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#54 病院で読んではいけない文章


「あなたの人生を支えてくれた本はありますか?」


もし私が売れっ子作家(もしくはエッセイスト)になったら……という設定で、この質問をされたら、何て答えるだろう。

そんな妄想が頭をよぎったので、きちんと考えてみた。
よせばいいのに、余計な肉付けもしてしまう↓

・会場:NHK文化センター
・イベント名:「都築あい 『3人産んでから、子どもが苦手になりました』出版記念トークショー」

冒頭の質問に対し、私はこう続ける。

私「そうだなあ。うーん、たくさん……たくさんいらっしゃるんですよ。もう、世の中って素敵な著者さんばかりなので」

インタビュアー「今日はお時間たっぷりいただいているので、ゆっくり思い出していただいていいですよ」

私「ええ。ありがとうございます。じゃあ、思いつくかぎり答えさせていただきますね!」

ここまで書いていて、妄想上の自分が鼻につく。
しかし人気作家の私はマイペースに続ける。

「『書くことを仕事に』と、私の人生を決めてくれたのは、佐藤友美さん。

『書く』の本質を学ばせてくれたのは、近藤康太郎先生。

『書くっていいな』と気づかせてくれたのは、古賀史健さん。

『やっぱり書きたい』と思わせてくれたのは藤原華さん。

『読まれる本を書きたい』と思わせてくれたのは、さくらももこさん。

そして……ふふっ。……あの……くくっ……」

インタビュアー「どうなさいました?」

私「ごめんなさい、ちょっと思い出し笑いしてしまって」

インタビュアー「そんなに面白かった著者さんがいるのですか?」

私「はい、もうね、何度読んでも声に出して笑っちゃうんですよ、この方の文章は。かなり有名なエッセイストさんなので、月並みな解答になりますが」

インタビュアー「どなたですか?」

私「斉藤ナミさんです」

インタビュアー「ああ!!!もちろん存じています!私も大好きです!」

私「ですよね?本当に私、あの方のエッセイで何度笑ったことか!
私が38歳のときWebライターとして文章を書くようになって、斉藤ナミ先生の作品にたまたま出会えて……あ、当時はnoteというプラットフォームでWebで読める作品だったんですよ。
今はもう紙媒体で3つも連載をもっていらっしゃいますが。
今でも私、斉藤ナミさんの作品を読み返すんですが、何度読んでも笑っちゃうんですよ」

インタビュアー「そうなんですね!私はナミ先生の処女作を読ませていただいたのですが『令和のさくらももこ、ここに』という帯に、首がもげるほど頷きました!」

私「ね!ほんとうにそう!!!!」




以前、娘の通院している皮膚科にて、斉藤ナミさんの『自分でレーザー脱毛をして、目も当てられない恰好になった。』を読んだ。
私はその面白さに堪えられず、実際に声を出して院内で笑ってしまい、周りの患者、何なら自分の娘にまで、冷ややかな目で見られた経験がある。
そこから一気に斉藤ナミさんのファンになった。

こんなに人を笑わせることができる文章、なかなか無い。
むしろ文章で人を「泣かせる」よりも「笑わせる」ほうが難しいのではないか、とさえ思う。
笑いだけではなく、ナミさんの文章は読んでいると頭の中で上映される。
つまりそれくらいきめ細やかな情景や心情が描かれているのだ。

そんな斉藤ナミさんが、 2024年の秋頃にご自身初のエッセイ本を出版されるそう。


ということで、本の発売までにウォーミングアップとして、斉藤ナミさんの作品をぜひ(一人で笑っても大丈夫な環境で)読んでいただきたい。


ナミさん、本の出版、楽しみにしております!!!




























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