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店主の考え

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2022年6月の記事一覧

落差

救われる部分と、割り切れない部分があって、その曖昧さが良い所だとも思ってる。 昨日書いた文章なんですが、この部分は割と気に入っていて。 書いていてはっとしました。 自分で書いてるんだけどね。 お客さんの求めてる事は様々で、どこかの琴線に触れれば来てくれる。 これって飲食の中でもカフェ特有だと思うんです。 レストランでは料理のクオリティに比重が偏ってる気がするし、チェーン店だったらコスパかな。 でも、カフェってばらばらで。 お客さんの求めてる事はそれぞれ違う。

お代わりと英語

今朝、外国人のお客さんが来てくれた。 日本語はあまり話せない様子。 僕も英語が話せない。 でも、そんなに困る事は無い。 メニューには英語表記があるし、カフェラテはどこの国でも飲まれてるからドリンクの説明をしなくても大丈夫。 アイスかホット、エスプレッソのシングル・ダブルの確認をするだけで滞りなく提供出来る。 逆に日本人のほうが時間がかかる事が多いな。 「エスプレッソ?」 「シングルとダブル?」 「何が違うの?」 想像出来ないか。 エスプレッソ=コーヒーか

少しでも良い一日にする為に

梅雨が明けました。 6月なのに。 朝からうだるような暑さで気持ちが乗りません。 ええ、全くやる気のない日々が続いています。 そんな状態でもいつもの時間に開けるのですが、最近は朝の時間に少し変化があります。 いつもの人以外が来る。 困ります。 この時間にこの人が来るからこれをしよう。 このルーティンが崩れるので。 正直に言うと、ちょっと嫌だなーと思う時もあります。 でも、考える。 きっと何かやる気をだすきっかけがほしいんじゃないか。と。 急激な気温の変化

忘れられないように

昨日、4年ぶりぐらいか、大阪の頃に一緒に働いていた友人が遊びにきてくれた。 1年ぐらい大阪で働いていて、地獄の日々を助けてもらっていたんだけど、その時の繋がりが今でも残っていて嬉しい。 今はお互いに違う環境で共通の話題も無くなったのに話は尽きない。 しみじみお店があってよかったと思う。 学生の頃に通ってくれていて、就職して足が遠のき、コロナになってさらに遠のき、もう会えないのかなと思っていた子とも再開できた。 嬉しかったのは、相手が何よりも喜んでくれていた所。 お

「うわー並んでるー」じゃないんだよ

店の外にメニューを掲載しています。 コーヒーを売ってると気づいてもらう為に、法外な値段ではないですよと安心してもらう為に。 あとは注文する商品を決めてもらう為に。 ただ、最近これに少し苛立ってます。 5分ぐらい眺めてる人がいる。 優柔不断なんだろう、それは別に構わない。 ただ、後ろに人が来ると注文が決まったのか入ってくる。 ここに疑問というか、苛立ちを感じる。 後ろに人が来た事が後押しになったのかもしれない。 それはあるだろう。 ただ、 抜かされたくない

チャップリンのあれ

大学→留年 内定→取り消し バイト先→消滅 全てが無くなり、これから先どうしていいのか分からなくなった。 とは書いたものの、そうなったのは一日ぐらい。 途方に暮れても何も解決しない。 考える。 半年間大学に通いながらバイトをしよう。 でも、新しい事を覚えるのは嫌だ。 という事で、働いていたコーヒーチェーンの求人を見る。 『オープニングスタッフ募集』 ちょうどよかった。 既存店舗に行くのは嫌だったので。 色々と面倒だから。 新店舗だったら採用してくれ

悲劇

大学4年の時に起きた悲劇。 僕は真面目に大学に行っていた。 3年の終わりまでは。 適度にサボりつつも、大学に友達がいなかったので自分でノートをとらないといけない。 その理由だけで行っていた。 そんな僕に後輩が出来る。 バイト先に入ってきたのだ、同じ大学の子が。 いい奴で、出来る子だった。 「福永さん、私が授業にでてノートもとるし、過去問もあるから大丈夫です。最後の1年は就活したり遊んだりしてください」 卒業までに2単位だけ残していたけど、その子に任せる事にし

