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聞き慣れない音が授業中の教室に響いた

今日は「教科書の日」だ。

教科書と言えば、天気予報を見ずに学校へ行った日の帰りに大雨が降った。その日は持って帰らないといけない教科書が多かった。自転車で通学する私にとって、雨の降る日は大敵である。天気予報を見て、雨が降ると分かっていれば、通学鞄の中に入れた教科書を濡らさない為に、レインコートを持って来ていただろう。

普段からレインコートを持ち歩けばいいと思うかもしれないが、レインコートはまあまあ大きいため、どこに入れたり置いていたりしても、意外に、場所を取ってしまう。

普段から天気予報を見るようにすればいいと思った人は正解だ。そうしよう。

「お前のカッパ、邪魔なんだよ!」「カッパではない、レインコートだ」「ほぼ同じだろ!」「そうであったか、カッパッパッパ!」なんて不毛な会話もしてみたかったが、仕方無い。

ほぼ」同じ、と雨ガッパとレインコートの微妙な違いを知る相手と、本当は魚人だが河童と言い張る『ONE PIECE』のキャラクター、「河松」の笑い方を真似る筆者の会話ほど、不毛な会話は無い。

案の定、教科書が濡れてしまった。濡れた教科書を乾かすために、ページの間にチラシを挟んだり、冷凍庫に入れたりした。「濡れた教科書を冷凍庫に入れる」行為は、インターネットで調べた上で行った行為であり、まあまあ有名なのかもしれないが、なんとなく恥ずかしくて、友達には言っていない。

乾燥した教科書は、ページとページがくっついてしまっていた。私はそのくっついたページを授業中に剥がすのだが、これがとても楽しい。聞き慣れない「ぺりぺり」という音が、教室の中で静かに響く。「何の音だ」と不審がる友達を横目に、私はそれを続けた。

クラスの一番前の席に座る私が、楽しそうにページを剥がしていることに気付いた先生は、私に「何してんの」と注意した。ページが少し破れていた。いつの間にか、教室は静まり返っていた。

2021年まで、あと267日。

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。また明日お会いしましょう。

雑費として使わさせていただきます。何に使ったかを記事のネタにするかもしれません。