【レビュー】『ターンオーバーが成功して3連勝を達成』~第13節ファジアーノ岡山VS水戸ホーリーホック~

2022 J2 第14節
5/4 14:00K.O. @シティライトスタジアム
岡山(2-1)水戸
43分 チアゴ・アウベス
54分 ハン・イグォン
89分 椿直起

スタメン


マッチレポート

ターンオーバー成功。岡山が結束力強まる勝点3

ターンオーバーのメリットとデメリットは表裏一体。これまで控えが多かった選手が活躍して試合に勝つとチームの一体感は増し、負ければチームの層が厚くないことを突き詰められる。岡山は前節から中2日ということもあり、先発7選手を入れ替えて臨むと、出番の少なかった選手たちが躍動した。

水戸が前半の主導権を握る。最終ラインからパスをつなぎ、2トップのパワーを生かしてゴールに迫っていく。32分、木下が競り合ってこぼれたボールに抜け出した安藤がPA内でシュートを放つも、バイスのブロックに防がれた。

岡山は自陣で守る時間が続いたが、チアゴ、川本、白井が相手の背後を突いていき押し返していく。29分、チアゴが敵陣浅い位置で相手DFからボールを奪うと、ドリブルで持ち運びシュートを放つ。しかし、軸足を滑らせてしまった。37分には、スローインを細かくつなぎ川本がミドルシュートを放つ。素早くゴールに迫ると、43分に試合を動かす。左サイド深い位置でのFKを河野が低いボールをペナルティスポットに流し込むと、回り込んでフリーになったチアゴが左足を振り抜いた。デザインされたセットプレーが結実し、岡山が先制して前半を折り返す。

岡山は後半から守備時に前線の4選手が横並びになり、水戸のパス回しをけん制すると、53分に追加点を奪う。本山が敵陣で相手からボールを奪うと、イグォンがドリブルでPA手前まで運んでいき、右足で強烈なシュートを突き刺した。

水戸は2点を追いかける展開になってから、攻撃に勢いが生まれる。選手を入れ替え、立ち位置も変えて反撃に出ていき、椿が左サイドから突破してゴールに迫っていく。岡山は濱田を最終ラインに入れ、[5-3-2]に変えて対応する。89分、クロスから椿に決められて1点差とされたが、今季初先発の阿部がタイトなマークでピンチの芽を摘み取り、リードを守り切った岡山が3連勝を成し遂げた。

勝利した岡山にさらなる一体感が生まれるだろう。出場機会の限られていた選手が攻守に活躍し、勝点3を掴み取ったことで、皆に当事者意識が芽生えた。一段と結束力が強まったチームは、昇格に向けて全員で戦っていく。

コラム

”ハンター”本山遥が生み出した追加点

岡山の中盤にはハンターがいた。

54分、本山遥がボールを狩り取った。CBから縦パスを受けた曽根田穣に猛烈なプレスをかけて、奪い取ると、ショートカウンターが発動。ボールを受けたイグォンはドリブルを開始し、PA手前まで運んでいって右足での強烈なシュートをネットに突き刺した。

獲物を狩るように睨みを利かせて、一瞬で仕留める。背番号26は相手が背中を向いてパスを受けると、一気に襲いかかった。細かいステップワークで瞬く間に距離を詰めて、ボールを奪い追加点を呼び込んだ。

本山というハンターは獲物を狩るだけでは満足しなかった。ボールを奪うと、ゴール前に力強く駆け上がる。左からイグォンを追い越すことで相手DFを困惑させ、イグォンにシュートコースを与えた。ボールホルダーという獲物だけでなく、ゴールという獲物も仕留めに行ったのだ。

血気盛んなハンターは50分に左サイドでもボールを狩り取っており、53分には縦パスを受けようとする相手に睨みを利かせて、ロングボールを蹴らせてチームとしてマイボールにしたシーンもあった。

持ち味の奪う守備が得点に結びつき、自信を深めるハンターはこれからもボールを狩るチャンスを虎視眈々と狙う。

読んでいただきありがとうございます。 頂いたサポート資金は遠征費や制作費、勉強費に充てさせていただきます!