コーヒーと音楽 Vol.25
Pavement - Shady Lane
追記:貼り付けていた動画+歌詞は削除しました(2022/08/21)
生活をしていると、ふとした時に何かが走馬灯のように現れては消えることがあります。時の流れの中で目に見えない影のようなものもあります。影というとあまり良い意味で使われることはないのかもしれませんが、僕はむしろ良い意味で今回使っています。
そっと寄り添う影。懐かしい感じの影。木陰や面影というとき、そこにある一種のホッとした穏やかな感覚。会えなくても会っているような感覚。そんなイメージにぴったりの曲が今回紹介するPavementのShady Laneという曲です。
↓Pavementの4枚目のスタジオアルバム Brighten the CornersにShady Laneは収録されています。
この曲をいつ知ったのかは覚えていないのですが、よく聴いてきました。youtube動画も今でもひと月に一度は観ている気がします(これは僕にとってはすごく高い頻度です)。オフィシャルのMVはディレクターがスパイク・ジョーンズ(「マルコヴィッチの穴」や「かいじゅうたちのいるところ」の監督)。この曲のイメージを見事に映像にしています。
とにかくメロディーラインが独特で、一筋縄ではいかない複雑な感じ。でもそこにある温かみ。これはひとえにPavementのリードシンガー兼ギタリストのStephen Malkmusの才能と言っていいでしょう。
もうすでにPavementは解散し、Stephen Malkmusはソロで活躍していますが、ソロとなった今もShady Laneは度々演奏されていることから、彼も愛着を持っている曲というのがわかります。
↑廃刊となってしまったヴィレッジ・ヴォイスにこの曲に関する記事がありました。oysters and dry lancersの下りはカリフォルニアスタイルのデートだとか、Lancersは昔流行ったポルトガルのワインの名前ということもはじめて知りました。こんなの知らなきゃ訳せません。
こうやって背景が見えてくると、歌詞が生き生きと輝きはじめます。マルクマスは曲全体に影を埋め込みたかったんだな〜とか。連綿と続く影。そして彼はその影を大切にしている。と、僕は感じました。
最初はShady Laneは木陰の小道のようなイメージでいました。でも段々とそうではなくて、自分のいる道を通ったであろう人だとか思い出とか、そういった見えないけれど感じる影なのかなと思うようになりました。
↓こちらのサイト。この歌詞の意味を討論するボードがありました。すごく参考になります。
曲を世に出したら、その曲のもつ意味、歌詞の意味の解釈は聞き手に委ねられる、と誰かが言っていました。この曲はまさにそんな余白がたっぷりな気がします。深そうで軽そうで、軽そうで深そうで。だから好き。
意訳しながら気づきます。この歌詞が妙に頭に残っていることを。文字を読んでいるだけでは頭に入って来なかったのですが、訳しながら口ずさんで歌っていると、本当にスムーズに歌詞がメロディーに乗っているのがわかります。
こういう才能。スティーヴン・マルクマスは音と言葉で遊んで音楽を作っている。すごい人です。なんとなくですが、自然と鼻歌を歌いながら、そのメロディーを単音のギターリフにして作曲している気がします。
はじめてこんなにちゃんとこの曲に向き合えた。嬉しいです。
↑これはなんでしょう? 実はこれアボカドのタネなんです。なんと芽が出てきました!右の大きいのではなくて左の小さい方です。右は一体なんの芽だろう(笑)。
本当にこのアボカドのタネ、全然割れもせず、僕はひたすら待ち続けたんです。そうしたらいつの間にか割れました。と思ったら芽が出ている。
ゆっくりと焦らないこと。
火曜日、みなさん良い1日を!
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