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若者がチャレンジしたくなる地域とは?

地域の場づくりラボ第4回のイベントは活動拠点の上北地域を離れ...下北地域へ!一般社団法人tsumugu(つむぐ)の小寺さんと共に『若者がチャレンジしたくなる地域とは?』というテーマで対談イベントを開催しました!

ゲスト紹介

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小寺 将太(こでら しょうた)さん

東通村で「地域×若者×企業」をコンセプトに学生を中心とした共育型インターン、地域づくりの中間支援、キャリア教育支援を行なっている一般社団法人tsumugu代表理事を務めています。

▼小寺さんのFacebookページはこちら
https://www.facebook.com/shota.kodera.1

▼tsumuguさんのホームページはこちら!

イベント概要

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東通村を拠点にインターンシップや学生向けのキャリア教育、若者を巻き込んだ地域活動など、様々な活動を行っているtsumuguさんのもとへお邪魔し、若者を起点として様々な世代を巻き込んで活動していく方法についてお話を伺うとともに、その活動に至ったストーリーや想い・考え方等についても伺い、若者がチャレンジしたくなる地域についてラボメンバーと共に情報交換しながらディスカッションを行いました。
※現地参加できなかった方向けにオンラインにて配信

tsumuguさんの活動

まずはゲストの小寺さんからtsumuguさんの設立までの経緯や取り組みについてご紹介をしていただきつつ、活動への思いを伺いました!

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▼自己紹介
1994年生まれ、北海道札幌市出身。札幌市の高校を卒業し弘前大学へ進学し地域づくりを専攻。大学院に進学すると共に大学職員を兼務し、そこでの活動が今の活動と同じようなことをしていた。その後、職員を勤めていた部署が解散となり、東通村に移住し一般社団法人tsumuguを創業し、地方創生のコーディネーターを行っている。東通村で創業した理由はヒッチハイクをしていたところ東通村に流れ着き、そこで現地の大人達と出会い、出会った方々と楽しいことをしていきたいと思ったことがきっかけ。

▼tumuguの紹介
・平成30年3月26日設立
・2021年度に新卒社員を弘前大学から1名採用し2名で活動している(採用した1名は三味線奏者でもある)

●なぜtsumuguという名前なのか
糸を紡ぐように様々な人の思いをつなげて地域としての挑戦を生み出そうという思いから名付けた。また、様々なものを掛け合わせて地域資源として発信したい思いからロゴはこぎん刺しで「×」(掛ける)の記号を表している。

▼事業紹介
●ミッション:青森県の若者と地域・企業を紡ぎ挑戦あふれる地域の創出

●事業内容
①共育型インターンシップ
・インターンシップのコーディネート
②地域づくりの中間支援
・イベント企画
・ワークショップのファシリテーター
③地域創生人材育成事業
・むつ下北に特化して高校生や大学生を対象に地域に出て成長を促す

●共育型(実践型)インターンシップ

「青森県が挑戦できる地域として、選ばれる場所にするために」

○内容
従来型のように数日間、業務の補助をするようなものではなく、企業にも地域もメリットがあり共に育つことのできるものとなっている。内容は全国的に様々あるがtsumuguでは1ヶ月住み込みで新しい事業の立ち上げなどに挑戦することを行っている。(共育型インターンシップそのものについて詳しく知りたい場合は経済産業省のホームページから資料を確認できる

○事例
・新しいオーナー精度を確立し、オーナーを5口獲得せよ!(ワイナリー)
・本州最北端における滞在型観光プランをデザインせよ!(観光をこれから生業にしたい会社)
・社員の働く「誇り」を集め、福祉に代わる言葉を生み出せ!(社会福祉法人)
・ファンを増やす動画(CM)を作成せよ!(民間企業)
・若者が見たくなる広報誌を作成せよ!(市役所)

○まとめ
地域のホンキの大人と出会い、インターンシップ中に必ずある失敗や挫折を大人達と乗り越えて、一緒に成長することを大事にしている。

●地域づくりの中間支援

「地域の未来に希望を持ってもらために、伴奏支援」

○内容
人口減少が深刻となってきている中で、伴奏支援し地域への希望を持ってもらうための企画などを行っている。

○事例
・津軽半島の町で地域の担い手育成事業にファシリテーターとして参画したり、地域の方々と一緒に企画を立てる
・東通村で空き家改修プロジェクト(コミュニティスペース「ぬぐだまり」として高校生カフェや三味線教室が行われている)

