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そろそろ会社で幸福の話をしよう #013 「ターゲットとスタンスとアンテナと」

勝負どころ

これまで、多種多様なメンバーと、「幸せ」について対話をしてきた。気付けば、開始当初にあった社内の不穏な空気感(「そろそろ会社で幸福の話をしよう」ってどういうこと?)は薄れていて、「次は誰の番?」「まあ声かけられたら、時間は作るけど」「自分の幸せのカタチって、ちょっと興味ある」のような、むしろ前向き寄りの発言や空気感が漂うようになってきた。

良い流れだと思う。
素直に嬉しい。

ただし、この良い流れ、「何かしらの結果に繋げてこそなんぼ」だと思っている。では、どんな結果につなげたいのか?「幸せへの支援を起点に、会社・社員の持続的成長を支えたい。」これが僕の最終目標。

つまり、「会社・社員の持続的成長」、ここに繋げたい。

ただし、(これまでに僕のnoteを読んでくださったことがある読者様は、ご察しいただけるかもしれませんが、)「成長」といっても前に進むことだけが全てではない。立ち止まることだって、あえて後退することだって、そこにその人の未来への意思が宿っているのであれば、それらは全て「その人にとっての成長」だと思う。

そういう意味での成長が、個人の活力、そして組織の活力へと繋がり、最終的に「これまでにない本質的かつ持続的成長」へと実っていくようであれば、まだまだ個人・組織・社会の未来は明るくできると思う。新たな可能性から広がる世界だって、むしろ「新たに」期待できるようになると思う。

いよいよ勝負どころに入ってきた。
歩みを止めず、さあいってみよう!

58歳男性(役員)Gさん

「あなたにとっての幸せとは?」

自分は元々営業畑の出身で、以前は、ドラマで見るような棒グラフが会社の壁に貼ってあってその伸びを朝礼で話題にするような会社に勤めていました。そのときは今月の営業成績がトップだと言われたりするととても誇らしく、幸せな気持ちになったのを覚えています。

役員待遇で今の会社に移り、会社全体を見て物事を決断していく立場になりました。立場が変われば考え方も変わるもので、決めたとおりに物事が進むことが快感になるようになりました。逆の言い方をすれば、想定どおりに進まないことがとても苦痛になるようにもなりました。

営業のときはダメ元みたいな感覚も大きかったのですが、今は予定どおりに進むことが当たり前になっています。予定通りに進めるために、常に部下ともコミュニケーションを取るようにしていますが、どちらかというとうまくいかなかったときに余計な仕事や作業が自分に降り掛かってくるのを未然に防いでいる感覚が強いかもしれません。もちろん、自分自身が周りに迷惑をかけないように、会社には一番早く出社して、最後に帰ることを心がけています。

プロジェクトを予定どおりに進められた、年度初めの予算をきちっと消化できた、今日一日のタスクを終えられた、こんなときにふと幸せな日(時間)だったなって思ったりします。

幸せのカタチは変化する?

Gさんとの対話で、改めて考えさせられる瞬間があった。以下の表現に注目したい。

・「そのときは今月の営業成績がトップだと言われたりするととても誇らしく、幸せな気持ちになったのを覚えています。」

・「立場が変われば考え方も変わるもので、決めたとおりに物事が進むことが快感になるようになりました。」

Gさんの幸せのカタチが変わったように思える。ただ、何がどう変わったかいうと、なかなか上手く表現できない。二人で、「確かに幸せのカタチ、変わってる気がするけど、でもなんか何となくだよね。モヤモヤしますね(笑)言葉というか、分かりやすくスッキリ説明するのは、なかなか難しいですね。」のような感じでしばらく話し込んだ。

そして最終的に、これまでのメンバー(Aさん〜Fさん)との対話を踏まえ、Gさんの幸せのカタチを、以下の3点に注目しながら改めて考えてみようということになった。

幸せのカタチ;
・ターゲット(幸せを感じる領域)
・スタンス(幸せに対する姿勢)
・アンテナ(幸せに対する感性)

