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2024年3月の記事一覧

世界のベストセラー『幸せなひとりぼっち』は、オーヴェという架空の中年偏屈男のキャラクター設定から始まった。

世界のベストセラー『幸せなひとりぼっち』は、オーヴェという架空の中年偏屈男のキャラクター設定から始まった。

『オットーという男』の原作が『幸せなひとりぼっち』だと知り、読んでみた。

著者は、1981年生まれのフレドリック・バックマン。彼が、偏屈で頑固な中年男のエピソードをオーヴェという架空のキャラクターを創造して人気ブロガーになり、またまたそれを長編小説に仕立てたのがこれ。

成り立ちから興味を惹くじゃありませんか。

訳者あとがきを読んで知ったのだけれど。(笑)

『オットーという男』は、良くできた

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映画『すばらしき世界』は何処に

映画『すばらしき世界』は何処に

先日、昭和の名残がある極楽寺街道(勝手に命名)を通り、気儘に稲村ヶ崎までの散歩を堪能した。気に入った場所では、シャッターを押し記録を残した。潮風が吹いてくる細い路地のような道をくぐると眼前に現れたのは抜けるような青空と輝く海。すばらしき世界があった。

『すばらしき世界』と云えば、三上正男。未来の翼さんの書いたレビューを読んだ。

ヘッダーの写真の光景がまぶたに蘇った。これ三上と一緒の気持ちかも知

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『身分帳』から『すばらしき世界』

『身分帳』から『すばらしき世界』

自分の背丈よりも積みあがった「身分帳」は彼の言わば履歴書。それは他人が書いた矯正施設の管理上必要な事柄の記録。

その三上正夫の「身分帳」を読み解いて、ノンフィクション・ノベルにしたのが佐木隆三。

そして、三上正夫を現代に蘇らせてスクリーンに映し出したのが西川美和。

テレビでは、たちまちコンプライアンスに引っかかって放映できないと思われる人間像=三上正夫。ある意味、結晶した人間像は、リアル。

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『男と女 人生最良の日々』

『男と女 人生最良の日々』

『男と女 人生最良の日々』2019年公開

「最良の日々は、この先の人生に訪れる」というビクトル・ユーゴーの名言からとったタイトルが素敵。

あの「男と女」から53年後。しかも主演のお二人の体調を考えて撮影が10日間だったとは驚き。

ルイ曰く「死は納めなければならない税金だ」
アンヌは「ひとりでいると死ぬのが怖くなる。二人でいると相手が死ぬのが怖くなる」と語る。

自然な流れで、洒落ていて味わい

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トム・ハンクス『オットーという男』からウッディ・アレン『カメレオンマン』

トム・ハンクス『オットーという男』からウッディ・アレン『カメレオンマン』

トム・ハンクス制作主演の映画『オットーという男』を観た。アマゾンからのおすすめ。繰り返し言われると気になるわ。

これが、当たりだった。

衒いが無く、ど直球で心が暖かくなる作品。この手の映画は、時々見たくなる。

ソニー・ピクチャーズの作品紹介は、こんな感じ。

この紹介には、食いつけなかったのだけれど、ジャンルがコメディーだったので、金曜日だし、明るいもの見ようとチョイス。

人生を儚んだ時、

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『タクシー・ドライバー』トラヴィスのこと

『タクシー・ドライバー』トラヴィスのこと

特別展中尊寺金色堂を見に行き、平和を願いながらも滅ぼされてしまった藤原氏一族の栄華とその末路、そして900年後の展示の意味について、もやもや考えてた。

そしたらなんの連想か『タクシードライバー』を思い出したので書き留めておこう。

学生時代に『ミッドナイトエクスプレス』『レイジング・ブル』などと一緒にオールナイトで見たのが初見。それから何度か見ている。ロバート・デ・ニーロを『ディア・ハンター』で

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