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「強さ」の正体


「強い」という言葉を今まで何の疑問も持たずに使ってきたけど、一体なんなのだろう。

ここ数日は、そんなストイックな武道家のような悩みに、頭を抱えていましたが、少しその答えを見出す事ができたので、今回は「人としての強さ」についてお話させていただきます。



僕が今まで出会ってきた「強い人」は、決まってみんな心の優しい人たちです。

もちろん、優しい人がみんな強いわけではないけど、強い人はみんな優しい。



そこには、「恐れ」の有無も関係しているようです。

優しいけど今はまだ強くはない人は、心に「恐れ」をはらんでいる。

でも強く優しい人には、「恐れ」がない。

でもきっと、過去にとてつもない「恐れ」を体験した事は感じ取れます。

そして恐らくは、その恐れに負けた経験がある。



恐れと戦い、勝ったとしても、「恐れ」を支配下に置く事ができるだけです。

檻の中に閉じ込める事ができただけで、心の中からは消滅していません。
檻の中で暴れる「恐れ」の叫びを、必死に聞かないようにするために、さらにそこから目と耳をそむけようとしてしまいます。

そうやって自分の本心を”虚栄”で上塗りをし、”敵対心”で人を寄せ付けないようにする。



でも、「人としての強さ」を持っている人は、過去に、自分ではどうにもできないほどの強い恐れと対峙し、打ちのめされた経験がある。

「恐れ」を丸裸にされた経験があります。

しかし「恐れ」とは、裏を返せば「ごく個人的な願望」でもあります。

そんな誰とも共有できないし、する必要もない「個人的な願望」と向き合い、受け入れざるを得ない状況を経ているのでしょう。

さながら「弱さを経た強さ」といった表現がしっくりきます。

その心の中にはいるのは、「恐れ」ではなく「以前は恐れだったもの」です。



今までなんとなく、「強さ」とは、”剛”や”熱”といったイメージを持っていました。

でも、「人間的に強い人」からは、”剛”や”熱”のイメージとは真逆の雰囲気さえ感じ取れるのです。

柔らかく、穏やかで、深く、安心感がある。

でも、頼ろうとすると、だいたいスルリとかわされる。

受けてもらったとしても、なぜかこちらが勝手にプレッシャーを感じてしまう。

相手は何も言っていないのに、まるで自分の後ろめたい心を見透かされているように感じるのです。



僕のnoteではこれまで何度か「徳」について取り上げてきました。

僕が「徳のある人」と思う人とは、

「心理・考え方」「倫理・社会・対人」「お金・技術」のそれぞれの真理を理解し、体現している。
そのそれぞれ知恵を自分以外の人にも提供する人。

だと思っています。


まさに「強い人」=「徳のある人」でもあります。


強い人は、その分野で、”深い闇”と”まばゆい光”の両端を経験しています。
そして、また真ん中に戻ってきました。

だから、両端を同じバランスで見る事ができる。

”真ん中”が一番安心できる場所だと、知る事ができたんだと思います。

川にかかる橋の際を渡ろうとすれば、身体は緊張します。
真ん中であれば安全ですよね。



人によって、光と闇を経験する分野は違います。
でも、その極端な両端を経験した分野については、誰よりも深く理解できるようになります。

だからこそ、その分野で悩んでいる人や打ちのめされている人たちを導く事ができるようになるのです。

その人の「使命」と言っても良い部分でしょう。



人は様々な旅をします。
日本の旅、世界の旅、心の旅、人間関係の旅、お金の旅。

あっちに行っては笑ったり、こっちに来ては怒ったり、向こうに行っては悲しんだり。

どこを旅するかは、人によって違います。

だから本当の意味では、誰もあなたの事をマネする事はできないし、あなたも誰かの事を完全にマネする事はできません。

でも、あなたが迷いながらも旅をしてきた経験は、他の誰かにとっては、大きな安心になります。

新たな一歩を踏み出そうとしている人の勇気になるし、泥沼にはまっている人がはい上がるためのエネルギーになります。

そうやって導いてくれた人が、肩肘を張らず、自由で、ラフで、優しく、自然体な「強い人」ほど、多くの人が「自分も自由でいいんだ」と気づく事ができます。


自分の”あり方”はその人の自由です。

でも、自由だからこそ、相手を咎めたり、自分の正論の型に嵌めようとするのではなく、”自立を促しながらも、相手の人生のタイミングを尊重する”というコミュニケーションが大切になると思っています。

多くの人(僕も含め)は「強い人間」になる旅の途中にいます。

心に恐れや弱さを持っています。

でも、その恐れを他人に補ってもらうのではなく、自分で補う事で”自立”できるようになります。

自分が自分に対して「強い人」として接し続ける事で、そのうち心の中に「強さ」を垣間みることができるようになるでしょう。


ぜひ、「強く優しい人」であってください。

今すぐには”体現”できなくとも、「心で意識する事」はたった今からできます。

今日も素敵な人生をお過ごしください。


鈴木天尋



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