【勝因】『セットプレーがさく裂したシーソーゲーム』~プレミアリーグ第32節リバプールVSノッティンガム・フォレスト~

試合結果

2022-23 プレミアリーグ 第32節
4/23 23:00K.O. @アンフィールド
リバプール(3-2)ノッティンガム・フォレスト
47分 ディオゴ・ジョッタ
51分 ネコ・ウィリアムズ
55分 ディオゴ・ジョッタ
67分 モーガン・ギブスホワイト
70分 モハメド・サラー

スタメン

8位のリバプールが18位のノッティンガム・フォレストをアンフィールドに迎えた一戦は、両チームがセットプレーでネットを揺らす中で、より長くボールを保持して多くのセットプレーを獲得したホームチームが勝利を収めた。

前半はリバプールが終始ボールを握り続けた。右SBのトレント・アレクサンダー=アーノルドがボランチの位置に入っていき、[4-3-3]から[3-2-5]でパスを回す。敵陣でのプレーを続けて、ノッティンガム・フォレストの[3-4-3]のブロックを崩しにかかる。大外を起点にしたワイドアタック、ハーフスペースへの突撃、コーディ・ガクポが下がることで空いた中央のスペースに両WGがダイアゴナルランを仕掛ける攻撃を繰り出す。そして6本のCKと3本のFKでゴールに迫ったが、GKケイラー・ナバスに防がれて得点を奪うことはできなかった。

ボールは持っているし、シュートは打てている。しかし、得点が取れない。リバプールが焦れる展開になるかと思われたが、後半開始早々にセットプレーで均衡を破る。47分、右CK。アレクサンダー=アーノルドが蹴り込んだボールは相手にクリアされるも、アンカーのファビーニョが頭でゴール方向に流し込むと、DFの後ろから前に出てきた左WGのディオゴ・ジョッタが頭で合わせてネットを揺らした。ボックス内で足を止めずに、どんなボールが来てもすぐに反応できる準備をする。背番号20の嗅覚を感じる得点でリバプールが先制した。

しかし、10試合未勝利で3連敗中かつアウェイ戦5連敗のノッティンガム・フォレストは1失点を喫したくらいではへこたれない。CBのムサ・ニアカテのロングスローで反発する。51分には自陣の左サイドからニアカテがロングスローを投げ入れると、これをつないで最後は右サイドでフリーになっていた右WBのネコ・ウィリアムズがシュートを決めた。

試合は振り出しに戻ったが、リバプールがまたもセットプレーから一歩リードする。55分の左FK、左SBのアンドリュー・ロバートソンが蹴り入れたボールはニアサイドに走り込んだジョッタへピンポイントで届く。これをジョッタは胸と左足のももを使って巧みにコントロールし、ボールをバウンドさせることなく左足でボレーシュートを放ち、右スミに流し込んだ。技術とアイディアが詰まったスーパーゴールだった。

これでリバプールが勝利を大きく手繰り寄せたかに思えたが、ノッティンガム・フォレストはまだあきらめていなかった。今節で勝てていない状況を吹き飛ばすと言わんばかりに、勝利を目指す姿勢を貫く。サイドから少しずつ陣地を回復させて、ニアカテのロングスローでゴール前に混沌を作り、どさくさに紛れて得点を取る作戦だった。68分には強引にゴールに向かっていく狙いが奏功し、ロングスローの流れからこぼれ球をヘディングでつないで、左STのモーガン・ギブスホワイトが倒れながらのボレーシュートを決めた。

降格圏に沈む相手に対して2度の同点弾を許す。リバプールは不本意な状況を強いられるも、相手にペースは渡さなかった。それどころかセットプレー一発で勝利をつかみ取る。70分、右CK。アレクサンダー=アーノルドがゴール前を鋭く横断するボールを蹴ると、モハメド・サラーが相手を腕で力強くブロックしながら左足でうまく合わせた。ジャストミートしたシュートはものすごいスピードで右ポストの内側に当たってゴールに入った。これが決勝点だった。

リバプールは相手のブロックを崩してゴールを仕留めることはできなかったが、質の高いキッカーとシューターの力でセットプレーから3得点を奪って勝利を手にした。一方のノッティンガム・フォレストは4連敗となったものの、試合の流れに左右されずにシュートチャンスを作り出せるニアカテのロングスローがさく裂して、リバプールに肉薄した。24年ぶりに復帰したプレミアリーグの残留を勝ち取る上で大きな武器になるだろう。

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