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妹シリーズまとめ

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妹シリーズをまとめました。
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2018年6月の記事一覧

【短編】出された舌の意味は――。【今日は何の日 : 0630 アインシュタイン記念日】

「おはよう、お兄ちゃん!」  朝、洗面所で顔を洗って出てきた俺に、妹はいわゆる『あっかん…

【短編】華麗なる記念日【今日は何の日 : 0629 星の王子さまの日】

「お兄ちゃん、今日はカレーが食べたい」  関東の梅雨明けが宣言されたという日に、涼しげな…

【短編】”生まれない日万歳!”【今日は何の日 : 0628 パフェの日】

「家にこんなコップあるのうちぐらいだよね!」 「パフェグラスか? 今日日(きょうび)100円…

【短編】おいしいサプライズ【今日は何の日 : 0627 ちらし寿司の日】

「お兄ちゃん、今日は何の日だと思う?」  昨日に引き続き、妹が俺にそんな質問をしてきた。…

【短編】星空の下、湯気の中。【今日は何の日 : 0626 露天風呂の日】

 こういうときの、妹の常識にとらわれない発想には、いつも驚かされる。 「お兄ちゃん! 今…

【短編】お酒は二十歳になってから…。【今日は何の日 : 0625 生酒の日】

 たまに、無性にお酒が飲みたくなるときがある。  部活で失敗したときや、テストで赤点ギリ…

【短編】 いつか、きっと――。 【妹シリーズ 書き下ろし】

 仕事を終えて家に帰ると、いつものように妹がお腹を空かせて待っていた。  俺の仕事は終わる時間が不定期なので、早く帰れる日はいいが、遅い日は普通に23時を回ってしまうこともある。  そんな俺に、妹は、 「こんな時間にご飯食べると、太るよぉ……」  と文句を言ってくるのだ。  それに対して俺は、作りおきをしておくことを提案したのだが、「嫌だ」と断られてしまった。  その理由は、こんな感じだった。 「だから、俺が遅い日はご飯の作りおきをしておくから、それをチンして食べろっ

【短編】 遅く起きたい朝は 【即興小説トレーニング 妹シリーズ】

「お兄ちゃん! おっはよーっ!!」 「ぐはぁっ!!」  アイスピックを当てて、ハンマーを…

【短編】 鍋の屍を越えて、私はいつか辿り着く。 【即興小説トレーニング 妹シリー…

「うむむむむ……」  目の前の惨状に、私は言葉を失っていた。 「ど、どうしよう……」  …

【短編】 冬のお祭り 【即興小説トレーニング 妹シリーズ】

 ひょっとこのお面を付けてはしゃぐソイツは、楽しそうに少し遅い村の祭の縁日の間を駆け回っ…

【短編】 久しぶりの休日は 【即興小説トレーニング 妹シリーズ】

 ストーブの上のやかんが、シューシューと湯気を出している。  昨日も雪が降っていたが、今…

【短編】怪盗シスター(笑)【即興小説トレーニング 妹シリーズ】

「いてて……」  まだ首が痛い。  全く、アイツは遠慮なく攻撃してくるから、こちらの身体…

【短編】きんだん ってなんだろう? 【即興小説トレーニング 妹シリーズ】

 『禁断』という言葉がある。  辞書でその意味を引くと、以下のようになる。  禁断  [名…

【短編】溢れ出る想いの行く先を、私は知らない。【即興小説トレーニング 改訂版】

 放課後の音楽準備室。  部室もない軽音楽同好会(仮)の活動場所だ。音楽教諭のお目こぼしで使わせてもらっている。  指先に触れる弦の感触を楽しみながら、私は適当にギターをかき鳴らして遊んでいた。  なんだか、今日はいいメロディが浮かぶような、そんな予感がしていたから。 「ご機嫌だね?」  そんな私に、そいつは遠慮なく話しかけてくる。  私の頭に浮かぶメロディーがそれでかき消えてしまうのだが、そんなのお構いなしだ。  いつものことなので、気にしない。  話しかけられた程度