まずはGさんについて確認した。

・ターゲット(幸せを感じる領域):「特に意識してたのは、評価とか居場所(会社での立ち位置みたいなもの)かな。」

・スタンス(幸せに対する姿勢):「積極的かそうでないかで言うと、積極的だったと思う。」

・アンテナ(幸せに対する感性):「幸せが増えることが嬉しかったし、そういう状況に幸せを感じることが多かった気がする。」

「今はどうでしょう?」と確認した。

・ターゲット(幸せを感じる領域):「前と変わらない気がする。」

・スタンス(幸せに対する姿勢):「積極的かそうでないかで言うと、積極的。変わりない。」

・アンテナ(幸せに対する感性):「あ!ここだ。『増える』じゃなくて、『そのまま』というか『減らない』というか、『変わらない』ことが嬉しいわ、今は。」

「なるほど!だからこの発言?(以下参照)」と聞いてみた。

・「想定どおりに進まないことがとても苦痛になるようにもなりました。」

・「どちらかというとうまくいかなかったときに余計な仕事や作業が自分に降り掛かってくるのを未然に防いでいる感覚が強いかもしれません。」

・「プロジェクトを予定どおりに進められた、年度初めの予算をきちっと消化できた、今日一日のタスクを終えられた、こんなときにふと幸せな日(時間)だったなって思ったりします。」

Gさん、完全笑顔で「そうそう!」と(笑)転職を通じ、立場・考え方が変わることで、アンテナ(幸せに対する感性)が変化していた。これでお互いスッキリした。幸せのカタチは変化する場合がある。

そして、その変化は、ターゲット・スタンス・アンテナに分けて考えることで、しっかり掴めるようになるのかもしれない。少なくとも今回は、上手く掴むことができた。

いい意味で考えさせられる一幕だった。

そしてジャンプボードの完成へ?

「スッキリしたし、変化が掴めて面白かったです!」とGさん。

それに対して「ですね!」と返答する一方で、僕はまさに点が線になる感覚の中にいた。洞察が進む。言葉が自然と出てくる。

「ということは、Gさんは、現在のご自身のアンテナを意識しながら仕事・日常に戻ると、幸せを感じやすくなりそうですよね。」

「そう思うし、そうしたいと思っていた。」とGさん。

「Gさんの幸せは、今回一緒に考えてみた『ターゲット・スタンス・アンテナ』の視点を通すことで、そのカタチが見えてくる、掴みやすくなる。つまり自己理解が深まる。結果、セルフマネジメントに繋がる。」

「なるほど!実際、今回の件で自己理解が深まりました。それをベースにセルフマネジメントか。有りですね!少なくとも私はやってみたい。」とGさん。

「マネジメントと言われると、マイナス(不安・リスク・ストレス)に関するマネジメントをイメージしてしまうけど、プラス(今回で言えば自身の幸せ)のマネジメントがあってもいいし、あるべきだし、自己理解がベースにあれば、工夫とか慣れとかサポート次第では、幸せのセルフマネジメント、皆ができるようになるかもしれないですね。」

「工夫とか慣れとかサポート次第、ホントそこがポイントになりそうですが、幸せのセルフマネジメントを皆が自律してできる状態って、想像するとなんか良いし、新しい可能性ですね!」とGさん。

「見えたかも!」これがその時の僕の心の声だった。ただし冷静になって考えなければいけない部分も同時に見えていた。

よって時間を使い、これまでのみんなとの対話から得た情報、そこから整理した情報、それらをじっくり精査し、最後、ジャンプボードを完成させたいと思う。いよいよ勝負どころに入ってきた。

次回

・ジャンプボードの完成。
・会社で幸福の話をすることの可能性。

上記2点について触れながら、「そろそろ会社で幸福の話をしよう」シリーズを終えたいと思う。もちろん、最終目標までの道のりはまだまだ続く。そちらに関しては、引き続き何か別のカタチで情報提供できればと考えている。

まだまだ先は長い。でも歩みを止めずに、実りに向かって進みたい。

色んなことがあって、「幸せへの支援を起点に、会社・社員の持続的成長を支えたい。」と考えるようになったあの日、あの覚悟を忘れずに。

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