見出し画像

コーヒーにまつわる道具 Vol.24

コーノ式 コーヒーサイフォン

画像1

今回の「コーヒーにまつわる道具」はサイフォンです。サイフォンといっても年代物のコーノ式

これまた実家の小屋を片付けていたときに見つけた代物です。おそらく40~50年ほど前のものではないでしょうか。未使用品でした。

↓当時のお値段は4300円とあります。

画像2

↓社名が「珈琲サイフォン株式會社」とあります。珈琲サイフォン株式會社という社名になったのは1963年のようです。

画像3

↓商品につけられていたタグの色味がなんとも僕好み(笑)。縁を感じます。ずっと待っていてくれたかのよう。

画像4

↓珈琲サイフォン株式会社の創業者である河野彬さんが1925年に発明・実用化したコーヒーサイフォン。

創業48年とあるので、もしかするとこの商品は1973年製かもしれません。

画像5

↓50年近くも箱の中に入っていたパーツたち。恐る恐る箱から出してみます。

画像6

↓どんな風に使うのか想像しながら。

画像7

↓サイフォンらしいパーツ。でもどうやって使うのかはよくわかりません。

画像8

↓ちゃんと袋に入った濾過布。袋には入っていますが過ぎてきた年月を感じます。

画像9

↓サイフォンといったらアルコールランプなイメージ。理科の実験のよう。

画像10

↓そういえば最近使わなくなったアウトドアギアにアルコール燃料入っていたな。やっぱりあった。

画像11

↓この芯のあるアルコールランプを使うのは中学生の時の理科の実験以来。ワクワクします。燃料を入れて準備。

画像12

↓パーツの煮沸も込めて火をつけて様子をみます。この火に癒されます。

画像13

↓理系の方にはこのサイフォンの構造、原理に興味を持つのではないでしょうか。

画像14

↓早速ミルで挽いたコーヒー豆を上部のパーツ部(上ボールと言うようです)に入れます。下ボール部には水です。

お湯が沸騰すると下ボールから上ボールに移動します。そしてコーヒーを煮出すイメージ。かなりの高温抽出ですね。

画像15

↓頃合いを見て、アルコールランプを下ボール部から外した途端に上ボールからコーヒーが今度は下ボールに流れます。不思議。

画像16

↓上ボールに残ったコーヒーカス。

画像17

↓下ボールに抽出されたコーヒーが溜まります。このコーヒーをカップに注ぎます。実験した液体をフラスコからカップに移すようで楽しい(笑)。

画像18

サイフォンで淹れたコーヒーは思いの外おいしかったです。年季もののサイフォンだったので味は正直期待していなかったのですが、意外や意外。

淹れる経過を見ていると、なんとなく魔法のかかった液体を飲んでいるようで今までにないコーヒー体験となりました。

日常で使用するには、僕にはちょっと手間がかかってしまう飲み方ですが、たまにアルコールランプを見て楽しみながら飲むのは良いですね。

電気を暗くして使ってみるのも良いかも。これからの夜長の季節にぴったり。

またひとつコーヒーの楽しみ方が増えました。

画像19

絵画のような空が夕方に広がります。飛行機がゆったりと飛んでゆく。

火曜日。アイスコーヒーをつくろう。アイスコーヒーにはやっぱり深い深いコーヒーが必要。

皆さん、良い1日を!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

8月31日 ボードレール(1821 - 1867) この日死んだフランスの詩人。「悪の花」一巻によって近代詩の開祖となった。象徴主義の先駆者。評論にも独特のするどさを示した。

 詩の天職こそ偉大である! 陽気なものにせよ、悲しげなものにせよ、つねに詩は自らのうちに、理想を追う神のごとき性格をもっている。詩は事実に異をたてることを止めない。さもなくば亡びるの他はないのだ。牢獄で、詩は暴動となる。病院の窓辺で、詩は平癒の燃ゆる希望だ。いたんだ不潔な屋根裏の部屋で、詩は仙女のように、豪奢に優雅に身をかざる。詩はたんに確認するだけではない、たてなおすのだ。どこでも詩は不正の否定となる。(「ピエール・デュポン詩歌集」への序)

桑原武夫 「一日一言」(岩波新書)より


この記事が参加している募集

#私のコーヒー時間

27,132件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?