【ワンポイントプレビュー】『ドリブラーという武器を生かして番狂わせを起こせ』~グループE ドイツVS日本~

いよいよ日本の挑戦が始まる。初年の相手は14年ブラジル大会の優勝国であるドイツ。今大会の優勝候補の1つに数えられる強豪ではあるが、恐れることはない。22日にサウジアラビアがアルゼンチン相手に大金星を収めたように、日本にも可能性が十分にあると思っている。しかし、逆にイランがイングランドに6‐2で敗れたように、一歩間違えれば完膚なきまでに叩きのめされるかもしれない。それでも、日本には希望を抱いている。なぜなら、両サイドにドリブラーという明確な武器を携えているからだ。

ドリブラーという武器を生かして番狂わせを起こせ

生かすも殺すも自分たち次第だろう。

ドイツとの実力差を考えると、日本は守る時間が多くなることが予想できる。そのため辛抱強く、粘り強く守ることが必要不可欠で、失点を許さない限り負けることはない。しかし、日本には勝利を目指してもらいたい。過去7大会を振り返ると、グループステージを突破した大会では、初戦をモノにしてきた。優勝を経験しているドイツ、スペインと同居する死の組を突破し、過去最高のベスト8を成し遂げるために、相手がドイツであれ初戦で勝利を収めたい。

勝つためには絶対に得点が必要だ。ドイツの攻撃をしのぎながら、マヌエル・ノイアーが守るゴールを陥れる。この難題をクリアするべく、2人のドリブラーに期待したい。伊東純也と三笘薫だ。

彼らは1人で局面を打開できる個の力をもっている。切れ味の鋭いドリブルは、ドイツを相手に通用するのではないか。彼らは自分の武器を欧州1部リーグで研鑽している。試合前からビビることはない。伊東だったら、ダビド・ラウムをぶち抜くことができる。三笘ならティロ・ケーラーでもヨナス・ホフマンでも切れ込んでいける。

彼らは世界基準のドリブルだけではない。スピードも備えている。言うまでもなく”イナズマ”純也は爆発的な速さがあるが、三笘も速い。川崎時代、走力に定評のあるチアゴ・マルチンス(当時横浜FM)を置き去りにするロングドリブルを披露している。

彼らのスピードを生かした高速カウンターでドイツを撃破したい。前述したように日本は守る時間が長くなるだろう。ドイツは前に人数を掛けて日本を押し込み、失った瞬間にゲーゲンプレス(ボールロストからすぐに奪い返しすプレス。2、3人で一気に相手を囲い込むこともあり)を発動して即時奪回をしてゴールに向かっていく。

日本は守備から攻撃の切り替え時にもたつくことなく、ゲーゲンプレスの網を掻い潜らないといけない。逆にゲーゲンプレスを突破できれば、ドイツの後方、特にサイドには広大なスペースが広がっている。そこを徹底的に突いていきたい。

ボールを奪ったら、すぐにサイドのスペースに蹴り込む。そして伊東や三笘を走らせる。彼らがスペースのある状態で相手DFに仕掛けていく状況を作り出せれば、ドリブルの威力は劇的に高まる。そこからチャンスを作り、得点を決めたい。

ドイツにゲーゲンプレスという武器があるように、日本にも伊東と三笘のように強力な武器がある。23日22時にキックオフされるこの試合では、日本のドリブラーの活躍と彼らを生かす戦い方に期待したい。武器を生かすことができれば、強敵撃破も夢ではない。さぁ、世紀の番狂わせを起こそう。自分たちの手で新たな歴史を築こう。ドイツ戦はその1歩だ。

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