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【ヒモ男シリーズ】ヒモ男の温泉旅行

前話「ヒモ男の災難」

 俺はコンパスヒモ。今日はバリキャリのエフ子に誘われて、デカ美とプチ夫というエフ子の友達カップルとのダブル1泊温泉旅行だぜ。特定の彼氏はいらないが、人並みにダブルデートをしてみたいというエフ子の望みで、俺は彼氏の振りをするんだぜ。俺の分の旅費は全てエフ子持ちだから、気楽なもんだぜ。
 プチ夫の車で温泉宿へやって来たぜ。東京を出るまでにやたらと渋滞していたから、着いたのはすでに夕方だぜ。テーブルのある部屋の隣室には、すでに布団が4つ並べて敷いてあるぜ。

「お食事まで、温泉でも……今なら混浴風呂も空いてますよ。良かったら順番にどうぞ。ひと組30分です」

 和服姿の中年の仲居がそう言ったので、デカ美とプチ男が先に入ることになったぜ。ふたりが部屋を出るなり、エフ子が俺を布団に誘ったぜ。

「今のうちよ」

 いつもはホテルのベッドだが、布団だと雰囲気が違って、エフ子も興奮気味だぜ。そそくさとひと試合終えたぜ。
 デカ美とプチ夫が戻ってきて、入れ替わりで混浴風呂へ向かったぜ。入り口付近ですれ違った男の従業員を呼び止めて、中で酒は飲めるか聞いてみたぜ。

「遠慮していただいています。へべれけになると危ないのと、なにせ混浴なもので、アルコールが入ると、なかなか出てこないお客さんもいますので……」

とかなんとか、赤い頬をつやつやさせながら、照れ臭そうに説明したぜ。
 エフ子と並んでしばらく湯につかっていると、エフ子は正面から俺に抱きつき、唇を重ねてきたぜ。洗い場に上がって、後ろから突いて2戦目だぜ。終わるとエフ子はくてっとその場に身を横たえていたぜ。

「時間だよ」

 俺が促すと、エフ子は気だるそうに体を起こして、数秒湯につかってから出たぜ。
 部屋に戻ると、デカ美とプチ夫が浴衣を直しながら布団の部屋から出てきたぜ。皆やることは一緒だぜ。
 部屋での食事を終えて、男女別の湯につかり、卓球やらカラオケやら、ひと通り楽しんだあとに、部屋に戻って、持ち込んだ酒とつまみで宴だぜ。俺とプチ夫はぐでんぐでんに酔っ払って、女たちよりも先に布団でぐーすか眠ったぜ。
 ふと目を覚ますと、浴衣のはだけた女ふたりが、俺の隣の布団で乳繰り合っているぜ。エフ子が俺に気がついて、上に覆いかぶさって来たぜ。

「なんで寝ちゃうのよ、役立たず。私とデカ美を満足させなさい」

 こんな夢もあるんだなと、妙な昂ぶりを覚えて、すぐに体が反応したぜ。

「まずはデカ美よ。あんたはフィニッシュしないで」

 言われるがままに、上に乗ってきたデカ美の中に入ったぜ。体の大きさに比例して、筒も長いような気がするぜ。きっと俺の息子は暗闇でさまよっているぜ。でも、これは夢だから、そう思い込んでるだけかも知れねえぜ。俺がうつらつうらしている間に、デカ美は自分で動いてさっさと終わらせたぜ。次はエフ子だぜ。エフ子はピル飲んでるんだもんな……楽でいいよな……なんて夢の中でもいつもと同じように思っていたら、自分でも気がつかないうちにことが済んでたぜ。
 またふと目が覚めて横を見やると、今度はプチ夫の上にデカ美が乗っているぜ。降りてきたまぶたをこじ開けると、次はエフ子がプチ夫の上で声を上げてるぜ。エフ子相手にしても、プチ夫は小せえんだな……なんて夢の中で思っていたら、深い眠りに移行したようだぜ。
 障子越しの朝日に気持ちよく起こされたぜ。浴衣姿のエフ子が、俺を片腕と片足で抱いてすやすや寝てるぜ。エフ子の目覚めまで、俺もそのまままどろむぜ。
 皆で寝坊して、朝食の時間にぎりぎり間に合わせたあとは、また混浴風呂で一戦交えたぜ。おそらくデカ美とプチ夫も同じだぜ。
 旅館を出て、ひと通り観光スポットを巡ってから、まだ宵のうちに東京に舞い戻ったぜ。皆明日から仕事だから、早めのご帰還だぜ。エフ子と一緒に駅で車から降り、デカ美とプチ夫におさらばしたぜ。車が離れて行くと、エフ子は俺をにらんできたぜ。

「ちょっと、ヒモ男、あんたデカ美相手の方が気持ちよさそうにしてなかった?」

「は? 何のこと?」

「順番にやったじゃない、夜中」

「え……? マジか、覚えてねえんだけど……」

「ちょっと、信じられない! おしおきしてやる」

 エフ子に路地裏のホテルに強制連行され、しこたま絞り取られたぜ。毎度毎度、女の絶倫っぷりには恐れ入るぜ。

(了)

エフ子が出てくる話
第18話『ジゴ郎の試練』

次話「ヒモ男とティーン姉妹」

第1話「ヒモ男のラブラブラブホテル」

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