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思考のレシピ6 共に考える
価値の基準
伝統や文化について考えるとき何を基準に考えればよいのでしょう。伝統や文化はふつうは守っていくべきものと考えます。その価値とは何でしょう。
伝統工芸品というものがあります。経済効率や生産性にその価値を置くと一般的な工業製品にはかないません。同じものをより安くつくるという経済的な満足度の考え方です。
それに対してより人間的な満足度で価値を判断するということがあります。それぞれが持つ芸術性や精神的なものに価値を置く考え方です。私たちが伝統や文化を守っていくことは人間的な満足度に価値を見出しているからだと言えそうです。
実存のコミュニケーション
実存というのは現実の中に真実を見たり、現実から真実を得る自己の在り方のことです。つまり、この私にとっての真理を探究する立場です。
実存のコミュニケーションの条件
コミュニケーションなしには、私は私自身にはなりえないし、孤独でなくてはコミュニケーションはなしえない。(ヤスパース)
孤独でなくてはコミュニケーションはなしえない。には三つの意味があります。
1.自分が独りであることに気づくこと。
2.孤立した虚しさのなかで自分の存在を深く意識するときに、他者と出会うこと。
3.他者を介して他者とともに、それぞれが新たに自分の在り方に気づくこと。
このような過程を経て自分の存在に気づき、私自身となるとヤスパースは考えました。
お互いが同等の水準であること
このようなコミュニケーションは同等の水準で行われる必要があります。権力や地位は実存のコミュニケーションには関係ありません。お互いが自分の存在を見極め、自分の在り方に気付くことが実存のコミュニケーションです。
偶然の出会いが、一歩を踏み出すきっかけになったり、自分の新しい道を歩む決意のを後押しすることになるかもしれません。
自立した人と人が出会いそれぞれの存在を尊重し、自らを問うことは簡単ではないかもしれません。でも、
独りただ孤立するのではなく新しい可能性に向かって自分のこころを開くことは、そのチャンスを逃がさないためにも大切なことです。
そんなかけがえのない出会いがあれば私自身になれるかもしれません。
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