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田中緑紅でなく山下俊男の発行していた『郷土趣味』について

 『郷土趣味』という雑誌は田中緑紅が発行していたことが知られているが、この雑誌名の雑誌を発行していたのは緑紅だけではない。以下の記事で紹介したように、山下俊男という人物が愛知県で発行していた『郷土趣味』という雑誌もある。この雑誌は拙noteでも度々言及している「ざっさくプラス」にも第1輯のみ収録されているが、その他の号が収録されていないので以下に第2輯、第3輯の目次を掲載しておきたい。

第2輯
発行:1936年6月15日
編集発行人:山下俊男
印刷人:土屋宮三郎
印刷所:有信社
発行所:郷土趣味研究会

尾北本宮山 山姥の正体 市橋鐸
尾張と倭建尊伝説分布の関係 安藤直太朗
引佐郡地名考 富田寛
浄瑠璃姫の伝説遺蹟について 柴田顕正
第3輯
発行:1936年8月17日
※編集・発行・印刷は第2輯と同様
入鹿旧記事 市橋鐸
牧墨僊に就いて 藤浪洋
尾張と倭建尊伝説分布の関係(二) 安藤直太朗
豊場常安寺のお釈迦様 森眞水
萬代精進 鷲見東一
名古屋に於ける人体解剖の始 吉川芳秋

以下の記事で紹介した鷲見東一が第3輯に投稿している。鷲見は第1輯にも投稿していたが、この雑誌に投稿するきっかけは何かあったのだろうか。

 国会図書館サーチ、CiNii Books、一宮市立図書館に所蔵されている『郷土趣味』合本の現物確認で私が調べた範囲では、『郷土趣味』は第3輯までしか発行が確認できなかった。上記で紹介した記事内で述べたように、第3輯まで発行した後に加賀紫水の発行していた『土の香』に合同したと思われる。『土の香』は資金不足という問題を常に抱えていたが、『郷土趣味』と合同した理由も資金不足であったのだろうか。

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