斉藤ナミ

エッセイスト。 デザイン、イラスト。 執筆 : ランドリーボックス/ねとらぼ/ぶんしょう社/リディアほか

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エッセイスト。 デザイン、イラスト。 執筆 : ランドリーボックス/ねとらぼ/ぶんしょう社/リディアほか

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    自分でレーザー脱毛をして、目も当てられない恰好になった。

    今日はわたしが家庭用レーザー脱毛器と真剣に向き合ってみた話をしたいと思います。 わたしももう30代後半。そこまで露出した服も着ないし、見せる相手もいません。しかしそれでも、ふとした時にそこに居るヤツらが目に入るんですよね。 久々にお気に入りの下着を履いたところで、繊細なレースの隙間からはみ出て、すべてをぶち壊す、物凄い存在感のあいつら… 背中に太ももに、昔からずっと変わらず、あいもかわらずビッシリとそこに張り付いてるあいつら… 可愛く足の指にペディキュアしたって、その麓に

      • 優しくしてくれる人が怖い

        自分に好意を持ってくれている人や、優しくしてくれる人が怖い。好かれるはずがない、優しくしてくれる人なんているはずがない、と思っている。 私の本性は、暗くて、卑怯で、コミュ症。そのくせ承認欲求のお化け。 あと、品がなくて、強欲で、どすけべ。 それなのに優しくしてくれる人は、仏様のように心が優しく、広く、息を吐くように世界中の人に優しいのかもしれない。慈悲の心がデカすぎて、私のような虫けらに優しさを放ったところでなんの実感もないというか、もしかしたら、自覚もなく優しくしてくれ

        • なんでLINE返してくれないの?

          なんでLINE返してくれないの? スマホは持ってるよね?1日の間に1度も見ないなんてことないよね?なんならアップルウォッチもつけてるから、手元に通知いってるよね?え?3日も未読ってどういうこと? あー、わかった。今流行りの感染症かなー?いや、それでもみなさん「コロナなう」とかツイートしてますよね?スマホ触れないなんてことないよね?あれー?おっかしいなー? はっはーん、スマホ壊れちゃったのかな〜?それとも、LINEに不具合出てるのかなー?うーん、おかしいな〜待てよぉ〜?L

          • 「何者かになりたい」と「今のままで十分しあわせ」の狭間

            正直に言って私はいまだに「何者かになりたい」と思っている。 未来に無限の可能性がある若者ならまだしも、私はもうしっかりとしたアラフォーだ。そのくせアラフォーにふさわしいゴリゴリの実績も実力もないうえに「85才のVtuber!」みたいな珍しさも「100日で○○になるぞ! 」みたいな強いコンテンツ力もなく、どこにでもあるようなテーマでエッセイやイラストをちょこちょこと描く程度のぬるい活動をしている。麻婆春雨が好きだとか、夫が高橋一生さんだったらいいなとか。なめてんのか。 しか

            永谷園の麻婆春雨の思い出

            私は永谷園の麻婆春雨が好きだ。本当に好きだ。 プリプリでモチモチでつるっつるな春雨に、濃厚な麻婆ソースがとろりと絡み、ひとくち口に入れただけで鼻の奥にふわぁっと広がる台湾か中国かベトナムか……どこかあちらの方の楽園。 シャキシャキとしたタケノコ、ぷるぷるチャグチャグとしたキクラゲ、たま〜に見かけるとめちゃくちゃ嬉しい豚肉、大豆でできているソボロ、「え? 唐辛子?」と思いきや実は……の赤ピーマン、そして安定感抜群すぎる人参たち。彼らが口に入るたび、その食感にハッとしてGOO

            もうリアクション芸人なんてしないなんて言わないよ絶対

            ーさぁ、みんな笑って!拍手っ!今だっ!もっともっと! 私には、生のパフォーマンスをしてくれる人に対して、なるべく良い観客でいたいと思ってしまうところがある。 どんなジャンルでも規模でもだ。お芝居、サーカス、オーケストラ、ライブ、子どもたちの学芸会。それから、最近ではTwitterのスペース、オンライン配信や、zoomの打ち合わせなどでも、なるべく良い観客でありたい。 「反応が悪いな。今日調子悪いかも…」とガッカリされたり、不安に思われたりしたくないのだ。観客が一つになれ

            エッセイストがマッチングアプリをしたらめちゃくちゃモテるんじゃないか?検証してみた

            私はある日、ひらめいた。 ……エッセイストなら、マッチングアプリで無双できるんじゃない? コミュ障で、初めて会う人との雑談となるとポンコツな私も、仮にもエッセイストを名乗っているんだ。テキストだけなら、私の持つ語彙の全力をつくし、口八丁手八丁で相手を虜にできるんじゃないだろうか? それなら、もしかしたら今世ではまともに会話などできそうにない、あんなイケメンやこんなイケメンとでも、楽しく会話ができるんじゃなかろうか? なんてこった! なんで今まで気づかなかったのだろうか

            すべて母のせいにして

            ランドリーボックスさんで、母の日を挟んで「母」にまつわるエッセイを書いた。 今まで封印してきた思い出を、ずるずる…と引き出すこととなり、それに伴っていろんなものが出てきた。 今までどこにも書いてこなかった。私と母についてのエッセイ。 文字通り”わたし”を作った人物であり、”わたし”に多大な影響を与えた母。 ほんの些細なものでも、母の言葉の切れ端を少し思い出すだけでボロボロと涙が溢れてきて、止まらなかった。涙と一緒に、傷つけられた思い出や、傷つけた思い出や、心配をかけた思

