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なぜプロジェクトマネジメントが機能しないのか 46 再考①
日本で最初の民間シンクタンクで、プロジェクトマネジメントのコンサルタントとして、ある時はPМ、ある時はPМОとして、お客様と問題解決に取り組んでいます。本記事では、まだPМBОKには書かれていない暗黙知を言語化し、形式知としてお伝えすることにチャレンジしてみようと思います
マガジン:https://note.com/think_think_ab/m/m0e070db46016
今回から数回にわたっては、第45回までの考察を踏まえ、プロジェクトマネジメントのそもそもの目的から、プロジェクトマネジメントの要諦をあらためて再考してみようと思います。
プロジェクトの目的と
プロジェクトマネジメントの目的
そもそも、
プロジェクトの目的とプロジェクトマネジメントの目的は同じでしょうか、それとも、異なるものでしょうか。異なるのであれば、どのような関係にあるのでしょうか。
実は、プロジェクトとプロジェクトマネジメントの目的は異なります。
プロジェクトの目的は、それぞれプロジェクト毎に固有の目的がありますが、プロジェクトマネジメントの目的は、プロジェクトによらず、常に「プロジェクトの滞りない遂行、すなわちQCDバランスの確保」にあります。
補足:
プロジェクトマネジメントの目的は、ほとんどの場合、PMBOKにならって「プロジェクトの効果的、効率的な遂行」と説明されていることが多いですが、プロジェクトの「効果的、効率的な遂行」は、前提となる「QCDバランスの確保」が成立していることが条件となるため、もしQCDバランスが確保されていない場合、「QCDバランスの確保」がまずは最初の目的になります。
逆説的ですが、
QCDバランスを損なう原因は「不確実性」です。そのため、もしQCDバランスが確保されているということであれば、そのプロジェクトには「不確実性」はないということになります。
ところが、
プロジェクトマネジメントの最初の目的は「QCDバランスの確保」であるため、「不確実性」がない場合、すなわち「QCDはバランス済み」の場合、プロジェクトマネジメントは実は必要ありません ← この部分、うまく言語化できておらず、わかりにくい表現ですみません💦
補足の補足となり、少し気が引けますが、
「不確実性」がある場合のマネジメントと、「不確実性」がない場合のマネジメントのイシューは全く異なるため、本来であればプロセスやメソドロジーも全く異なります。前者のイシューは「不確実性の早期排除」で、後者のイシューは「効率アップ」だからです。
実は、
「不確実性の早期排除」には一見すると無駄に見えるプロセスや対策があるため、前述の「効率アップ」のイシューと完全にトレードオフとなります。
そのため、
実際のプロジェクトマネジメントにおいて、前述の異なるイシューを混ぜたまま、すなわち「不確実性の早期排除」と「効率アップ」を混ぜたまま運用すると、プロジェクトは混乱します。(ところが、大抵の場合、混乱していることにすら気づかないままのことが多いです💦)
補足が長くなってしまいました…お話を元へ戻します。
「不確実性」のないプロジェクトはほとんどないため、プロジェクトマネジメントの目的はたいていの場合、常に「QCDバランスの確保」となります。
そして、QCDバランスを損なう原因は「不確実性」であることから、プロジェクトマネジメントの目的は「不確実性の早期排除」であること、との再認識がプロジェクトマネジメントを正しく機能させることに繋がります。
補足:
「効率アップ」というパワーワードに後ろ髪引かれる思いは理解できますが、トレードオフにあるイシューを同時に目的に据えること自体が、プロジェクトマネジメントが機能しない原因のひとつとなってしまいます。
QCDバランスのQ
では、QCDバランスのQについて、
なぜQはS(スコープ)ではなく、Q(品質)なのでしょうか。なぜSCDバランスではなく、QCDバランスなのでしょうか。
実は、
QCDバランスのQとは、品質を含むスコープのことであって、実質的にS(スコープ)を含んでいます。そのため、言い換えるとQCDバランスとは、「品質を含むスコープとコストと納期のバランス」ということになります。
実際に、「品質とコストと納期のバランス」より「スコープとコストと納期のバランス」の方が、よほど扱いやすいはずです。
S(スコープ)の意味
では、S(スコープ)について、
スコープとは「ユーザがやりたいこと」でしょうか、それとも「ユーザがやりたいことのうち、実現性が確認できたもの」のことでしょうか。
PMBOKでも明確に説明されていないためか、このことについて明確に説明された文章をあまり見かけたことがありません。
実は、プロジェクトにおいて最終的にできあがるものは「ユーザがやりたいこと」ではなく、「ユーザがやりたいことのうち、実現性が確認できたもの」になります。
すなわち、
QCDバランスのQ、いいかえるとS(スコープ)は「ユーザがやりたいことのうち、実現性が確認できたもの」になります。
(次回に続きます。すみません…)
追伸:抽象的な内容が多くなってきており、
十分に言語化できていない可能性があります。
・〇〇〇の部分が何言ってるかよくわからない。
・〇〇〇はこういう理解でよいあっているのか。
・〇〇〇は間違い。こういうことではないのか。等、
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