男性よりも先に、そもそも女性は産休・育休を取れているのか?

「女性の育児休業取得率は80.2%」という厚労省のデータがある。
だが、私はこのデータに違和感を覚える。
公務員だったり、大企業の従業員ならまだしも、
中小企業の女性従業員は普通に取得できているのだろうか。
違和感を覚えた理由を、私の体験から語りたい。



違和感を覚えた理由①

私は電車通勤をしている。
毎日満員電車に乗るのだが、たまに見かける。
妊婦の方を。しかもお腹がパツパツ。
服装を見ると、スーツ姿の方もいて、通勤中だと推測できる。
ぎゅうぎゅう詰めの中、お腹が圧迫されないかとか、
急ブレーキで転んだりしないかとか、
他人ながら冷や冷やものだ。
本人には仕事を休めない理由があるのだろう。
産休も取れなそうなのに、育休なんて、
それ以上に取れないのではいだろうか。


違和感を覚えた理由➁

私が以前勤めていた会社でのこと。
妊娠を機に辞める方々が普通にいた。
無論会社には産休制度も育休制度もある。
だが、彼女達は制度を使わずに辞めていった。

先輩社員(女性)に事情を聞いた。
この会社には建前として制度はあるが、
それを利用することは許されないという暗黙のルールがあるとのこと。
自分が産休で休めば、
人手が足りなくなるため、皆に迷惑がかかる。
だが、自分が辞めれば、
会社は新しい従業員を雇う方向で動くため、
結果的に現場に穴を開けることを防げると考えるのだとか。
知られざる自己犠牲があった。

辞めた女性従業員の中には、辞めたくないのに辞めていった、という人もいたかもしれない。
苦労して就職を勝ち取った人なら、そう思ってもおかしくはない。


違和感を覚えた理由➂

私の従姉(中間管理職)の話だ。
と言っても、産休も育休も取れた。
だが、取得するのに揉めに揉めたとのこと。
しかも揉めた相手は上司や経営陣ではなく、
同じ現場の女性社員達だったという。
ベテラン女性社員達は、
自分は取ったことがないのに不公平だと言い
若手の女性社員達は、
引き継ぎをしようが、従姉が長期離脱すると
現場が回らないと猛反発したという。

同じ女性だからと言って、
必ずしも産休・育休の取得に好意的ではない考えもあるようだ。
結局従姉は休業をフル期間で取得せず、
数ヶ月だけ取得し、さっさと現場に戻った。


最後に

男性に育休を取らせよう、という社会の流れは悪くない。
だが、出産をする当の女性が産休・育休を
満足に取れるようにすることが先な気がする。

そもそも、男性の育休取得を推進するという話自体
女性が産休・育休を十分取れていることを前提にして
進められている気がしてならない。
産休・育休を十分に取れず、
置いてけぼりにされている女性達は確かに存在するのだから。

「いやいやいや!
 女性が産休・育休を取れないなんて話
 あなたの周りでたまたま起こっているだけです!」

ということならごめんなさい。
私の意見は引っ込めます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

#育休から育業へ


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