【レビュー】『引き分けのトンネルは続く』~第11節ロアッソ熊本VSファジアーノ岡山~

2022 J2 第11節
4/22 19:00K.O. @えがお健康スタジアム
熊本(1-1)岡山
25分 田中雄大
68分 坂本亘基

スタメン


マッチレポート

岡山は待望の先制点を奪取するも、3試合連続の引き分け

またしても岡山は勝てなかった。前々節、前節とは異なり、先制点を決めることができたのに、手にした勝点は同じ1。どうすれば勝つことができるのか。やはり、1点だけでは足りない。先制してからの勢いには凄まじいものがあった。チャンスを作れていた時間帯に追加点を奪っていかないといけない。今季のチームは守り切るのではなく、相手を突き放すことで勝利を収めていくチームなんだろうなと実感した。

熊本の地に乗り込んだ岡山は、デュークのポストプレーとバイスのフィードで敵陣に入っていき、セットプレーも獲得しながらサイドの奥を突いて攻めていくも、ラストパスが通らず、シュートが打てない。攻めあぐねてピンチを招くも、金山を中心に集中してしのいだ岡山は、相手の隙を突いて待望の先制点を奪取する。

25分、左サイドの奥を突いた木村が喜山からのスルーパスを受けると、相手と交錯してボールがこぼれる。これを拾ったデュークがすぐさまゴール前にクロスを入れると、ファーサイドから田中が飛び込んだ。バウンドを左足で合わせて流し込む。シュート技術の高さが詰ったゴールで4試合ぶりにリードすることに成功した。

一歩前に出た岡山はさらに攻勢を強めて、デュークが次々にシュートを放っていく。44分、田中のクロスをヘディングシュート、後半開始直後には徳元のアーリークロスに飛び込み、66分にもミドルシュートを放ったが、ネットを揺らすまでには至らない。

すると、岡山に疲労の色が見え始める。60分過ぎから熊本のパス回しにプレスがかからなくなり、SBの背後も使われて徐々にペースを渡すと、痛恨の一撃を食らう。68分、熊本が細かいパス回しで右サイドから敵陣に侵入すると、左サイドでパスを受けた坂本が中央に切れ込んで右足を振り抜く。選手の間を縫って飛んできたシュートに金山は反応できず、同点弾を許してしまった。岡山は選手交代で再びパワーを出そうとするも、2点目は奪えず試合は1-1で終了した。

試合終了後、徳元は倒れ込み、天を仰ぎ、ピッチを叩いた。勝てなかったことに対する悔しさの表れだろう。待望の先制点を取ることができたけど、残ったのは悔恨の気持ち。チームのポテンシャルを考えると、まだまだ満足できない。追加点を奪って勝ち切るチームになっていきたい。

コラム

失点を招くパワー不足を解決するためには

歯がゆい状況が続く。

今節の引き分けで3試合連続となり、6個の引き分けはリーグで2番目に多い。勝点1を掴んだ試合もあれば、勝ち点2を落とした試合もあるけれど、なぜこんなにも勝てない試合が続いてしまうのか。ポテンシャルを考えると、もどかしさは増すばかりだ。

今節に限った話で言うと、60分以降から明らかに運動量が落ちてしまったことが追い付かれた原因なのではないだろうか。失点シーンは熊本のパス回しにプレスをかけられないまま、ゴール前に運ばれてしまった。

岡山はそれまで前から奪いに行き、サイドの奥を突いていき、即時奪回も仕掛けていく。非常にカロリーの高いプレーで、主導権を握ることに成功していたし、先制点を奪うこともできた。だけど、90分間アグレッシブに戦い続けるのは難しい。スタメンの平均年齢が25.18歳と熊本のような若いチームではないから、なおさらだ。

では、どうするか。金山、バイス、喜山、デュークといった選手たちの豊富な経験値をもっとピッチ上で感じたい。ゲーム戦術も関わってくるだろうけど、奪いに行くときと行かないときのメリハリを付けたりして、オープンな展開をもう少し減らすことも必要だろう。

今節は選手交代でギアを上げようと試みるも、出力が上がったとは言い難い。どのように勝点を1から3に変えていくのか。失点を招く要因になっているパワー不足という課題の解決は急務だと感じる。

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