初夏の顔出し
4月中旬
まだ桜が残っていて、散りきらない頃
朝、換気をしようと
ぐわっと一気に大きな窓を開けたとき
春の匂いに混じって夏の香りが少しした。
天気は晴れ。
お天気お姉さんも気持ちよさそうに
「洗濯物はカラッと干せますよ」
と明るく話している。
こんなに天気がいいと
良いことが起きそうなもんだな。と
心の中で呟く。
今日も仕事なんだけどね。
顔を洗ってコーヒーとヨーグルトを準備しながら机に向かい音楽を流す。
少し良い気分になりながら
いつもとは少し違うジャズポップとか流してみる。
夏が近づいてきている感じがして
無性にワクワクする
早く来ないかな、夏。
どうせ暑くなったらなったで、やっぱ冬の方が好きだわ、とか言い出すんだけど。
そんなこと思いながら桜を眺めていた。
桜はえらくて少し寂しい。
飽きられる前に自分から居なくなるのだから。
それだからとても美しい。
だからこそ、美しい。
また今年も春の匂いに混じった
あの初夏の香りを思い出す。
全世界の生き物という生き物が活気にあふれている、あの暑苦しい夏。
ああ、我慢できずに夏が走って来ないかな
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