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夏目漱石『夢十夜』感想文の目次

夏目漱石『夢十夜』感想文の目次

夏目漱石『夢十夜』に関する記事が多くなってきた。
よって、目次を作成することにした。

『夢十夜』全体に関する記事📖夏目漱石『夢十夜』読書メモ
📖夏目漱石『夢十夜』感想文のあとがき

『夢十夜』第一夜~第十夜の個別記事📖夏目漱石『夢十夜』第一夜
📖夏目漱石『夢十夜』第二夜
📖夏目漱石『夢十夜』第三夜
📖夏目漱石『夢十夜』第四夜
📖夏目漱石『夢十夜』第五夜
📖夏目漱石『夢十夜』第六夜

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📖夏目漱石『夢十夜』第九夜②

📖夏目漱石『夢十夜』第九夜②

前回の記事では、第九夜の全体を3つの部分に区分けした。

そして、①父が出ていった経緯を語ったところで終わった。最初に以前のポイントを整理しておく。文中に記述があるものを「○」、本文から一歩踏み込んだ解釈を「◎」で分けた。

振り返りはここまでにして、早速続きを見ていこう。

②の範囲について律儀な方もいらっしゃるだろうから、②の範囲をはっきりとさせておく。なお、これは記事執筆者(水石)自身の定義

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📖夏目漱石『夢十夜』第三夜

📖夏目漱石『夢十夜』第三夜

第三夜は盲目の青坊主を背負う話である。語り手にとっては気味が悪くて仕方ない。語り手は青坊主を背負ったまま、森の中を歩いていく。森の闇の中、ある杉の木の方へと歩いていく。石標は赤い字で行き先を示している。第三夜は『夢十夜』でも屈指の怖さを誇るのではないか。

なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。表には左り日ヶ窪、右堀田原とある。闇だのに赤い字が明らかに見えた。赤い字は井守の腹のような色であ

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📖夏目漱石『夢十夜』第二夜

📖夏目漱石『夢十夜』第二夜

今日は夏目漱石『夢十夜』第二夜を読んでいきたい。第一夜はまことに幻想的な物語であった。地球ともつかぬ場所で百合の花に接吻する男の話が展開されていた。第二夜では打って変わって、江戸後期の禅寺が舞台となっている。

 襖の画は蕪村の筆である。黒い柳を濃く薄く、遠近とかいて、寒そうな漁夫が笠を傾けて土手の上を通る。床には海中文殊の軸が懸かっている。焚き残した線香が暗い方でいまだに臭っている。広い寺だから

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