●キャリア支援事業

「誰もが一歩踏み出したい!挑戦したい!という思いに伴走型支援」

○内容
一歩踏み出したい、挑戦したいという学生や若者向けにの個別の伴走型支援を行っている。

○事例
むつ下北未来創造協議会
・しもきたホップ・ステップ・ジャンプ型起業家育成事業
・しもきた採用塾
・しもきたラボ
・しもきたジオパークゼミ

▼tsumuguとしてのコーディネート

「コーディネーター」=「隙間を埋める人(翻訳家)」

「民間・行政」「企業・団体」「学生」それぞれの間に入る中間支援組織として動いており、コーディネーターとして間に入ってそれぞれの思いをわかりやすく伝える翻訳家ようような役割を果たしている。

質疑応答

●インターンシップについて

Q:受入れ企業はどうやって見つけたのでしょうか?
A:最初は120社くらいに営業をかけたが全滅だった。しかし、東通村で関わりのあった社長が引受けてくださり、実績を基にその社長経由で横展開していった。
Q:学生に課せられるミッションはどのように決めている?
A:企業のやりたいことを最優先に考えることを念頭に置いて、①企業との信頼関係の構築 ②企業の課題を整理する ③プロジェクト設計 の3つの手順で設定している。まずは信頼関係を築かないと本当の課題は見えてこないと思う。
Q:企業と学生をつなぐときに大事にしていることは?
A:学生の思いも大事にしているが、企業のやりたいことを優先に考えて、コーディネーター側(tsumuguさん)が企業の思いを面白く学生に伝えられるようにしている。
Q:企業の思いを聞くときは、誰から聞いている?
A:最初は必ず経営者から聞いています。社長が何か新しいことを初めたくても従業員は日々の業務があって関わりづらいので、代わりに社長の右腕となることがこのインターンシップだと考えている。その後に担当となるのは若手の従業員になることが多く、社員共育につながるケースもある。
Q:受入れ企業の規模はどのくらいの規模が多い?
A:100人以下が多い。インターン期間中に社長までの決裁をとって実行したいので、社長とのコミュニケーションをとりやすいかどうかは意識している。
Q:インターンシップのときに企業側の対応に求めるものは?
A:企業としては初めて受入れることが多く、コミュニケーション上の問題がほぼ必ずあるので、こちらからこまめに確認して、どう感じているか話していただくようにしている。同じように学生さんにも聞くようにしている。また、ただの労働力ではなく学生を成長させることが目的であることを理解していただくようにしている。
Q:若者・学生に期待することはありますか?
A:求めるものは「前に進むことを恐れず突っ込んでいけること」くらいしかない。学生はあくまで何も知らない学生で、どちらかと言えば大人や企業がサポートして成果を出すものなので、そこに学生も一緒に取り組んでいく姿勢が大事。
Q:インターンシップ中の学生はどこに泊まっていた?
A:元々は企業にホテル等を負担していただいていたが、2021年からはtsumuguで運営しているスペースを開放しシェアハウスのような感じで使ってもらっている。各企業でインターンをしている学生が集まり情報交換をする場にもなっている。
Q:インターンシップで大失敗した経験はありますか?
A:インターンで成長する為に、学生には挫折も体験するように動いていて、挫折とホームシックが重なったことが大変だった。
Q:参加する学生さんの学科に特徴あるんですか?
A:最初は人文系の学生が多かったが、現状はあまり学科関係なく、やりたいことは無いけど何かやりたいという学生が参加している。
Q:参加したい学生に対して受入企業の数が追いつかない状況にはなっていない?
A:最近は地域創生がトレンドになっていることもあり、参加する学生の数も年々増えてきているが、まだ追いつかない状況にはなっていない。
Q:学生さんと企業をマッチングするときは、どっち目線でマッチングするのか?
A:両軸で考える。学生に対して面談を2回行い学生の思いと企業の思いが合致するか確認し、企業側の面接で企業側からも選んでもらう。面談でインターンシップを体験する意義や必要性を確かめて体験を最大化できるように考えている。


