地域の場づくりラボ第6回の活動は「地域に関わる活動の目指す先とは」というテーマで、岩手県洋野町で地域おこし協力隊の活動支援や情報発信など、地域活動を積極的に行っている一般社団法人fumoto の代表理事 大原圭太郎さんとスタッフの千葉桃子さんの2名をお招きし、ラボメンバーとの対談イベントを開催しました!
ゲスト紹介
イベント概要
今回は青森県十和田市を中心に上北地域で活動している地域の場づくりラボ、岩手県洋野町で活動しているfumotoさんという、異なる場所で同じように地域活動をしている2つの団体で、地域活動における課題や悩み、目指す先のビジョンなど、普段考えてはいるけどなかなかこういう場では話さないようなことを、答えはないとは思いますが、あえて掘り下げながらお互いの考えをざっくばらんに対談形式でお話ししていただきました!
fumotoさんの活動紹介
まずはゲストのお二人から活動の経緯や取り組みについてご紹介をしていただきつつ、活動への思いを伺いました!
「地域でチャレンジする人の土台をつくりたい」というVISIONを掲げ洋野町で新しい暮らしを共に育み、町のこれからと生き方をつくるための以下のような活動を行っている。
地域おこし協力隊の募集
大原さんの地域おこし協力隊の経験から感じた課題感からこの3点に焦点を当てて町に提案し、行政と共に地域おこし協力隊の募集を行っている。
地域おこし協力隊活動支援
協力隊は基本的に行政に所属するものだが、行政に所属しての活動だと経費の使いにくさ、活動のしにくさがあることから、fumotoでは協力隊が動きやすい動きやすい環境づくりをしている。尚、現在洋野町には全体で16人の地域おこし協力隊がおり、その内10名がfumotoに所属している。
関係人口増加プロジェクト
首都圏で開催される洋野町のPRイベントで、来場者と洋野町の関わりがその場限りでなく、継続した繋がりを作るための取り組みを行っている。
現在はコミュニティ運営、ポッドキャスト、教育事業、記事作成で関わっていただいている方が5名おり、居住地域も年代も様々。
どのように関わっていくかは模索している。
活動の思い
洋野町をフィールドに自分のやりたいことを実現できるように支援していきたい。洋野町で自分のやりたいことを実現する人が増えると、そこにつながる人を増やす事が出来る。そこから輪が広がり結果的に地域の魅力につながることを願って活動をしている。
また、(千葉さん個人的に)町と協力して学校でお話したり教育に関わる機会があり、今後はつながりのある地域の事業者とも協力して、学生と地域の距離を縮めていきたい。そういうことができるのも地域ならではだと思うのでfumotoがハブになっていったら良いと思う。
質疑応答
Q:洋野町には16名の地域おこし協力隊がいて、その内10名がfumotoさんに所属しているそうですが、他の6名はどこに所属していますか?10名と6名の線引きは?
A:fumotoで募集している内容に応募した人がfumotoで、役場の募集内容に応募した人が役場に所属している。
Q:fumotoさんに所属して地域おこし協力隊の活動を行う場合の自由度が高そうですが、応募者の「やりたい事・やる事」はどの段階で決まるのでしょうか?
A:最初からミッションを決まった内容で募集する事もありますが、企画提案枠を設けているので、応募前に相談を受ける場合がある。
Q:応募者は何人くらいいるんですか?選考とかはやったりしますか?
A:去年は10名とオンラインで相談をし、実際に応募したのは5名程だった。
Q:役場の施設をfumotoさんで運営する事は?
A:今の所はないが、将来的に出来るようにキャパシティを広げていきたい。
Q:協力隊を卒業した人(任期を終えた人)に話を聞きに行くというツアーを行っているそうですが、卒業した方はどんな事をしているのでしょうか?
A:以下の方にお話を伺うことができました。
・ゲストハウスの運営をしている方
・ブドウ農家を継承して兼業でやっている方
・普通に就職して、趣味程度に農家をしているという方
・任期を終えて地元に帰った方
・別の地域の協力隊になった方
Q:千葉さんが行っている学校の教育に携わる活動はどのようなことをしている?
A:高校生に対して2高で行っており、キャリア教育の観点で地域の産業について学ぶ、地域おこし協力隊と学生が対話して探求テーマについて深堀り、地域の事業者とプロジェクトを動かしたり商品開発などを行って実践的なことを行っている。また、海洋プラスチックに興味のある高校生と出会ったことがきっかけで一緒に海のゴミ拾いをする企画を行い、学年問わず関わるようになり、SNSで発信したところ地域の事業者さんや役場の方など沢山の大人も関わってくれるようになった。
Q:そのような教育に関しては学校の先生が積極的なのでしょうか?
A:積極的に意見を受け入れてくれていますし、最近は先生方からも提案をいただけるようになってきた。また、東日本大震災で被災した地域には復興支援で街として外部の方々と関わる機会も多いので、その機会に学校と関わっていただくことも多い。
Q:fumotoさんの活動資金は?
A:地域おこし協力隊の活動費の中からやりくりしている。
Q:地域おこし協力隊に所属していない人の「やりたい事」をサポートする仕組みは?
A:今のまだそこまで手が届いていないが、参加する人の間口を広げる試みをしていきたい。
対談
テーマ
「地域に関わる活動の目指す先とは」
対談参加者
Q1:理想と現実のギャップ
Q2:持続していく手段について
Q3:実際に続いているところはどうやっているか
Q4:続いているケース、続かないケースとは
Q6:終わりの定義
まとめ
今回の対談で地域に関わる活動をしている団体は、特に継続性や目指す終わりというところで、やはりどこも同じような課題を抱えているのだと思いました。
継続性としては地域でやりがいを持って活躍する人を生み出すシステムを回し、さらにマネタイズができている点からfumotoさんの運営方法が一つの理想と言えるのではないかと思います。しかし、行政からの資金だけでは契約期間等の点から途切れることもありえることや担い手という点では課題があり考え続けなければいけないと思いました。
また、終わりというものをあえて考えたときに、誰もがやりたいことができる環境ができたときに、自分たちの思想的には終わりとなるのではないかという一つの結論にいきつきましたが、きっとその先に次のステージがあるという意見もあり、終わりはあるようで無いのかもしれないですね。この点については前々回のイベント「若者がチャレンジしたくなる地域とは?」でも同じようなお話がありましたね。
今回は、地域に住むひとりひとりが能動的に動ける環境、やりたいことをできる環境を自分たちが作っていき、それを継続して輪を広げていくことが一大事なのだと思いました。そして、もちろん皆が地域のことを思って動くことができたら良いのかもしれませんが、皆が地域のことを思わなくてもやりたいことがある人と地域を無理なく絡めていくことが僕らの役割なのかなと思いました。
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次回予告
地域の場づくりラボ今年度最後の活動となる第7回は「地域の場づくりラボ活動報告会 〜これまでを振り返りこれからを考える〜」というテーマで、ラボメンバーや参加者の方々とざっくばらんに話していたきたいと思います!
今回は過去2年の活動を振り返り、当時のエピソードなども絡めて、活動を通して得たものや今後の活動に活かしていきたいことを話したいと思います。そして、それらを踏まえてこれからどのような活動にしていくか、どんなことをしていったら良いかをジャストアイディアベースでも考えていけたらと思います!
グループについて詳しく知りたい方は...
こちらの記事に結成の経緯やグループのことについて記載していますので、是非ご覧下さい!
編集
(株)ビーコーズ|佐藤 佑志(さとう ゆうし)
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ライター
冨田食品工房|冨田 哲也(とみた てつや)
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