引かれて、多くの人が自然に入り、若者は冒険へと出かけていくのだろう。” Vo.2のお話の続きです。(Vo.2はこちら↓) 世界のあらゆるところで通過儀礼が存在する。若者が何かの試練を通して大人になっていくというもの。近代以前の社会では