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『エフェソス、パトモス島への旅⑤ ~世界七大不思議~』

■昨日の反省

本当ならボドルムで朝を迎える筈だったのですが、まだコス島です。
昨日のフェリー乗り間違えのおかげでひとつ考えたのは案外、ホテルや旅程を決めなくてもその場で何とかなるものだなということです。想定外のことは起こりますし、もう少しこの街にいたいと思うこともあると思います。予定をギチギチに固めてしまうとリカバリーが難しいです。その点は少し反省して今後はもう少しゆるく考えることにします。
ただ、どうしても見たい場所などはありますし、混雑状況によっては予約が必須というケースもあると思うのできっちり計画の間にゆるい部分を挟むのがいいのかもしれないですね。
あとは確実な通信手段と普段使っているクレジットカードが海外でどこまで使えるのかということも知っておかないといけないと思います。カードのセキュリティが強化されているのはいいのですが、使い難い面もあります。
海外で使えるキャッシングカードの情報をWebで発信している方がいますので参考にして使えるものを複数用意したいと思います。


■ボドルムへ

昨日、Agodaで予約したホテルは寝るのには十分でしたがシャワーなどがいまひとつでした。これは安いホテルの宿命なのかシャワールームが狭すぎるとか、隣の洗面台・トイレとの間にカーテンすらない、あっても意味がなくて床がびしょびしょになるとか、もはやお湯ではないなど、これが普通なんですよね。慣れればどうってことはないですけど、疲れているところには地味なダメージになります。

ホテルを8:00前にチェックアウトしてフェリー乗り場に向かいます。乗り場はすぐ近くですが国際線フェリーといっても待合室みたいな場所どころか建物がない、開放的なターミナル。

マップではボドルム行きフェリーターミナルとあります
すぐ横のフェリーチケットカウンタ

そこに各フェリー会社のチケットカウンタが並びます。
昨日は「前日までにフェリーは予約が必要」との情報であわてましたが、ここで確認したところ当日でも問題ないということでした。旅行代理店で買うよりここで買った方が安いと思います。それと、前述しましたがボドルム行きフェリーは3社あってボドルムの港のどこに着くかが違います。チケットを買う場合はまずはどこに着くか確認した方がよいです。私たちが来るとき使ったexasという会社は中心街から遠いターミナルに着きますのでやめた方がいいかもしれません。

この時、ギリシャの旗が真横になるほど冷たく強い風が吹いていました。
あまりに寒いので街の方に戻ってあったかいコーヒーでも飲んでくることにします。

海辺らしいコスタウン

上の写真の右に並ぶカフェ、レストランはそのまま店内を抜けるとビーチに出れるようになっています。薄い赤に塗られているところが自転車専用の道路でランニングしている人もいます。

ここであったかいコーヒーをテイクアウト
おいしそうだったのでパンも買いました
フェリーがやってきました

フェリーが向こうからやってくるのが見えます。対岸はトルコで右の方がボドルムの街なのです。こんなに近いんです。
昨日のトラウマかフェリーに乗るのを一瞬、躊躇しました。
大丈夫、ここから出るフェリーは会社はちがってもボドルムにしかいかない筈と思いながら船に乗りました。

乗ってしまえばあっという間の20分、フェリーはボドルムの聖ペテロ城の横の埠頭に着きました。ここだと中心街に近いので歩いていけます。
ボドルムに着くと何か雰囲気が一変、コス島の朝は静かであまり朝から出ている人を見かけませんでしたが、ボドルムは活気があって観光の人、人、人だらけでした。

正面が聖ペテロ城
エントランスには多くの観光客
ちゃんと大きなワンコも落ちている

トルコに戻ってきたなぁと思うのが、道端に落ちてる大きなワンコを見た時です。いたるところに大型のワンコが落ちているのがトルコの街の風景で、あるあるです。
トルコには野良の犬猫がたくさんいます。一応、政府が狂犬病の注射をしていて耳にタグをつけて管理していると言われています…が、念のため触れないようにした方がよいです。大きな犬が多くて観光客に着いてきたりしますので驚くかもしれませんが、おとなしいので大丈夫だと思います。たぶん…

このあたりは中心街でお店も多くて楽しそうです。
喉が渇いていたのでザクロジュースを飲むことにしました。トルコではよく生ジュース屋さんがあって、その場で絞り器をつかってジュースにしてくれます。季節によってはちょっと渋みがあったりしますが、今回は感熟でおいしかったです。でも観光地価格です。

