コーヒーと音楽 Vol.48
Bjork - Hyperballad
追記:貼り付けていた動画+歌詞は削除しました(2022/08/22)
あれは中学2年生か3年生の時だったと思います。今からもう25年ぐらい前のことです。
キラキラするような人間でもないし、冴えていないことを実感していた自分は、アイデンティティの在りかを音楽に求めていました。
当時自分が情熱を捧げていたのはGreen Dayというバンド。田舎の学校では同じ音楽の趣味の子はいるわけもなく、ひとりで悶々と彼らの音源を集めたり、彼らについて書かれた記事を音楽雑誌で収集する日々でした。
なんでもそうですが、自分が好きなことは誰かと共有したいものです。僕は自分の好きな音楽について一緒に語れる人を求めていました。でも、周りはみんなミスチルやスピッツのようなJ-POP、ジャニーズの世界。話せる人はいませんでした。
そんな時ある音楽雑誌(確かINROCKじゃなかったかな〜と思います)に僕は文通相手を探す投稿をしました。それが見事掲載されて、人生で初めて自分の書いた言葉が紙面に載ったのです。そしてなんと他県の複数名の方々から手紙が実際に届いたのでした。
(「文通」がまだ通用した最後の世代だったかもしれません。その後急速にPHSや携帯、インターネットの波が押し寄せてきました)
今思えば、暗闇にいた中学校時代で一番のハイライトでした。文通相手とは手紙やミックスMDの交換を通して情報交換をしました。
あれは確か長野の同世代の方だったと思います。相手から送られてきたミックスMDに入っていたうちの一曲が今回紹介するBjorkのHyperballad。すごく気に入って何度も何度も聴いたのを覚えています。
気になったのでHyperballadを調べてみたところ、やっぱり1996年の作品。ぴったり25年前です。
なぜか夜中にこの曲が舞い降りてきて、Youtubeで音源を聴いていました。今でもまだ曲の冒頭のストリングスの音が微かに脳裏に鳴り響いています。
25年前の曲なのに、色褪せるどころかより鮮明に突き刺さってくるのは何でだろう。泣きたくなりますね。あの時も今も音楽に助けられていることを実感するからなのかな。
今では文通相手が誰だったかもわかりません。手元に届いたミックスMDもどこかに消え去りました。そもそも文通をしていたことさえ幻想だったのではないかと思えるぐらいです。それでもメロディーはちゃんと残っている。
この曲だったらヘッドフォンをつけて聴きながら、まだ日が昇らない早朝に散歩してもいいな。いや、そんなことしたら1日動けなくなるか。
土曜日です。いろんな土曜日があります。たまには内に籠って静かに過ごそう。
皆さん、ゆったりとした良い1日を!
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