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コーヒーと考察 Vol.07

変化し続けるアート作品について

まず、はじめに、今回(毎回か?!)は話がまとまらないことを前提に書いていることをご承知おきください。

本当であれば構成メモでもとって、ちゃんと書くべきなのですが、思ったことを勢いのままに書いていかないと、すぐさま忘れていってしまいそうなのでツラツラと一気に書きたいと思います。

<はじめに>

仮定します。僕はアーティストです。そしてアーティストの僕がつくる作品はアート作品です。この際、何がアートでアートではないかの議論はなしとします。

僕がつくる作品は、廃材を使ったオブジェです。そしてそのオブジェは屋外においても飾られるようにつくっています。いや、むしろ屋外に飾ってほしい作品です。

↓例えばこんな作品があったとします。

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作品展をしてみたら、その作品を気に入って購入してくれた方がいました。

<作品に関して>

屋外設置を想定した作品なので、その作品を購入時にはオプションがあります。(Optionalじゃなくて、Includedでも良い)

それは、作品が老朽化し、購入時に抱いた作品の魅力が消えかけてしまった場合、アーティストがその作品を再生するというものです。

世間一般でアート作品と呼ばれるものは、絵画が主なものになっているかと思います。絵画であれば額縁に入れて屋内に飾っておけば、何十年と作品として、場合によっては少し埃をかぶりながら、存在し続けるでしょう。

しかし、屋外に置くような作品であれば、老朽化は免れません。雨にも紫外線にも晒され、朽ちていきます。

そこで、朽ちた作品を再生(もしくは作品の持つ魅力の「維持」)するというサイクルを作品に付随させます。

作品が朽ちる→再生→作品が朽ちる→再生 を繰り返すというわけです。

その過程で、作品によっては巨大化するものもあるでしょうし、レイヤーにレイヤーを重ねて、それが味となってゆくものも生まれるでしょう。作品が「Re」化されていきます。

<作品の再生時に発生する料金>

作品をつくって売る、だけならシンプルなのですが、つくった作品が売られたその後の再生化も考えるとなると、追加費用がかかることは想定されます。

かかってくる費用としては、1.再生費用(人件費のような捉え方) 2.再生するための材料費 3.交通費 4.その他(食費+宿泊費)  でしょうか。

僕が、そのアーティストなら、交通費+食事+宿泊場所の提供のみで、旅行がてら再生活動をさせていただこうと考えます。

しかし、同じような作品の別のアーティストは、きっちり項目割で費用を算出するかもしれません。

<アイデアが出た経緯>

僕自身、気が向いたら勝手に作品をつくっています。その作品は、廃材などを使ってつくることが多く、屋外で、例えば庭に置いてあっても良いような作品もあります。

実際にこの間は、プランターの一部として使っていた作品が朽ちました。朽ちるのは想定内でした。そして、朽ちたらまたそれを再生すればよいと思っていたのです。

↓朽ちた作品。木材部が朽ちたので、張っていた針金のテンションも緩みました。塗料も剥げています。

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この朽ちた作品をまた再生する(もちろん購入者が、これはこれで良いと思えばそのままでもいいです)。

そのプロセス自体もインスタレーション作品のように成立させることができるのか。それを考察してみたかった次第です。

根底にあるイメージとしては、例えば植木屋さん。植木屋さんから植木を買って庭に植えました(作品の購入)。時期がくれば剪定が必要です(作品の維持、または変化)。そこには植木の購入代金だけではなくて、維持したり再造形する費用もかかってくるわけです。

同じようにアート作品もできないものか、と考えました。自分が購入した作品が変化する、成長する過程を楽しむ。それは、植物が育つのと同じような感覚。

<おわりに>

アーティストが昔のように大金持ちのパトロンにずっと支えてもらうのではなく、庭づくりを楽しみたいのと同じレベルで、ごく普通の一般の方々によってサポートされる、関わる、がアートのひとつのオプションになれば面白いんじゃないかなと思っています。

例えば1万円の作品が売れました。購入元の方から再生依頼。依頼場所へ向かう。交通費+作品の再生がてらの食事+宿泊場所も提供してもらう。

そうすることでアーティストと購入者の方とのやり取りが深まる。作品への向き合い方も変わるかもしれない。作品が変化する。

そのようなフォーマットのアート作品がもっと増えても良いのだと思います。再生を前提にしたアート作品。剪定アートのようなもの。

ちょうどこんな感じで、先週末に作品を再生しました。今後ますますレイヤーができれば面白い造形物になると勝手に思っています。

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案の定、まとまりませんでしたが、自分の考えの備忘録として、また何か同じような考えを抱いた読者の方が、妄想を膨らませる一助として、今回の「コーヒーと考察」を書きました。

お読みいただきありがとうごさまいます。

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日々色んなことを考えます。考えても堂々巡りのことも多いです。大切なことは、自分の心に素直になること。そして信じること。

火曜日。自然を近くに感じるのだったら、自然を信じてみればよし。と禅問答のようなことを考えています。深呼吸。

皆さん、良い1日を!

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7月6日 トマス・モア(1478 - 1535)この日イギリス王によって死刑にされた。カトリック教徒として大法官をつとめながら、理想郷「ユートピア」の無階級社会を夢みた。

 こんにち、いたるところに栄えている国家をつらつら考えてみますと、なさけないことに、私は、自己の利益を国家の名によって得ようとする金持たちの陰謀のほかは何も見ることができません。かれらは、まず、どうしたら不正にかき集めたものを失う恐れなく安全に保持できるか、そして次には、どうしたらできるだけ少ない金で、貧民の労力をやとって、それを濫用することができるか、ということについての、あらゆる手段と奸策を工夫し案出するのです。(ユートピア)

桑原武夫 「一日一言」(岩波新書)より

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