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思考力をもって、引き抜くために入社した裏切り者を撃退した話

こんばんは、経営者のこうたです。

今回は、私の実体験のお話です。

テーマは、『裏切り者はどこにでもいる』です。





1.部下が辞めた

まだ会社の内部が不安定だった頃、1人の部下Aが経営陣に不満を持って退職しました。

元々不満を抱えていたのは知っており、いずれ辞めるであろうことも分かっていたが、私は放置していた。

というのも、今では全ての部下が私についてきてくれているが、当時は小さな派閥があったゆえに私の管理になかったからだ。



後に話を聞いていると、どうやら私を共通の敵として不満を募らせていたようだった。


そして同時に、弊社で案件継続が困難であることから、一時的に他社へ移籍したBスタッフがいた。

こちらに関しては完全に弊社の問題で、彼も家庭事情があったので職を失わないために避難してもらった感じだ(Bは当時個人事業主)。



後に弊社のごたごたが収束し、全部下の管理を私の元で行う体制に変わる。



一時避難としてBスタッフが弊社を離れたわけだが、このBスタッフを元々担当していたのは、当時私と敵対関係にあったもう1人の代表である。

一時避難に期限を設けていたものの、期限前に連絡をしたが音信不通。


何度も言うように、私の管理ではなかったので、繋がりが希薄ゆえに難しいことは理解していた。

弊社の責任として連絡をしただけなので、本人が問題ないのであれば執拗に取り戻す必要はない。

ゆえに折り返しもなかったことから、そこで一旦は関係が完全に絶たれた。





2.急にBスタッフが弊社に戻りたいと言ってきた

その約半年後、弊社の副代表に元Bスタッフから連絡があった。

最終的には弊社に戻りたいという話になったが、それまでの会話が奇妙だったと副代表から私に相談が入る。

弊社に入る前から副代表とBスタッフは知人関係にあり、どちらかと言えば友人としての会話から始まったらしい。

まさか最後に弊社に来たいと言うとは思わず、違和感があったとのこと。


聞いてみると、BスタッフとAスタッフが未だ連絡を取り合っており、私は過去にあった何気ない会話の記憶を思い出す。


「AスタッフとBスタッフとで会社を興したい」


当時は弊社の協力のもと、新規事業扱いでやってみたいという話だった。

しかし弊社でロクに実績を示してはおらず、信用がカケラもなかったので、やるなら独立してどうぞと言った記憶がある。

それからその話がどうなったか分からなかったが、資金面や戦略面で壁に当たって断念したと副代表は聞いていた。

そんな大前提の部分でぶち当たるくらいなら、最初から不可能だったのでは? と疑問だったが、つまりはその程度の能力だったわけである。



私は以上の記憶も含め、Bスタッフに不信感を抱いた。

そもそも音信不通からの急な連絡である。

信用も何もない。

しかし弊社の事情で迷惑をかけた事実もあり、希望するのであれば雇うのも構わないと思っていた。





3.私は彼の企みを見抜いていた

様々な記事で何度も言っているように、私の業界は引き抜きが当たり前の世界である。

AスタッフとBスタッフが在籍していた頃の弊社は実に不安定で、部下もたまたま縁があって弊社に在籍していたに過ぎない。

今の私から見ると、引き抜き放題の人材が集まる会社だったわけである。


ゆえに、BスタッフはAスタッフと繋がっており、弊社から引き抜きをするために派遣されたのではないか? と。


実際、副代表には、「会社に不満がないか?」みたいな質問を頻繁にしていたとのこと。

もちろん部下全員、私は信頼しているが、特に副代表に関しては公私共に絶大の信頼を置いている。


ぶっちゃけ、AスタッフもBスタッフも思考力が弱いと思っていたので、どんな企みを持ったところでどうとでもできると判断していた。


そして私は、Bスタッフの再入社を認めたのである。





4.Bスタッフの予想外の事実

さて、Bスタッフが最初に抜けてたかだか半年。

会社の内部が大きく変わっていることなんて思ってもみなかっただろう。

スタッフは増え、その全員が私についてきてくれている。

私の立場も磐石であり、代表としての機能がより増していた。