力わざでジュースを絞ります
搾りたてのザクロジュースをいただきます


■ミッション:セルチュクへのバスチケット入手せよ

ボドルムに着いてまずやらなければならないのが、エフェソス遺跡のあるセルチュク行きのバスチケットを入手することです。当初の予定では最初にボドルムへ着いた時に今日のチケットを買っておくつもりだったのです。でも、日本人ヨットマンたちと出会って同行をすることにしたので後回しにしていたのです。
パトモス島の旅行中もバスの予約サイトで確認していたので、セルチュク行きのバスは何本もあって席があることはわかっていました。
ところが、バスターミナル(オトガル)に行ってみるとバスのチケット売り場がいくら探しても見つからないのです。まさかのチケット買えない事態【続編】です。仕方ないので周りの人に聞き込みを開始。
案の定、英語が通じません。でも、英語が話せる人を探してくれるのがトルコ人で親切です。聞くと「Big Terminal」と言っていて、どうもここではない場所の大きいターミナルへ行けと言っているみたいです。そのターミナルはどこにあるんですか?と聞くと、「あっちの方に5kmだよ」と歩いてすぐみたいな感じで指をさします。5kmはすぐじゃないし…あっちの方って間違って歩いたらえらいことになるし…このいい加減さもトルコの人。
ただ、「Big Terminal」という言葉で思い当たるところがありました。初日に空港からボドルム市街にやってくるバスが途中、大きなバスターミナルに寄ったのです。たぶん、そこのことを言ってるんだと思います。
でも確かな情報にするため昨日、泊まる予定だったホテルへ行って聞いてくることにしました。ついでに大きな荷物も預かってもらおうと思ったのです。バスターミナルからホテルまでは少し距離がありましたが、ホテルの人から確かな情報を得ることができ、他の街へバスで行くには郊外の新しいターミナルに行かなければならず、そこへ行くバスもあるとのこと。
郊外の新しいバスターミナルの位置はここです。

そして、新しいターミナル行きのバスですが2024年10月の情報として、野球のホームベースのような形のボドルムバスターミナルで北西の端、赤丸の位置あたりからグレーのバスが出ます。チケットはなく乗車時に直接支払います。

郊外のバスターミナル行きバスが出る位置
こんな感じのバスで会社名を忘れました

チケットはまだ確保できていませんが目途は立ったので、ボドルムでやっておくべきことを先にすることにします。荷物は昨日泊まる予定だったホテルで預かってもらおうと思ったのですが、少し離れていて時間が勿体ないのでボドルムのバスターミナルの荷物預り所に有料ですが預けることにしました。どうしても行きたいところがあったのでそこに向かいます。


■世界七大不思議のひとつがボドルムに

先ほどの聖ペテロ城も観光地としては人気で最初は行こうと思っていたのですが入場料が高くそこまで興味はなかったので止めました。私がどうしても行きたかったのは世界七大不思議で知られるマウソロス霊廟跡です。
アレキサンダー大王が当時の世界を征服する以前、この地域をカリアという国が支配しており、マウソロスは2代目で策略に優れた王として知られました。紀元前350年、マウソロスとその妹であり妻であるアルテミシアを葬るため高名なギリシャ人建築家に造らせたのがこの霊廟です。霊廟には高名な彫刻家が作成した彫像が並べられあまりの壮麗さのゆえに世界七不思議のひとつとされています。

復元模型
残念ながら今は基礎部分しか残っていません
当時の彫刻の一部がわずかに残ります
かつての壮麗さが失われた廃墟

マウソロス霊廟は紀元1350年頃までは健在だったとされていますが、その後の度重なる地震で崩れてしい、1400年代には土台が残るのみとなってしまったそうです。さらに1494年、オスマントルコの襲撃を恐れた十字軍は港にあった聖ペテロ城(ボドルム城)強化するためにマウソロス霊廟の石材をほとんど持ち去って建材として使ってしまったため、マウソロス霊廟の復元は幻となってしまったのです。すごく残念な話です。
聖ペテロ城の観光の賑わいに反して、マウソロス霊廟はひっそりしていたのが印象的でした。


■ミッション2:今度こそセルチュクへのバスチケット入手せよ

ボドルムは観光地として魅力的でもう少しゆっくりしたいとこでしたが、ギリシャっぽい町並みは十分に味わってきたので、早めにエフェソス遺跡のあるセルチュクへ移動することにしました。
バスターミナルに戻り荷物をピックアップ、郊外の新しいバスターミナル行きバスに乗ります。料金は運転手に直接支払うようでクレジットカードも使えました。
新しいバスターミナルまでは10分もかからなかったと思います。

セルチュク行きのバスは各社あって途中、ソケという街で乗り換えるバスと、セルチュクへ直行するバスがあります。バスは下のサイトで時間と会社、空き状況を調べられるのでボドルムからセルチュクを指定してまずは調べてください。ソケでの乗り換えは無用なトラブルになりかねないので、直行のバスがお勧めです。

ここにもワンコ落ちてました

新しいバスターミナルは大きくて各バス会社のチケットカウンタが並びます。私たちの時はCanakkale Truva Turizmという会社しか直行がなかったので、そのバス会社の看板を掲げているカウンタを探したのですが、見つけられなかったので手当たり次第に聞いてまわりました。
ちょうど大きなワンコが落ちている角のカウンタがそうでした。
会社によってカウンタが違うのでわからなかったらイヤな顔されても聞きまくりましょう。大手のバス会社は看板が大きいみたいです。