●移住に付いて

Q:インターンシップを終えてそのまま移住した人はどんな仕事をしている?
A:ほとんどはインターン先の企業に入社している。インターンシップを通して一緒に失敗や挫折を乗り越えた方々と働くことが安心につながっているんと思う。
Q:学生さんが移住に踏み切れた理由はある?
A:インターンシップを終えた後でも、下北で活動するきっかけを大人たちで作っていて、学生さんは2拠点活動のようになっていた。移住は目標にしていなかったがそれが意図せず移住につながったと思う。
Q:インターンシップ後の活動するきっかけとは?
A:大きく分けて3つのきっかけを用意している。①下北会というグループに入る ②むつ下北未来創造協議会の学生向けの事業に参加 ③後輩がやっているインターンのメンター
Q:tsumuguさんに所属の八月朔日さんはインターン中に夢や目標を得て東通村に移住した?
A:インターン中に地域に対する信頼関係ができ、やりたいと思っていたことをこの地域で実現したいという目標になり、ここに飛び込んできた。


●地域について

Q:若者がそもそもチャレンジしていない?できてない?
A:どちらもだけど、できていない方が大きいと思います。自分自身が特にやりたいことも無い中で、地域づくりに参加する仕組みに参加しみたことがきっかけで今があるので、そのような関わりしろ(自分の意思で関われる仕組み・関われる余白)を用意することでチャレンジしやすくなっていくと思う。
Q:十和田市の大学生を絡めていくにはどのようなアプローチをしたら良いと思うか?
A:tsumuguでは各大学で説明会を行い間口を広めていき、モデルになるような学生を一人でも見つけることにまずは力を入れる。そうすることで後輩や周りの仲間も関わるなど横展開していける。
Q:学校で生徒に対して話せたら良いのだが、それが難しい中では何か方法があるか?
A:サークルなどの正課外で活動している団体に、SNSやHP等からアクションしてみる。
Q:地方創生のゴールはどのようなものだと考えられていますか?
A:地域や環境、状況によってゴールは違ってくると思う。tsumuguとしては挑戦できる地域を作ることが現状のゴールで、達成したら次のゴールが見えてくると思う。
Q:社会人向けのインターンシップを作るとしたらどう思うか?社会人の勉強の場や他社の働き方を知るきっかけにしたい。
A:下北地域には大学が無かったので、大学生に特化して地域に大学生を呼ぶことで色を出してきた。上北地域においては社会人に特化したものをやっても面白そう。

まとめ

今回は共育型インターンシップに関してのお話を中心にお伺いし、イベントのテーマでもある若者がチャレンジしたくなる地域にしていく上でたくさんのヒントを得られたと思います!
特に若者が大人と一緒に挫折や失敗を乗り越える体験をすることで、信頼関係が構築され挑戦や移住につながったことが印象的でした。そして、若者の意識を一方的に変えるのではなく、大人も一緒に成長することを考えることが大事なんだと思いました!
今回構築した下北地域と上北地域の関係を今後はもっと深いものにし、今後も地域を跨いだ連携を強化していきたいと思います!

次回予告

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地域の場づくりラボ第5回の活動は「ローカルメディアができるまで」というテーマで、秋田県でウェブマガジン「なんも大学」を運営する「矢吹 史子」さんをお招きして開催します!

「秋田に暮らす人々から学び、未来にシェアするウェブマガジン」をコンセプトとして、2016年6月に運営を開始し5年以上に渡り更新し続け、現在ではおよそ450本もの記事数となっている秋田県に特化したウェブマガジン「なんも大学」を運営する矢吹さんをお招きして、お話を伺っていきたいと思います!
なんも大学の運営の方法、運営にまつわるストーリーや思いについて伺うとともに、メンバーのみなさんとパネルディスカッション形式で深堀りしながらお話していけたらと思います!

グループについて詳しく知りたい方は...

こちらの記事に結成の経緯やグループのことについて記載していますので、是非ご覧下さい!

Facebookグループはこちらから!(イベント告知はこちらでしています)→https://www.facebook.com/groups/tiikino.badukuri.lab

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ライター
(株)ビーコーズ|佐藤 佑志(さとう ゆうし)
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