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【A.T.カーニーが解説する地銀の未来】事業領域を作り変え、強い産業を育てよ! 営業を“型”化し、行員スキルを底上げする。

世界で活躍するコンサルティングファームの目には地域銀行の未来はどう映っているのか。そして、地域銀行の生産性を引き上げるためには何が必要なのか。A.T.カーニーの河野修平・シニアパートナーに解説してもらいました。

河野さんは、「地域銀行には事業領域を作り変えるポテンシャルは十分にある。そしてまさに今、ビジネスモデルを含めてどう見直すのかが問われている」と話します。(金融ジャーナル編集部。2024年4月号「生産性向上 地域銀行の挑戦」掲載分を一部再編成、肩書き・数字等は掲載時点)
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地域銀行の未来を創るには 

——「地域銀行の未来」をどのように見ていますか

高齢化や人口減少、地域経済の縮小など地域銀行を経営環境がとても厳しいのは確かだ。人も企業も減るなかで地域銀行が生き残るためには、今までより幅広いサービスを提供していく必要がある。近年は規制緩和で業務範囲が拡大してきたが、方向感は正しいと思う。

地域銀行の未来を考える上で、参考になるのは日本の総合商社ではないだろうか。総合商社は、過去はエネルギーや資源投資を生業にしてきたが、10~15年かけて“事業領域”を見直し、直近は小売業やヘルスケアなどへの投資事業会社に領域を広げつつある。

地域の様々なアセットにアクセスし得る地域銀行には、事業領域を作り変えるポテンシャルは十分にある。事業ドメインの見直しには人材の育成なども含めると、どうしても長い年月

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