ああ、これが地平線っていうのか、 と息をするのを忘れてしまっていた。 それほど忘れられない 綺麗な夜だった。 「ねぇ、明日海の方まで散歩してみない?笑」 「悪くないな、行ってみようか。笑」 冗談と面白さが競り合って 面白さが圧勝。 歩くには面倒な距離だけど たまには歩いてみるのもいいか、って 「暑いよ。電車乗らない?」 「えーここまできたのに乗るの?」 「わかるの。乗るのやめよ」 こんなやりとり、海に着くまでに五回はした。 なんだかんだ文句を投げ合いながら 着いた
こんなにも透き通っていて、感情が呼び起こされるような物語は久しぶりに出会った。 みるもの全てが美しくて、 苦しくなってしまう。 どうしてなのか卑屈な自分が出てきてしまう。 きっとこんなにも綺麗だと思えるものに 触れる機会が 綺麗なものを綺麗だと素直に思えることが 大人になるにつれてできなくなってきているんだと、そう思った。 今の自分が過ごしているこの時間が この選択をしてよかったのかと この先の未来の希望という光が ほんのちっぽけに見えてしまって、 漠然とした未来への
朝から晩まで働いて へとへとな身体でスーパーに寄って買ってみたロングの缶ビールは格別です。 この事実を知れるのは 今日頑張った自分だけ インスタグラムとかビーリアルとか そんなものには目もくれず 自分の大好きな曲を聴きながら 少し暗めの電球色の小さなライトをつけて 部屋着でのむ缶ビール 想像するだけで、素敵でしょう? この時間を過ごすコツは 明日の仕事これで頑張れるって思わないこと。 明日の準備は済ませておくこと。 お風呂にはあえて入らずお家に入ったらすぐに部屋着
夜中の3時。 あまりにも静かすぎて、別世界にいるように感じてしまう。 換気しようと軽く指一本ぶんくらい。 窓を開けてみた 近くの高速道路を走るクルマの音 静かすぎる故に聞こえてくる風の音 目の前の山の夏の準備をし始めた 虫たちの囀り。 普段ならきにならない 気にも留めない僅かな音を わたしの耳が掴んで離さない。 少し不気味で けど何故か少し心地よくて こんな時間は、わたししか起きてないだろうと勘違いさせる。 明日も仕事だから早く寝ないといけないのに… なんて思い
朝、目をつぶって スーッと息を吸って ふーっと息を吐いてみる ゆっくりとまぶたを開けると 柔らかい日差しと、まだ少し冷えた空気の混じった生暖かい風が吹く。 「もうそろそろおきてみたら?」 と窓から微笑みながら話しかけられた気がして 「まだ眠たいんだけどなぁ」 なんて言葉をこぼしながら目を擦る。 そんな君をいつまでも横で見ていたい なんて柔らかくて 暖かくて 時間を忘れる空間なんだろうと ぽやーっと考えていた 目をこすりながらボソボソっと 「おはよう」 と言う君
真っ赤なニットを着た私と 檸檬色の柔らかそうなシャツを着たあなた。 久しぶりに会ったのに全然そんな気はしなくて 「よお、久しぶりやん。」 「んね、久々。」 「今日はカフェオレにしちゃった。」 「うわぁ、私もカフェオレにしようかな。 ほな買ってくる。」 つい気の抜けてしまう会話 昨日か一昨日に急に会おうと決めて 最近は連絡していなかったのに 突然の連絡で、素晴らしい連絡のタイミング 予知していたのかというくらい 気持ちのいいタイミングでいつも連絡がくる おそらく占い
ふと思い出す 夏の暑い日、 射的とストラックアウトでとった その日限りのはしゃぎと楽しみをくれるくだらないおもちゃとか 台風のあの日に お兄ちゃんと毛布を使って秘密基地ごっこした時に、温い洞窟をつくって、 「ここにライトを置いて、入り口はこっちにしよ う。」 「あとさあとさ、このライトの下でDSしようよ! ママにバレないように。」 「そうだな!お前、静かに持ってこいよ?」 「わかってるよ」 こんな会話、あの頃にしかできない。 久しぶりに全力で友達とスポーツ勝負し
こんなもん。世の中ってこんなもんでしょ。 こんなふうに言い聞かせてないと今にも壊れてしまいそうで。 心の何かをこんなつぎはぎの言葉で応急処置している。 「ねえ、最近どう?」 同い年の学生から紙飛行機くらい軽く鋭く飛んできたこの言葉にドキッとする。 「いやーどうなんだろうね笑 別に辛くはないんだけどね、なんかね」 「えー何それ笑 まあ色々あるか〜」 なんて軽く流されたりして。 まだ2週間しか働いていないけど いろんな粗が見えてきて、どう対処したらいいかわからなくて思わ
