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TickTack
2021年2月3日 17:14
その少年は毎日夕方になると、踏切で電車に向かって手を大きく振っていた。木々の枝がすっかり寂しくなり、小道が茶色の枯葉で埋め尽くされるころになると、ボクは夕方のピノとの散歩の時間を、どんどん早くするしかなかった。朝の散歩は公園なのだが、夕方の散歩は公園とは逆の人気のない広々とした田園に行くことにしていたからだ。ボクの街は散歩するところに事欠かない。近くに公園が何か所もあり、ちょっと歩けば、見渡す
2021年1月25日 11:11
『コツコツ、コツコツ』深夜ふと目が覚めると、暗闇の中で音がしていた。それほど大きな音ではなく、どこからともなく聞こえてきた。なんの音だろ、と思ったのだが、あまり気にもせずにまた寝てしまった。翌日は、何だかバタバタと忙しかったので、謎の音は忘れていた。その日の深夜、ボクはベッドの中で寝かかっている時だった。再びどこからかコツコツと何かを叩くような音が聞こえてきた。家の外からではなさそうだ。寝室の中
2021年1月19日 11:24
8月になった頃から、赤ちゃんをおんぶして、右手に幼児左手で犬を連れ、早朝の公園を散歩している親子を見かけるようになった。夏は暑い。当たり前なのだが、それにしても最近はひどい暑さだ。猛暑、酷暑、炎暑。地球温暖化は、言葉まで進化させている。おかげでパピヨンの愛犬「ピノ」と散歩する時間は、どんどん朝早くなってきた。ボクは毎日2回、朝と夕方にピノと散歩をしている。雨が降らない限り、これがボクとピノの長