売れていないとこんなにも差が出るのか

10月も始まり季節の変わり目を感じるとともに
本当に自分の状況に変わりないので
なんだか生きてて情けなくなってきている程の
現在全くと言っていいほど売れていない芸人が
日々過ごしていく中で
思ったことをつらつら書くだけの糞エッセイ

お気に召さない方はスキとフォローだけして閉じてください。

なんかここまで

「差」って出るんだな

と思った話です。

その日はキングオブコント当日だった

SNSでは誰が審査員を務めるのか、そして誰が優勝するのか賑わっており
久しぶりに日本中が少しお笑い一色になりつつある日だった。

そんな賑わいまくっている日に私はいつものように犯罪者でも出れるようなフリーライブに出演することが決まっていた。

キングオブコントの前座的扱いの番組が行われている昼間から
私はその日の夜のネタのたった２分間に向けて全力を注ぐために公園で練習をして万全の準備を整えた。

そしてエントリーの時間を迎えそうになったのでライブ会場へと足を運んだ

ちょうど夜の19時
最後の審査員が発表される時間に私はライブ会場から少し離れたところで
エントリーが出来る時間になるまで待っていた

するといきなり

ザァーザァーとゲリラ豪雨が降ってきた

当然ながら傘は持っていない上に
傘を改めて買うお金も無いので一瞬にしてビショビショになり

もし仮に私がキングオブコント決勝に進んでいれば
こういうことにならなかったのかなとネガティブスイッチが灯された

それと同時にエントリーの時間を迎えたのでライブ会場に走っていった

エントリーの受付を先頭に長蛇の列が出来ていた
エントリーする場所には屋根があったのだが並んでいる場所には屋根は無く
轟々と降っているゲリラ豪雨に耐えながら自分のエントリーの順番を待った

そして列は進み
自分の順番が回ってきた

ずぶ濡れのポケットから
ずぶ濡れの財布を取り出し
ずぶ濡れの1000円札2枚を差し出し
少しスタッフに嫌そうな顔をされながらもエントリーは完了した

そして雨漏りが絶えない超絶狭い楽屋に押し込まれ
ネタの衣装へと着替えた
着替える最中も他の芸人に肘がぶつかり「すみません」と何度も言った

本当に情けなくなった

もしキングオブコントの決勝に行けていれば
楽屋も広く　当然雨漏りなんてせず　
集中しながら自分のネタと向き合えるはずなのに

そして自分のネタ順番が来て
暗転板付きと言う暗闇でネタの準備をし　合図とともに明かりがついた

本当に情けなくなった

客は3人　全員寝ていた

キングオブコントの決勝に行けていればテレビを通じて
不特定多数の注目を浴び面白いを全力でぶつけれたであろうに

寝ている客に向けて2分間ネタをした
昼間の練習が無駄に感じた
当然ウケないというより反応が無い　
寝ているというよりも死んでいるのではないかという熟睡っぷりだ

偶然にも私が熟睡していた客に向けて披露していたネタの時間は
ちょうど空気階段さんがキングオブコントの最高点をたたき出した
火事のネタを披露していた時間だ

同じ時間にここまでの格差が生まれていいのだろうか

1000万円をかけ最高の舞台で最高のお客さんで
最高のネタを披露している空気階段さん

ずぶ濡れの2,000円を払い最低の舞台でそもそも見る気が無い客の前で
恐らく最底辺ネタを披露している自分

ネタが終わり家に帰るまでの道で泣いてしまった

面白くないとこんなにも差が出るのか
売れていないとこんなにも差が出るのか

その涙を紛らわすかのようにゲリラ豪雨がまた私を直撃した

家に着きキングオブコントの録画を見て
死にたくなった

今日まで私は売れていない、しかし明日はもっと面白い私に出会える、明日は売れる、明日から売れる。