4月中旬 まだ桜が残っていて、散りきらない頃 朝、換気をしようと ぐわっと一気に大きな窓を開けたとき 春の匂いに混じって夏の香りが少しした。 天気は晴れ。 お天気お姉さんも気持ちよさそうに 「洗濯物はカラッと干せますよ」 と明るく話している。 こんなに天気がいいと 良いことが起きそうなもんだな。と 心の中で呟く。 今日も仕事なんだけどね。 顔を洗ってコーヒーとヨーグルトを準備しながら机に向かい音楽を流す。 少し良い気分になりながら いつもとは少し違うジャズポップと
『今日暇してる?』 そんな連絡が来ないかなぁって 淡い期待を抱きながらバスに揺られていた。 仕事終わりの19時48分。 誘うには少し躊躇ってしまう時間。 明日から休みだから遊びたいなぁって けど、誘うのはちょっと… ピロンっ スマホの通知がなり、ふと目線を落とすと 明日の天気予報だった。 なんだよ。期待しちゃっただろ。 ここまできたらどうにかして誰かと遊びたい。 久々に飲み明かして狂ってしまいたい。 ついこないだまで仲間たちと楽しい夜を舞い踊っていたのに。 意
幼い頃によく母に言われました。 「言葉には想いが詰まっていて、 言霊が宿っているんだよ。 だから自分の話す言葉は 優しい言葉でなければいけないよ。」と。 小さい私にはよくわからなくて ママ、何言ってるんだろうなぁって思ってました。 スピリチュアルな話? 魂ってなに? 難しいこと言わないでよって ここ最近、大人になって 自然とその言葉を思い出すようになりました。 ああ、自分が言った言葉は 返ってくるんだ。 ひどいことも。うれしいことも。 素敵な言葉を纏い、
気づいたら泣いていた。 一缶ビールをのんだからなのか 寂しい気持ちになってみたかっただけなのか 止まらないんじゃなくて 止めたくなくて 疲れた心が癒やされていくような 流されていくこの感覚が 少し気持ちがいい。 たくさん泣いて 1人で泣いて きっともっと自分より辛い人だっているんだろうけど 今は 今だけは、自分の気持ちに寄り添ってあげないと きっと壊れてしまうから 自分と同い年の友達が 毎日楽しそうに遊んでいて つらい、とか かなしいつかれた、とか 何言っ
今日もまた夜のシャッターが降りる。 毎日大切に過ごそうと心に決めてるのに。 ちょびっと忘れっぽいところがあるからさ、 わたし けどね、決めてるの。 好きなことをして生きていくこと。 心躍る方に迷わず駆け出すこと。 弱気の悪魔に惑わされすぎないこと。 少しなら、いいけどネ 「ねえ、この道本当にあってる?」 「んー、行ってみなきゃわかんないよ。」 「そりゃそうなんだけどさ。なんか前見えないよ?」 「右も左もそんなもんでしょ。」 これいつもこれです。 みんなもこんな感じ
先生が教えてくれた どっかのテレビの有名な人も言ってた 人のことを気にしちゃダメ だれかのことを気にしなくていいのよ。 なんて言うけど 気にしないし比較しないなんて できるわけなくてね。 けどたまにできる気がして、 その時はできているんだろうけど すぐにその時の感覚をわすれてしまう。 比較しないで過ごせたその日は 一年のうちのどんな日よりもなんだか 幸せで そう。 これがアンミカさんのマインド
幸せな夢をみた。 とっても幸せだったはずなんだけど おもいだせなくて。 もどかしく、なんだか切なくて。 ステキな夢を見た。 死ぬほど理想のイケメンとの ディズニーデートで ポップコーンの味を決めるために 本気でじゃんけんしてみたり、 最近マイブームの和食をたらふく食べて お腹壊してみたり、 まだ冬が行きたくないと 駄々をこねるように寒い夜に 誰もいない見晴らしのいい公園で イキってタバコを吸ってむせてみたり、 とにかくなんだかエモーショナル。 そんな日常のちょっ
今日もアラームが聞こえなくて 二度寝なのか三度寝なのかわからないけど 起きたら10時48分だった。 毎日まくらに願ってるのに。 「明日は7時半に起きれますように。」 別に起きて何かするわけではないけど。 少し早く起きた時はなにか違う気がして。 低気圧に頭がやられてない朝に食べる朝ごはんは なぜか一日のやる気が、いつもよりも五倍くらいになってる気がして。 顔を洗って化粧水をつけて いつもと同じように鏡の前に座ると 「お?今日浮腫んでなくて目がアーモンドみたい!」な、気が