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『マリリン・モンロー 瞳の中の秘密』(ドキュメンタリー映画)

視聴環境:U-NEXT

【内容】
マリリン・モンローの生涯を、何人もの俳優の朗読を交えてまとめたドキュメンタリー映画。

【感想】
マリリンについては薄らとは知っていましたが、これまでのマリリンの像とは違った新たな描き方がなされたドキュメンタリーでした。

この間、ラジオでやっていたマリリン・モンローの特集で紹介していたので、気になって観てみたのですが…
当時としては異例に新しいことをやった人なんですね。
俳優もして売れっ子なのに、演技の勉強のために、仕事を断って俳優の勉強を始めるとか…
スタジオから独立して出演する映画の脚本家や監督を決定する権利を獲得する…

今のハリウッド俳優なら、当たり前とも言えるキャリアの築き方を始めてやった物凄く現代的な女性だったんですね。
映画業界が今の日本のような酷い状況の中で、プロデューサーや監督などと夜を共にしながらも、着実に意思を持ってキャリアを築いていったひとだったのだなあと…


なんなら、よく知るマリリンの容姿や喋り方は、マリリンが意図的に作り上げたものであるというのなのだそうです。
黒い髪を金髪に染め、整形もしたというだけではなく、モンローウォークと呼ばれる独自の歩き方は、マリリン自身が解剖学などの本を読んで研究して開発した独自の歩き方だったと言うこと。
友人と街を普通に歩いていても気付かれなかったのに、マリリンが「これからにマリリン・モンローになる」といってモンローウォークを始めると、途端に街中の人が注目を始め、パニック状態になったとか…


本人の意図とは違る酷い状況に追い込まれるというもの、観ていて痛々しいと感じました。

マリリンが俳優として一人前になるために仕事を休んで俳優学校で勉強し、そのことで俳優として認められることになるが…
出演映画でも、その学校の先生の演技指導ややり方を行おうとするとで、映画監督などとほ関係が悪化して、マリリンが気難しい俳優であると言われるようになってしまったり…

本人の了承もなしに以前撮影したヌード写真が、一般に公開されてしまうとか…
(しかし、それを堂々と認めることで、世間ではセックスシンボルとなりつつも、俳優としても人気者となっていくきっかけとなるのですが…)

マリリンと付き合っていた劇作家のアーサー・ミラーは、当時のアメリカでの赤狩りの追求を交わすために、マリリンの了承もなしに、マリリンと結婚することを発表…
事後承認の形で結婚するとか…


色んなことが、児童養護施設にもいた辛い幼年時代から、心の弱い部分があり、そのことが後の人生に混乱と苦悩をもたらすことになるのだなあということがよくわかる構成になっていました。


映画の最後の方に、マリリンが亡くなる前に撮った自然な表情の写真が沢山映し出されるのですが…
36歳で亡くならなければ、こんな自然で透明感のある愛らしい表情を切り取った映画が観れたのかもしれないなあなんてことを、夢想したりもしました。
彼女が出演した映画には、彼女の魅力のほんの一部しか表現されていなかったのではないか…


1時間半ほどの短い映画でしたが、これからも度々思い出し、それについて考えることになるんだろうなあと思える作品でした。

https://eiga.com/movie/78047/

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