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短編小説

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【短編小説】   秒針

【短編小説】   秒針

朝がいちばん死にたくなる。
さっきまで意識を置き去りにしていたはずなのに、目を開けた瞬間に今日も1日人間をやらなきゃいけない絶望感に包まれた。
スマホを確認するとまだ11時を過ぎたばかりで、今日は割と早くに目が覚めたと思う。

俺はSNSを開き、他人に見せびらかすような投稿で溢れたタイムラインを眺めながら眠気を覚ます。そして鉛のように重い身体を無理やり起こし、タバコに火をつけた。

カーテ

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チーズナン

チーズナン

今日も祖母と夕食を共にする。
祖母の家は東京から僕の自宅に帰る途中の駅付近にあり、持て余した部屋でよくくつろぎに行かせてもらっている。

祖母は滅多に料理をしない。
いつも昼の料理番組を見ながらレシピを必死にメモ帳に書き写しているからやる気がないわけではないんだろうけど。
案の定その日の夜も2人で外食をすることになった。

僕は本格インドカレーとナンを食べたい気分で、駅前にインド料理屋があるのでそ

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黄昏時の空は

黄昏時の空は

少しだけ緊張していた。
夕方の新木場行きの埼京線に揺られながら、車窓に目をやった。いつも降りる駅を過ぎたそこには見慣れない景色が広がっていた。
どんな子なんだろう。

17時にお台場の東京テレポート駅で待ち合わせした相手は半年前にSNSで知り合った1つ下の高校2年生だ。
彼女と僕は繋がってからすぐに意気投合し、コメントを送り合ったり朝までお互いに好きな音楽や動画の事を語り合ったりして、インターネッ

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