見出し画像

Re:プロジェクトマネジメント 53

日本で最初の民間シンクタンクで、プロジェクトマネジメントのコンサルタントとして、ある時はPМ、ある時はPМОとして、お客様と問題解決に取り組んでいます。本記事では、まだPМBОKには書かれていない暗黙知を言語化し、形式知としてお伝えすることにチャレンジしてみようと思います
マガジン:https://note.com/think_think_ab/m/m0e070db46016

Re:プロジェクトマネジメント

本記事では、
形式知(PMBOK)+暗黙知(本マガジン過去内容)を再構成し、「Re:プロジェクトマネジメント」としてお届けします。

Re:プロジェクトマネジメント」の前提は以下のとおりです(再掲)
 目的:QCDバランスの確保
 課題:不確実性
 戦略:プロアクティブ戦略

本記事では、
「不確実性をどう解決するか」との観点で一貫して説明することで、PMBOKの知識や技法を「QCDバランスの確保」のために、正しく使えるようになることを目指します。

問題としてのプロジェクトマネジメント

本マガジンの50〜52回の記事では、プロジェクトマネジメントの基本となる以下の3つについて述べました(さらに詳細はマガジンの1~50回記事をご参照ください)

1)プロジェクトマネジメントの目的は普遍でありQCDバランスである
2)QCDバランスを脅かすもの=不確実性の早期排除が最も重要である
3)課題の解決余力の上限に収まるよう課題の早期摘出早期解決をはかる

また、あわせて、
プロジェクトマネジメントに対するアプローチは、PMBOKのような(複数の領域やプロセスからなる)複雑なフレームワークよりも、シンプルな問題としてのアプローチの方がわかりやすい。と説明いたしました。

具体的にいうと、
プロジェクトマネジメントとは「不確実性が存在する中で、課題の解決余力を超えずに、QCDバランスを確保し続ける問題」ということができます。

プロジェクトマネジメントをこのようにとらえ直すと、プロジェクトマネジメントとは、次の3点をどのように達成するかに収斂します。

1.いかに不確実性を早期に検知するか
2.いかに課題を解決余力内に収めるか
3.いかにQCDバランスを確保するか

逆にいうと、
不確実性を早期に検知し、課題を解決余力内に収めて解決しつづければ、QCDバランスを確保でき、プロジェクトマネジメントの目的は達成され、あわせてプロジェクトの目的は達成されることになります。

どうでしょうか。
この3つに徹底的に注力することで、理屈の上では、プロジェクトマネジメントは成功することになります。複雑なプロジェクトマネジメントがだいぶシンプルな問題に感じられるのではないでしょうか。

ただし、
その実現にあたっては、まだまだ、さまざまな暗黙知の領域が存在します(本マガジンでは、本領域の形式知化にチャレンジしてみようと思います)

例えば、
そもそも不確実性とはなんでしょうか。どうやって検知すればよいのでしょうか。また、どうやって課題を解決余力に収めれば良いのでしょうか。そして、QCDバランスとはそもそもどのような状態を指すのでしょうか。

不確実性の意味

実は、
プロジェクトにおける「不確実性」は万人にとって一様に同じではなく、人や立場によってそれぞれ異なります。

例えば、
特定の領域について幾度も繰り返し経験のある当該領域のリーダーにとっては、よくわかったタスク(すなわち、そこには不確実性はほとんどない状態)であっても、他の領域のチームリーダーにとっては、はじめてのことでよくわからないこと、すなわち「不確実」なことになります。つまり、プロジェクトにはたくさんの意味の「不確実性」が存在するということです。

それでは、
プロジェクトが扱うべき「不確実性」とは、誰にとっての「不確実性」が対象となるのでしょうか。そもそも、特定の人にとってとの定義で「不確実性」を扱うこと自体がおかしいのでしょうか。

実は、
プロジェクトで扱わなければならない「不確実性」は、QCDバランスに対して責任を負っている人にとっての「不確実性」になります。逆にいうと、QCDバランスに対して責任を負っている人にとっての「不確実性」が排除されれば、QCDはバランスすることになります。

では、
QCDバランスに責任を負っている人とは誰でしょうか。自明すぎて少し気が引けますが、それは、プロジェクトマネージャー(PМ)になります。もう少し補足すると、PMとPMOになります(なぜPMOも対象になるかは別の機会に説明します)

「よし、いける!」という実感

プロジェクトマネージャーにとって「不確実性」が残っていると、プロジェクトマネージャーはプロジェクトのQCDバランスに対して「よし、いける!」との実感を持つことができません。

実は、
このプロジェクトマネージャー(PM)が「よし、いける!」と感じる、この実感こそが、QCDがバランスした瞬間なのです(どのように、この実感にたどりつくのか、どのような方法をとればよいのか、については次回以降の記事の中で説明します)

この実感は、
プロジェクトマネージャー(PM)こそが持つべきもので、この瞬間があるかどうかでプロジェクトの成否が決まります(デジタルな時代ですが、このアナログな感覚はとても重要で、欠かせないものです)

一方で、
プロジェクトマネージャー(PM)以外のメンバーが実感しても、プロジェクトにとってはあまり意味がありません。なぜならば、プロジェクトマネージャー(PМ)以外の人はQCDバランスに責任を負っていないからです。

逆に、
そのプロジェクトマネージャー(PM)がこの実感を持ち得るに至っていない場合、そのプロジェクトの成功の確率はかなり低いこととなります。なぜならば、そのプロジェクトのだれもQCDバランスを実感していなことになるからです。

みなさんは、
PMを担当している際に、この「よし、いける!」という実感をお持ちでしたでしょうか。あるいは現在進行形の場合、その実感をお持ちでしょうか。どうすれば、そのような実感を持つことができるのでしょうか。

そのためには、
PMにとっての初めての領域をあらかじめ認識すること、WBSの全量性を確保した上で、WBSをたどって不確実性をトレースすることが必要です。
(次号に続きます💦)

追伸:抽象的な内容が多くなってきており、
暗黙知を十分に言語化できていない可能性があります💦
・〇〇〇の部分が何言ってるかわからない。
・〇〇〇はこの理解でよいあっているのか。
・〇〇〇は間違い。
 こういうことではないのか。等、
お問合せは、コメントかこちら(DМ)から頂けると幸いです。
お気軽にどうぞ→https://note.com/think_think_ab/message


この記事が参加している募集

PMの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?