【活動日記】『現在地が明確になった初めてのCスタの記者席』~Cスタ記者席デビュー戦~

気持ちを高ぶらせて臨んだCスタの記者席デビュー戦を終えて、自分の現在地は明確になった。

「今の実力では厳しい」と言われた3か月前。

サッカーライターへの扉が閉ざされ、平らに舗装されていた扉までの道は一気に岨道(そばみち)になった。

扉を開けるためには険しい道のりを突き進んでいかなければならない。しかし、どのようにして進んでいけばいいのか。そもそもこの道はサッカーライターの入り口までつながっているのだろうか。目的地と今いる自分の位置が分からなくなった。

あからさまにショックを受けていた僕だったけど、寺田弘幸さんから記事の書き方や練習取材の方法、生活習慣や心構えまで本当にたくさんのことを学び、扉に向かって案内してもらいながら毎日を歩んだ。

そして、6月4日。ついに扉に手をかけた。

ファジアーノ岡山VSツエーゲン金沢の試合で、Cスタの記者席に行けることになった。見学ではなく、エルゴラッソからお仕事を依頼される形で、Jリーグのマッチレポートと試合後の監督、選手のコメントを担当するために。

大学生のうちにCスタの記者席に行くことはできないのかもしれない。これが正直な気持ちだった。だから寺田さんに『ファジアーノの試合取材に行けるようになったよ』って言われたときはすごく嬉しかった。お店にいたのに思わず大きな声で「よっしゃー!!」って叫んでしまった。

家族もすごく喜んでくれた。「インタビューもするんじゃろ?レコーダー要るじゃん」って記者席デビューのお祝いとしてレコーダーを買ってくれた。

お父さん、お母さん、ありがとう

試合当日、買ってもらったレコーダーを持ち、緊張で震えた足でCスタの記者席に向かった。今まで見たことない景色に感動した後、すぐにパソコンとノートを机に広げる。試合を見ながらマッチレポートの執筆に取り掛かった。机の下にあるコンセントのふたが開かないトラブルもあった。前半だけで6回もゴールネットが揺れる慌ただしい展開だった。だけど、焦ることなく、浮足立つことなく、キーボードを叩く。

初めての記者席でも落ち着いて取り組めたのは横に座る寺田さんから安心感を感じたことと、練習の成果を発揮することができたから。普段、Jリーグの試合を見ながらメモを取り、どんな試合展開だったのかを記していく“速報マッチレポート”を書いている。最初は何を書いていけばよいか分からなかったけど、寺田さんに教えてもらったことを活かそうと日頃から練習していた。ずっと憧れていた記者席での作業だったけど、「大丈夫、いつもやっていることをやるんだ」って自分に言い聞かせる。平常心を保ち、きちんと締切までにマッチレポートを提出することができた。

試合が終わると、取材に移る。

記者会見室で監督の会見が行われた後、ミックスゾーンに移動して選手取材をする。この日は初めての試合取材だったから、寺田さんを見て取材の流れや取材における決まりを学ぶ。金沢の林選手の話を聞き終えると、ファジアーノの選手もミックスゾーンを通過していく。

寺田さんと亀井良平さん(山陽新聞)が選手に質問をしていく横で、レコーダーの録音ボタンを押した。自分だったらどんなことを聞くだろうか、聞けるだろうか。頭で考えながら、進んでいくインタビューを聞いていた。柳選手のインタビューのとき、お二人が質問を終えた後に勇気を振り絞り「1つ質問してもよろしいでしょうか?」と口を開けた。

「ホーム初ゴールおめでとうございます。ゴールを決めた後に真っ先にベンチに走っていかれました。どんな想いだったのでしょうか?」

柳選手に質問した。柳選手は僕の目を見て笑顔で答えてくれた。
※答えてくださった内容はファジラボに記載

選手へのインタビューを終えて、試合取材は終了した。

スタジアムからの帰り道、寺田さんが運転する車の中で初めてのCスタでの試合取材を振り返った。

寺田さん「初めてだったけど、どうだった?」

難波「もちろん楽しかったです。ずっとやりたいと思っていたこと、行きたいと思っていた場所でしたから。やっぱり最初は緊張していましたけど、できることとできないことが自分の中でより明確になりました」

寺田さん「良かったね」

難波「緊張もしましたし、めずらしい試合展開でしたけど、落ち着いてマッチレポートを書けました。でも、質問する力はまだまだ足りません。何を質問するべきなのか、聞かなくてよいことは何か。取捨選択はできなかったです」

寺田さん「それはこれから実際に現場で学んで、身に付けていかないといけないな」

僕はステップアップしたい。もちろん質問もできるようになりたい。だから、寺田さんにどういうふうに質問をすればいいのか質問した。

寺田さんはポイントを教えてくれた。起こった出来事を聞くこと。試合において重要なトピックスを聞くこと。サポーターの気持ちになり、サポーターが気になったことを代わりに聞くこと。まだまだ身に付けないといけないことがある。これからも寺田さんに教わりながら、アドバイスをいただきながら、できることを増やしていきたい。

閉ざされていた扉を開けてみたら、そこには素晴らしい世界が広がっていた。今まで目指してきて本当に良かったと思えたし、もっとこの世界に入っていきたい想いがすごく、すごく強くなった。これからも僕の前に現れる扉を開けていきたい。開けられるように歩んでいきたい。

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