つぎはぎだらけのかっこいい女

こんなもん。世の中ってこんなもんでしょ。

こんなふうに言い聞かせてないと今にも壊れてしまいそうで。
心の何かをこんなつぎはぎの言葉で応急処置している。

「ねえ、最近どう?」
同い年の学生から紙飛行機くらい軽く鋭く飛んできたこの言葉にドキッとする。
「いやーどうなんだろうね笑
 別に辛くはないんだけどね、なんかね」
「えー何それ笑
 まあ色々あるか〜」
なんて軽く流されたりして。

まだ2週間しか働いていないけど
いろんな粗が見えてきて、どう対処したらいいかわからなくて思わず傷つく。

「あれ?私疲れてたのかなぁ
 気づいたら寝てた。もう夜中の3時か。
 お風呂入らなくちゃ」

足に鉛がついているようで

わたしは罪でも犯したのか?
というほど両足が重たくて上がらない。

ふと考える。
あれ?こんなに私って弱かったっけ?
こんな時間のせいだ。普段の私じゃない。
わかっている。わかっているのよ、けどさ

別にかっこいい女じゃないからさ 
たまに負けたりはするけども

自分の鎧が少しづつ剥がれていることに気づかないくらい必死に過ごしていたのだということに
気づいてしまった。

ああ、大変。止まらない。
心の蛇口とゆるまってしまったネジが閉まらない。

この蛇口の閉め方はきっと自分しか知らなくて

落としてしまったネジはまたどこかで新しいネジと交換する。

その時にはもっと強い武器と鎧を手に入れているはずなの。かっこいいヤツね。

「あー!私人生楽しいっ!」
なんて、愉快なことを口ずさむ幼馴染。
「ふふ、愉快なヤツだな」
「こんなステキなこと、ツキが回ってきたな」

こんな会話を、できるならずっとしていたい。
不毛でステキで私の栄養となる
こんな会話


気づいたら元気が少し出ていて
ゆるまっていたネジが堪えている。
さあ、今のうちにできることはやっておこう


大丈夫。つぎはぎだらけのほうが
わたしのこと、見つけやすいでしょう?

カラフルに可愛く彩るから
ちゃんと、見つけてよね

全てが剥がれて無くなる前に

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