私自身、元々は流れで代表になったものだが、Bスタッフの再入社の頃には意識が強まっていた。


『思考力』なんてワードも、ちょうどその辺りから使うようになっていたと思う。


Bスタッフは入社後、副代表に言ったそうだ。

「会社変わった?」


社名も業種も変わっていないが、確かに別会社と言ってもいいくらいの改革が行われていた。

統制のとれた会社と言えば当たり前のことなのだが、以前が酷過ぎた。

だからAスタッフは辞め、Bスタッフも一時は音信不通になったのだろうから。





5.Bスタッフは諦めなかった……が

副代表からBスタッフの反応が筒抜けだったので、私は彼が起こすであろう行動を容易に予測できた。

言葉は悪いけど、Bスタッフは無能である。

そして彼の管理を副代表に任せていたので、Bスタッフの私に対する評価が悪いまま更新されていない。


そしてBスタッフは、弊社のスタッフに引き抜きをかけた。



会社に対する不満
私に対する不満
待遇アップ

まあよくあるテーマの話題を振り、本人としてはジャブのつもりだったのかもしれない。


私は部下に、「引き抜きをかけられるかもしれないから、そしたら私に報告をしろ」なんて言っていない。

私がコミュニケーションを怠らなければ、部下から自発的に教えてくれる。


そもそも、普通は引き抜きをかける前に、個人間の関係値向上から図るのが基本だ。

それをすっ飛ばして引き抜きをかけるなんて、無能の極みとしか思えない。

そしてそういう方法をとるだろうと分かっていたので、泳がしていたのだ。


行動は早かった。

まさに1ヶ月後のことである。

この行動の早さを別で発揮してほしかった。





6.Bスタッフはやり過ぎてしまった

とはいえ、現時点でBスタッフは私の部下である。

社内での引き抜きは重大な裏切り行為であり、規約違反。

だがBスタッフは、良くも悪くも単純な男である。

弊社の過去が酷かったのも事実であり、即刻クビにするのは酷だと思った。


実は入社して唯一、ホウレンソウをしっかり行うことを教育していた。

そして彼は、それほど苦労することなくホウレンソウの徹底が身についたのである。

直接教育をしたのは私ではないが、好感が持てた。

本当に、良くも悪くも単純なのだ。

21歳ほどで若かったこともあり、反省するのであれば大切に扱いたいとまで思った。



だから、最後に彼を試すことにした

そこまで馬鹿ではないだろうと思いながらも、彼ならやってしまうかもしれないなと半々の期待で試す。


内容は、副代表から引き抜き発覚の件を伝えること。

すごく嫌な言い方だが、副代表は裏切りホイホイなところがある。

良くも悪くも八方美人ゆえに人当たりがいいため、相手は口が軽くなってしまうのだ。


そして私と仲が良いことは周知の事実だが、仕事においての私は誰であっても厳しい時は厳しい(らしい)。

だから自然と、副代表に感情が集まる。

特に意図したわけではないものの、このシステムは非常に便利だった。




副代表から伝えられた結果、Bスタッフは自暴自棄になった。

副代表に、「俺と一緒に来てくれ!」と懇願したそうだ。

つまり、引き抜くために弊社に入ったことを認めたのである。





7.裏切りはどこにでも潜んでいる

業界の特色ゆえか、至るところで裏切りの話を耳にします。

クライアントとも話していると、「ああ、この人はいつか今の会社を裏切って独立するだろうな」と思うこともあり、実際に実行したケースをいくつも見てきました。



独立のきっかけは主に2つ。

・会社(代表)への不満
・強い野心

前者は予防できますが、後者は難しいです。

そして一概に、裏切りが悪いとも言えないのが難しいところなのです。
(もっとも、今回のケースは擁護のしようもないが)


漫画でよくある「まさかあいつが裏切るとは!?」というようなことは、現実に起こり得ることなんですよ。



Bは1ヶ月で特攻兵を努めました(笑)が、狡猾かつ慎重な人は1年以上かけて準備を進めます。

未然に防ぐ、または発覚させるためには、頻繁なコミュニケーション以外にありません。

そして常に思考力を働かせ、そして自分を見直してみてください。


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