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やる気の心理学〜やる気が出ない、5つの理由〜

理学療法士として働いていると、常に自己研鑽することを求められます。

職場での研修参加が義務付けられている所もあるでしょう。
「外部研修に参加すること」が無言の圧力となっている施設もあるでしょう。

もちろん勤めている施設によると思いますが…

自分が患者の立場になったとして、
卒業以降全く勉強してこなかったセラピストに担当してもらいたい、と思う人はいません。

でも、身銭を切って勉強を続けられる人は決して多くない。
時間だって限りがあります。
家族ができれば、勉強の優先順位はどうしたって下がります。

そもそも、やる気が出ない。

そんな時ってありますよね…

というわけで、
今回はやる気が出ない理由を心理学的に考えてみたいと思います。


①現状維持バイアスに陥っている


人間には誰しも「現状を維持したい」という欲求があります。

「コンフォートゾーンから出たくない」
「快適なところに留まっていたい」

という欲求のことです。

新しいことを学ぼうとしたり、
今までと違う職場に転職する事に抵抗を感じる理由がこれです。

これは誰もが持っている認知バイアスの一つで、「現状維持バイアス」と言われています。

【解決策】

「抵抗を感じる方向へ進め。そうすれば成長がある」

今までやったことがないものにチャレンジする時、抵抗を感じるのは誰でも同じ。
そこを乗り越えた人だけが成長することができます。

少なくとも、今までと違う事をすれば、今までと異なる変化が生まれます。
それが良いものか悪いものかは別にして、とりあえずやってみる。

そうした思い切りが必要なのかもしれません。

行動するかしないか迷った時は、
「10年後の自分は、この決断を喜ぶだろうか?」

と自分に問いかけてみてください。

②どんな時に喜びを感じるのか分かっていない


今日一日を振り返って、自分が「よろこび」を感じた出来事を挙げてください。

と言われて、すぐに思いつきますか?

リハビリ職として働く中で、どんな時によろこびを感じるでしょうか?

これは人によって答えが異なるはずです。
患者さんとのコミュニケーションが好きな人もいれば、自分の徒手療法で効果が出た時に達成感を感じる人もいます。

前者であれば、
コミュニケーションに比重を置いた働き方にすればやる気が上がる…かもしれません。
COPMやGASといった目標設定の方法について勉強してみるのも良いでしょう。

後者であれば一緒に実技練習できる同僚を作って切磋琢磨すれば向上心が芽生える…かもしれません。
特定の疾患や症状に対して効果が高い治療手技から勉強してみるのも良いでしょう。

【解決策】

人生は結局、楽しんだもん勝ちです。
自分が何に喜びを感じるのかを明確にするために、ここ1週間、1ヶ月を振り返ってみるのはどうでしょうか。

③エネルギー不足


僕のように内向性の人にとって、周囲に人がいるという環境そのものがストレス源になることがあります。
つまり、職場にいるだけで無意識のうちにエネルギーを消費しているわけです。

反対に人と接するのが好きな外向性の人は、
訪問リハビリのように一人行動が多い働き方をしているとエネルギーを補充することができません。

開放性(好奇心のこと)が高い人にとって、学ぶものがない環境に身を置かれると退屈でやる気は出ないでしょう。

神経症傾向が高い人にとって、急性期病院のような病状変化の著しい環境はストレスになりやすいでしょう。

【解決策】

自分はどのような出来事でエネルギーを消費しやすいか?

それを自身のパーソナリティを軸に考えてみましょう。

そして、
見つかった要素を少なくすることはできないか考えてみてください。

✅パーソナリティの測定方法は↓

リフレッシュ期間を意図的にスケジュールに入れておくのも有効です。
また、エネルギーを補充する方法は時間別に複数持っておくことが大切です。

・1分のリフレッシュ→深呼吸する
・5分のリフレッシュ→好きな曲を聴く
・30分のリフレッシュ→好きなアニメを見る
・2時間のリフレッシュ→映画を見る
・半日のリフレッシュ→買い物と外食をする

④目的の欠如


自分の働く目的は何でしょう。
お金を稼ぐことと、リハビリ職を続けること、どちらの比重が大きいでしょう。

今の給料と全く同じ額が毎月銀行口座に振り込まれるとして、それでも今の職業を続けたいと思うでしょうか?

思うとしたら、それはなぜ?

【解決策】

目的地のないマラソンを完走できる人はいません。

自分が働く上で目指すべき目的地はどこなのか?
それを明確するための問いを自分に投げてみるのはどうでしょう。

家族を養うだけの給金を得ることが目的で、PTとして働くことはそのための手段に過ぎない。
そう割り切っている人が、休日を犠牲にして勉強会に出る意欲に乏しいのは当然です。

そしてそういう人は、得てして悩んだりはしません。

「やる気が出ない」と悩んでいる人は、
心の底では「やらなくてはならない」と思っている人です。

なぜそう思うのか?
自分が目指すべき目的地を設定して、そこに辿り着くための道のりを言語化することから始めてみるのはどうでしょう。

⑤マインドフルの欠如


人は、何かに対して没頭している時に幸福を感じます。
その対象は何でも良いんです。

プラモデルでも、ライブ鑑賞でも、撮り鉄でも。
そこにあるのは、特定の物に向けられた類まれな集中力です。

研修会やセミナーに参加して充実感を覚える理由は何か。
それは、
対面受講では否応なしに勉強に集中させられるからです。そうした環境が整っているからです。

オンラインセミナーでは達成感が得られにくいですが、
それは周囲に集中を乱すものが溢れているからです。

集中力を乱す要因は沢山あります。
その中で影響力が大きいものは次の3つです。

☑️睡眠不足
どんなにやる気があっても、睡眠不足では集中力が続きません。

☑️デジタル
人の集中力はスマホが視界に入っているだけで低下すると言われています。
SNSの新規通知、魅力的なアプリの数々も注意を逸らす大きな要因です。

☑️環境
受験勉強の時に図書館に行くように、人は周囲の環境から大きく影響を受けます。

【解決策】

✅自分にとって最適な睡眠時間を知りましょう。
ショートスリーパーと呼ばれる人は、人類のほんの数%しかいません。大多数の人が7時間前後の睡眠時間が必要だと言われています。
「睡眠時間を優先する日」を週に数日設定するのもおすすめです。

✅デジタルデトックスを実践しましょう。
メールやLINE、SNSをチェックする回数を決めて、それ以外の時間では見ないようにするのが有効です。
何かに没頭したい時は、デジタル機器を機内モードにして隣の部屋に置いてきてしまいましょう。

✅家から出ましょう。
やらなければいけない、やった方が良いことがあるなら、そのために必要な道具だけを持ってカフェに行きましょう。
人は選択肢が多いと迷います。迷いは集中力の大敵です。
「これしかできない」という環境に自分を追い込むために、持っていく参考書は1冊だけに絞りましょう。

まとめ

やる気が出ないのには理由があります。
その理由を深掘りして対策を立てることで、少しでも前向きに毎日を過ごすことができる…かもしれません。

I don't wait for moods.
You accomplish nothing if you do that.
Your mind must know it has got to get down to work.

(私は気持ちが乗ってくるのを待ったりはしない
そんなことをしていては、あなたは何も成し遂げられない
とにかく仕事に取りかかるということを知らなければならない)

パール・バック(アメリカの女性小説家・ノーベル賞受賞者)

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