            101回目の「"丁寧な暮らし"をする」宣言

            私は「丁寧な暮らし」に、定期的に憧れている。 麻の服を着たり、木のまな板を使ったり、ほうれん草を丁寧に茹でたり、何かを干して旨味を凝縮させたり、木製品に呼吸をさせたり。 そういうことをしている人たちを見ると「あぁ、ちゃんと生きてるな」と思う。 ポリエステルの服を着て、プラスチックのまな板を使い、化学調味料でお味噌汁を作り、木製品にはクロスをかけっぱなしの私は「ちゃんと生きてない」のかと聞かれると、精一杯生きとるわいっ!だからこそ時間がないんだ!とも思うのだけれど、時短や

            「パンティー」の恥ずかしさ

            このところお仕事で文章を書く機会が少しずつ増えてきた私。好き勝手にブログを書いていた頃よりも格段に、言葉の扱い方や、一つ一つの意味の理解に慎重になっている。 そんな中、久しぶりに直面したこの言葉。「パンティー」 おいでなすった。私がこの人生を歩む中、ずっと避けてきた言葉だ。 下ネタ的な記事ではなく、ごくまっとうな、女性の下着や体に関する記事でのご登場であるから、そこに卑猥な含みは当然ない。普通に女性の下着を意味する「パンティー」なのだが、どうも私はこの単語じたいに卑猥さ

            初恋の彼と、その子どもと、ラブストーリーは突然に。

            息子の友だちの父親が、私の初恋の相手だと確信したのは、最近のことだ。 長男が小学校に入学する時に見た同級生の名簿の中に、見覚えのある苗字があった。海園という少し珍しい苗字。 初恋の思い出 〜ラブストーリーは突然に〜 私が小学校1年生で初めて恋をした相手は、海園タカヒロくん(仮名)。ルパン3世みたいな男の子だった。くるっとした瞳に、眉毛やもみあげなどの毛が濃く、スポーツ万能で、リーダーシップがあって、ひょうひょうとしているところもかっこよくて、男子からも女子からも人気が高

            プロのコミュ障、とうとう美容院へ行く

            私は美容院が苦手だ。「今日はお休みですか?」「お仕事なにされてるんですか?」どこにも逃げられない空間で、テンプレ化された会話を一方的に始められる。 そして自分の顔面を、目の前の大きな鏡で見せつけられ続ける。ケープで服を隠され、髪を濡らされた状態で、むくんだ顔だけがボンとそこに映し出されてる様子を、2時間もひたすら突きつけられるのだ。 対して、その画角に一緒に映るのは、お洒落な服に、バチバチに決まったヘアスタイル、ハサミやダッカールなど仕事道具を腰からぶら下げ、カッコよく仕

            もしも夫が高橋一生だったら…

            万人がきっと一度くらいは、代わり映えのない毎日に嫌気がさし、妄想にふけったことがあるはず。あぁ、あの芸能人と曲がり角でぶつかりたい、デートしたい、付き合いたい。 そして、隣でゴーゴーといびきをかいて寝ている夫を見て、こうも思います。あぁ、うるさい。眠れない…つらい…くっそー 「もしも、この人が…。夫が、高橋一生だったら……」 もしも夫が高橋一生だったら、わたしはきっと、多少の寝不足も、掃除嫌いも、お風呂入るのが嫌いな事も、早寝早起きできない事も、猫背も、運動不足も、友達

            夏休みの読書感想文でお金を稼いだ思い出

            読書感想文がテーマのイベントをみかけると、いつも思い出すことがある。子供の頃、他人の読書感想文を書きまくって大儲けをした記憶だ。後にも先にも、人生であんなにたくさんの感想文を一度に書いた機会は他にない。 私が小学3年生の時だった。我が家はとても貧乏で、いろんな事情により引っ越し、転校を繰り返していた。 どのくらいの貧乏かというと、家族4人で2LDKのアパート暮らしで、クーラーもなく、食卓には時折ご飯に前日のお味噌汁をかけただけのものが出てくることもあるくらいのレベルだった

            初めての吸水ショーツ体験記!

            吸水ショーツって、実際どうなの? 吸収力は? 洗い方は? 匂いは? つけ心地は? 書きたいことがいっぱい! 初めてその存在を知ったのは、Twitterのタイムラインに広告が流れてきた時。それはそれは衝撃的でした。 ナプキンを使わないでそのままショーツに経血を吸収させるの!? それってオムツってこと? それにしては普通のショーツに見える……。 生理の何が嫌いって、ナプキンが嫌いです。1週間もあんなものを繰り返し装着し続けないといけなくて、体内から出てくるものを受け止めて、

            生理をトイレットペーパーでやり過ごした話を公開しました。

            娘に生理がきたらお赤飯を炊いてお祝いするという謎の習慣は、もうたいしてめでたいとも思われていない昨今に、なぜ残っているのでしょうか? 生理が来たことをどうしても受け止められなくて、トイレットペーパーで何とかしていた小学校高学年の頃の日々を綴ったエッセイが、先日、「ランドリーボックス」というWebメディアで公開されました。 大人の体になる、女である、ということがなんとも恥ずかしく、受け入れられず、拗らせまくっていたわたし。 今まで友達にも家族にも、誰にも話したことがなかっ