岐路

「好きな事をするか、就職するか悩んでて」 就職活動中のお客さんからの相談。 相談というよりは、今の悩みを吐き出して楽になり、あわよくばハッとするような言葉を貰えたらという感じだったと思う。 あくまでも推測だけど。 「後悔を少なくする為に考えて選べばいいんじゃないかな。逃げで選ばないようにね」 ハッとするような言葉はかけられなかったけど、僕の考えは伝えられたと思う。 33歳の僕が思うのはそんなに深刻に考える事でもないよって事。 人によるし、やりたい事にもよるんだけ

恵まれてる

週末に来てくれる常連さんが珍しく友達を連れてきた。 「一人じゃないなんて珍しいね、どうしたの?」 「いや、ここは誰でも連れてきていい場所じゃないじゃないですか。この子なら大丈夫だと思って。」 うんうん、分かってくれてる。 友達も良い子だったし。面白かったし。 「パリピです」の一言は笑ったな。 常連さんの裏の顔を知れました。 ありがとう。 また来てね。 気を遣わせてる。 と、思いつつ、まあそれでいいかと思ったり。 嫌だったら来てないだろうから。 (自分へ

入りやすい?

「他のお店は入りづらくて」 「そんな訳あるかい」 今日はそんな話を。 何回か通ってもらって、物覚えの悪い僕でも認識出来るようになると、そのお客さんとの会話が増えます。 最低限の挨拶から天気の話、仕事の話からプライベートの話。 この順序で距離が縮まっていきます。 いきなり最後の部分に踏み込んでくる人もいますが、やめましょう。 何事も段階を踏むのが長い付き合いには必要です。 そんな距離の縮まったお客さんに聞いてみたんです。 「他のコーヒー屋さんは行きました?」

声の積み重ね

誰かにとって必要な店。 こんな事を書けるのも、今まで続けてきたから。 一年目だったらとてもじゃないけど書けなかった。 お客さんの声が積み重なり、重みになる。 「来月出産なんで寄りました。もう当分来れなくなるので。」 そんな状況でもわざわざ寄ってくれた嬉しさ。 どの駅からも遠く、ゆっくり出来るお店じゃないのに。 この人が気軽に立ち寄れるようになるまで続けなきゃな。 あと数年は頑張るか。 店を続ける意味を持たせてくれる人がいる。 「月に一回しか来れないけど、そ

必要な店

昨日の続きみたいなやつ。 お店が必要とされる為に何をしてきたか。 特別な事はしてません。 ただ、変わらない選択をしました。 営業日数だったり、時間だったり。 朝開けて、夜閉める。 それを毎日。 頭では色々考えてたと思うし、その色々を当時は書いてたと思うけど、変わっちゃいけないとも思ったんです。 そもそもを考える。 なんで休みの無い営業にしたんだっけ。 いつ来ても開いていて、いつでも飲める。 そんなお店を作りたかったんじゃないか。 それって、コロナだった

かけられたふるい

昨日、空山基さんのインタビュー記事を読んでいてグッときた言葉がありました。 ――新型コロナウイルスのパンデミックで得た経験や気付きはありましたか? 空山:文化的観点で言うと、不純な動機の人たちは離れて本気の人たちは食えなくても続ける、“ふるい”になったんじゃないかな。 コロナのせいで色々と大変だったけど、この点だけを見れば確かに良かったのかもしれない。 コロナになる前から飲食は稼げないとか、大変だと書いてきました。 気合いと根気が店を続けるには必要だぞ。とも。 そ

欲望に忠実な人

読んでいてエネルギーを吸い取られるウシジマくん。 知ってる人も多いとは思いますが、ヤミ金業者の話です。 という事は、お金を借りにくる人がでてきます。 しかも正規のルートで借りられない人が。 なぜ、そうなるのか。 皆さん欲望に忠実なのです。 楽しむ為にお金を使う。 それの度を超えた人が沢山出てきては、皆さん悲惨な最期を迎えます。 ただ、僕はそれを少しだけ羨ましいと思ったり。 悲惨な最期じゃないですよ。 欲望に忠実になれる事の羨ましさ。 楽しむ事を優先順位の