【レビュー】『踏ん張り粘って掴んだ3試合ぶりの勝利』~第17節ファジアーノ岡山VS大分トリニータ~

スタメン



マッチレポート

踏ん張った岡山が3試合ぶりの勝利

岡山は「踏ん張りどころ」(木山監督)を踏ん張る力でもって乗り越えた。

前半は終始、大分がボールを保持して試合を進めていく。攻撃時にシステムを[4-3-3]から[3-3-1-3]に変化。相手の間に立ち、GKも組み込んだビルドアップでプレスをいなしてゴールに迫る。7分、敵陣にドリブルで進入したペレイラのスルーパスに抜け出した井上がPA右からシュートを放つ。10分に高畑がケガで退くが、11分には藤本が相手のミスを突いて左サイドから中央に切れ込んでいき右足を振った。2度の決定機を作るも、GK堀田の好守に阻まれた。

岡山はパスをつないで揺さぶられても、腕章を巻くバイスを中心に慌てずに大分の攻撃をしのぐと、縦に早い攻撃で反発していく。24分、右サイドに抜け出した田中のクロスをデュークが滞空時間の長いヘディングシュートを放つ。27分には敵陣で田中がボールを奪取し、右サイドを全速力で駆け上がった河野のクロスを、川本がPA中央で収めて右足を振り抜いたが、シュートは枠を捉えない。

その後も守る時間が続いた岡山は前半終了間際にピンチを迎える。40分、野村の鋭いパスをPA左で受けた下田に右足でシュートを打たれた。ファーサイドにコントロールされたシュートだったが、GK堀田が掻き出した。5本の枠内シュートを許した前半だったが、スコアレスで折り返す。

後半は両監督が送り出した攻撃的な選手がゴールに迫った。大分が61分にサムエルと渡邉を投入すると、岡山は63分に木村が、69分にもチアゴと白井が駆け出していく。81分、右サイドからのクロスに渡邉がフリーで飛び込んだシュートが枠を外れると、虎視眈々と勝利を狙っていた岡山が均衡を破った。87分、左サイドでスローインを受けたデュークがクロスを入れて、河野が頭で折り返し、チアゴが頭で押し込んだ。得点後ベンチ前で選手たちはゆりかごパフォーマンスを披露。第一子が生まれた野口を祝福し、一体感を感じる光景が広がった。

リードした岡山は89分に阿部を投入してゴール前の守備を固めていく。93分、大分はサムエルがネットを揺らすも、ファウルの判定でゴールは取り消されて試合終了。

大分にボールを66%握られ、16本のシュートを打たれる苦しい展開だった。しかし、岡山は最後まで粘り続けて勝利を掴む。らしさを発揮して3試合ぶりにサポーターと喜びを分かち合った。


コラム

2年ぶりのプレーで勝利に貢献した堀田大暉の冷静さ

先発選手の名前に堀田大暉の名前があった。

3月末に湘南から加入した背番号35が公式戦のピッチに立つのはおよそ2年ぶり。さらに移籍後初出場ということもあり、プレッシャーも感じていただろうし、緊張もしていただろう。しかし、全く浮足立つことなく、堂々とプレーした。

7分にいきなりピンチが訪れた。大分に後方のパス回しでプレスを完全に外されて、持ち運んだペレイラが出したスルーパスに、井上が抜け出してくる。マークをしていた宮崎智は完全に振り切られて、スピードに乗った井上にPA内でシュートを許した。このとき堀田はシュートコースを狭めるために、前に出て構えた。そして、飛んできたシュートに対して、ナチュラルに反応して弾いた。予測は働かせず、最後までボールを見て冷静に対応していく。最初に訪れた大きなピンチを落ち着いてに対処できたことで、日々の練習での成果に自信を深めたのだろう。

試合を通してピンチが多く、大分が放った16本のシュートのうち6本が枠内に飛んできて、終了間際にはクロスも多く蹴り込まれたが、すべてボールをしっかりと見て的確に対応し続けた。

苦しい試合で勝利を手繰り寄せることができたのは、攻められても堀田が無失点に抑え続けて、最後まで勝点3の可能性を残したから。

これからも堀田大暉が先発に名を連ねる限り、冷静にゴールマウスを守り続ける。


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