セルチュクまでのバスのルート
パーソナルモニタ付きの奇麗なバス

いくつかの街のターミナルを経由してセルチュクに近づいた時、窓の外にわずかですがエフェソス遺跡の巨大な円形劇場が見えました。今、バスが走っているところが平坦なのは古代、ここは海でエフェソス遺跡の港まで続いていました。長い年月の土砂の堆積で埋まってしまったのです。
下の写真の中央左寄りに赤い小屋がありますが、その左上のグレーの建造物がパウロたちがエフェソでアルテミス信仰の騒動にあって、パウロの動労者たちが民衆に追い込まれた円形劇場で、その最上部が見えています。
円形劇場が見えると一気にテンションがあがって、すぐにでもそこへ行きたくなってしまいます。バスの疲れもまったく気になりません。

かつて海だったあたりをバスは走ります
セルチュクに定刻どおり到着


■ミッション3:イスタンブールへのバスチケット入手せよ

18:30くらいにセルチュクのバスターミナルに到着しました。ここでしなければならない大切なことが2つありました。

ひとつは翌日、深夜バスでイスタンブールへ向かうのでそのバスチケットの入手です。小さいバスターミナルながらチケットカウンタがあり、これは簡単に入手できました。明日の深夜(正確には明後日)0:15発、イスタンブールに8:00着予定です。

もうひとつはこのバスターミナルで深夜まで待機できる場所があるかということ。これはNoでした。今日、1泊して明日、エフェソス遺跡をはじめセルチュク中を踏破するのですが、そのまま深夜バスに乗るので深夜まで休めるところが必要だったのです。
大きなバスターミナルだと極端な話、建物内で野宿も可能です。安全には気を配らないといけないですが荷物を守るワイヤーキー(いつも持ってます)があってベンチがあれば何とかなると思います。トルコのバス交通網は発達していて深夜バスも頻繁に運行しているしバックパッカーもおられるので、保証できませんが24Hの大きなターミナルで強盗に襲われるまでの危険はないと思います。たぶん…
今回、場合によっては深夜までバスターミナルで仮眠することも考えていました。でも、セルチュクは建屋もないので無理でした。

(※観光地近くのバスターミナルによっては泊めてやるとか、観光ツアーを安くしてやるとか、うちの会社なら気球に安く乗れるなどなど、怪しい声掛けをしてくる人がいます。親切でいう人もいるかもしれませんがロクなことにならないので絶対、断りましょう。)

ちなみにイスタンブール行き深夜バスは1人3,000円くらい。飛行機の1/5以下です。でも、大事なのは料金ではなくて時間なのです。飛行機なら1時間ちょっとですが朝から移動してもその日の半日は潰れてしまいます。バスなら移動時間はかかりますが、次の日に早朝から行動できる訳です。


■今日の宿:AnzGuesthouse Pansiyon

セルチュクでは旅行者の間で人気の安い宿(ホテルではない)に泊まることにしました。宿の主人はフレンドリーで片言の日本語まで使って歓迎してくれました。バックパッカーに人気のようでここに泊まる人はみんな仲間…みたいな雰囲気があります。
エフェソス遺跡と聖母マリアの家への行き方についても最適なコースを案内して信頼できるタクシーの手配もしてくれました。(その話は後ほど)
ただ、正直言うとシャワーのスペースがかなり狭くてシャワーを浴びる時に仕切りの濡れたカーテンが体にくっつくのが…ちょっと…
ほかの部屋はわかりませんけど。

翌朝撮った宿の写真
翌朝の宿の中庭

とりあえず、荷を部屋に置いて何か食べに行きます。
エフェソス遺跡の下調べに全力を注いでいたのでセルチュクのおいしそうな店を探すの…忘れてた。
もう、適当にその辺で食べることにしました。バスターミナル横にトルコ料理の店があったのでそこで牛肉のケバブ(ご飯の上に牛肉がのっかっている)を食べてみました。
ん~~~っ⁈ ケモノくさい!!

トルコ旅行する人はよくトルコ料理を絶賛しているんですけど…
正直、肉類はそんなにおいしくないかも。下処理の問題なんでしょうか。牛も羊もケモノ臭がすごいです。(豚はイスラム教だから食べない)
昨年もトルコ料理食べてそう思ったんですが、その時はたまたまだったのかなと思いましたが、そうじゃないみたい。
イスタンブールで一番おいしいケバブ屋と言われる店も行きましたがやっぱり肉の臭みは感じました。私は食べているうちに慣れちゃいましたけど、苦手な人は絶対、鶏肉がいいです。鶏肉は臭み無くておいしい!!
あと…トルコ料理はよく言えばやさしい味。私にはちょっと味がはっきりしないって感じます。本当は醤油があればいいんですが、スパイスの効いた焼肉系のスパイス、ふりかけなんかがあるといいかもしれないです。

食後にセルチュクの街を少し歩きました。本当は宿のすぐ近くにアルテミス神殿があったので夕暮れ時に行けるかなと思っていたのですが、バスチケットの入手や宿のチェックインなどで時間かかってしまい、暗くなってしまいました。暗くて何にも見えないので明日の早朝、また行きます。

藍と古代の水道橋跡

この後は宿に帰って、同じ宿に泊まっているみんながたむろしている所に顔出してチャイしたりしてこの日を終えました。

明日はいよいよエフェソス遺跡へ向かいます。


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