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人生はいつでもやり直せる!50歳からのフリーランスの道の拓き方

さて今回は、フリーランス研究家としても著名な黒田悠介さんの著書『ライフピボット 縦横無尽に未来を描く人生100年時代の転身術』の考察を述べようと思います。

黒田さんはフリーランス向けの啓蒙活動も活発で、「FreelanceNow(フリーラスなう)」「議論メシ」とったコミュニティ活動についても、その運営を遠からず参考にさせて頂いています。フリーランスの大きな課題の一つに、「壁打ち相手がない」ことを感じており、その解決の一助が「議論メシ」の運営スタイルにあるように感じているのです。

また、私自身、コミュニティ設計の考察は以前述べていますので、宜しければご参照下さい。


ライフピボット

今回は、50代のビジネスパーソン(フリーランスも含む)目線で述べたいと思います。いわゆる、一般的にはもう少しで定年が見えてくる世代。「定年までに何を準備すべきか」「定年後はどう生きるのか」と、考えている方も多いことでしょう。もし、今までのキャリアを手放さずに、”小さな挑戦”で仕事を続けることが可能だとしたら、道は拓けないだろうか。

人生100年時代が現実味を帯びてきた今、各自が自分ならではの「人生スゴロク」をプレイする時代へ

 まず、厚生労働省は2021年4月1日より「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」を改正・施行し、希望者は70歳まで働けるようになりました(人生100年時代が現実味へ)。
 一方で、生き方や働き方のサイクルは、短期間化傾向にあると思っています。企業の短命化に伴い、一つの会社に勤め続けて出世を目指すという、直線的で長期的なキャリアプランを描ける状況ではなくなったということです。誰もが同意する理想的な人生スゴロクは存在せず、各自が自分ならではの人生スゴロクをプレイする時代に突入したと言えます。ここで、取り入れるべき考え方が【ライフピボット】という考え方です。


バスケットのルールと似た「ライフピボット」とは

 「ライフ」は「人生や仕事のキャリア」、「ピボット」は「転換」を意味し、「ジャンプ」とは異なります。仮にジャンプすると、過去の経験をすべてリセットして、両足を床から離し目的地へ飛ぶ、リスクの高いキャリアチェンジとなります。「ピボット」はあくまで、今までのバックグラウンドという軸足をしっかりと床につけたまま、一歩だけ踏み出してみる方法です。つまり、経験の蓄積(ピボットフット)を軸足にして、360度好きな方向にもう片方の足を踏み出し、キャリアを転換することこそがライフピボットという訳です。
 例えば、大手企業に勤務してマーケターを生業としているのであれば、個人の裁量に委ねられることが多いベンチャー企業に転職して、いずれはベンチャー企業経営者を目指す、などが該当します。しかし、40代後半以降、これから50代に突入していくビジネスパーソンは、「ピボットの方法が分からない」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。転職や独立、起業といったピボットの経験が少ない為、次の人生の選択肢を選びかねてしまうことが想定されます。

 ここで、「自分も当てはまってしまう」と、将来を案じた方もいるかもしれませんが、ピボットに必須の【3つの蓄積】と、後述する【蓄積のための2つのアクション】を実行しておけば、ピボットは何歳でも可能であるとのこと。


ライフピボットに必要な3つの蓄積

①価値を提供できるスキルセット
仕事を通じて蓄積するスキル。定期的な振り返りで把握しておくことが重要
■テクニカルスキル
・業務遂行能力
・課題解決スキル
例)プログラミング、ライティング

■ヒューマンスキル
・対人スキル
例)コミュニケーション、ヒアリング、ネゴシエーション、リーダーシップ、プレゼンテーション、コーチング、ファシリテーション

■コンセプチュアルスキル
・概念化能力
(他のスキルと同時に発揮されることが多い)
例)論理的思考、水平思考、批判的思考、多面的視野、柔軟性、受容性、知的好奇心、探求心、応用力、洞察力、直感力、チャレンジ精神、俯瞰力、先見性

②広く多様な人的ネットワーク
新しい情報や機会をもたらせてくれる、広く多様な人的ネットワーク
■信用(credit)
・単方向で客観的な評価
・提供価値によって信用情報を集める
例)情報発信する

■信頼(trust)
・双方向で主観的な関係
・共同作業によって信頼関係を築く
例)コミュニティに参加する

③経験によるリアルな自己理解
ライフピボットの道しるべ。定期的な振り返りで記録しておくことが重要
■嗜好性
・好き嫌い
・感情の動きを観察する
例)コンセプトを考えるのが好き、議論が好き

■価値観
・意味を見出す
・思考の動きを観察する
例)社会のため、地球環境のため

これら【3つの蓄積】を継続して累加させていくためには、振り返るワークもセットとなります。理想的な頻度は、1日1回とのこと。その日の仕事を思い返し、「自分はどのようなスキルセットを発揮したか。自根来ネットワークは広がったか。どのように自己理解が深まったか」と、自分自身にこの3つを問うてみましょう。箇条書きで良いので書き留めておくことです。


「蓄積のための2つのアクション」とは?

 「3つの蓄積」と「振り返り」を理屈として理解できても、個人で実践するのは難しいと思う人もいるはずです。だからこそ同時に実行していただきたいので、「蓄積のための2つのアクション」です。具体的な対策が以下となります。

①ビジネス系マッチングアプリサービスを利用する
 新たな人に会った方が良い理由は二つあり、一つは「3つの蓄積」である人的ネットワークを増やすためです。普段接点があまりない働き方や生き方をしている人達に出会えるので、視野やネットワークが大きく拡がります。二つめの理由は、普段接点がない人だからこそ、客観的なコメントをくれることも多く「自己理解」につながるからです。
例)「yenta(イェンタ)」、「バーチャルランチクラブ」

②コミュニティに参加する
 一言でコミュニティと言っても多種多様。地元の住民同士がつながる地域コミュニティ外で探すのであれば、自分の趣味や職業をキーワードにして検索すると見つかるでしょう。Googleだけでなく、Facebookで運営されているコミュニティもありますので、自分にフィットするコミュニティを探しましょう。

挑戦しない人生はリスクの先送り

 発注者を探し、自分のスキルセットを副業・複業として試す。生まれた人的ネットワークにより、有益な情報や機会にに恵まれる。自分には無い価値観や考え方の人と大勢出会うため、自己理解が深まる。コミュニティへの属性は「3つの蓄積」全てを底上げしてくれます。近年は会社と家族以外につながりがないと危機感を覚えた、50代以上の参加者も増えています。
 リスクを避けて挑戦しない人生は、実はリスクを先送りしているだけだと言えます。挑戦を回避し続けた結果、リスクが山積し、ある日突然、人生最大のチャレンジとコネクトし、身動きが取れなくなってしまうこともあります。リストラが典型例です。

 ライフピボットを実践すると、小さな挑戦を繰り返すためリスクを分散できます。いきなり転職や独立、起業する必要はないので、能動的にいつでも新たなキャリアにピボットできる準備として、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。


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