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LA日記6日目〜異世界へ



8/6

人生初の45度を体感

途中休憩で車から降りると、地面から、大気中から、人生で体験したことのない暑さが一瞬で身体を覆った。空気が熱気で満ち満ちに覆われている。砂漠地帯、気温は45度!

日陰でも、「通り抜けるひと筋の涼しい風」というのが全くない。針の穴1ミリ分の清涼もないすさまじい迫力の暑さ。


パームスプリングスの有名なビジターセンターに立ち寄り、地図を買い、センターのおじさんに親切に色々見どころを教えてもらう。

全く知らなかったのだけど、近くにパームスプリングスエアーミュージアムという場所があるとのこと。息子が行きたい!というので向かってみることに。

1965年、建築家アルバート・フレイらによってガソリンスタンドとして作られ、今はビジターセンターとして観光情報を提供している




パームスプリングス•エアーミュージアム

エアーミュージアムとは航空博物館で、そこは第二次世界大戦で実戦に使われた航空機がズラリと並び世界最大級の展示を見学できるという場所だった。

退役軍人の方々がボランティアガイドをされていて、もちろんアメリカサイドからみた大戦の記録が数々の資料と共に展示され説明されていた。

奇しくもこの日は8月6日。

広島出身の私にとっては毎年特別な思いを抱く平和記念日だ。まさか、アメリカの砂漠の真ん中で、この日にこのような場所へ導かれるとは、なんとも不思議な気持ちになる。






ミッドセンチュリーモダン建築

カリフォルニア行きを決めた理由のひとつは、ミッドセンチュリーモダン建築の聖地「パームスプリングス」に行ってみたかったからだ。

いつしか私たち夫婦の共通の生涯プロジェクトは家作りになった。イギリスの家を出来るだけ低コストで改築し(つまり自分たちでやれるとこまでやる)、死ぬ前には理想の家を完成させたい。改築を通してパートナーシップを成長させ、人生を学び、人生を楽しみたい。



20世紀半ばに建てられたパームスプリングスの建築物のその姿は、現在でも街中に残っている。「デザートモダニズム」と呼ばれるミッドセンチュリーモダンスタイルの独特なデザインの建築物。


パームスプリングスの閑静な住宅地は圧巻で、一軒一軒が個性的で、細部までこだわり抜いたデザインがおもしろく、かつ町が全体的に調和を保っている。

いったいどうやって家を見るんだろう?って来る前は思っていたが、車でぐるぐると住宅街を回り家々を見ることができるのだった。おもしろい!


この場所のシーズンは秋や冬だそうで、8月の今は閑散期でほとんど人がいない。そりゃそうだ!45度!笑

しかし、人がいないことで、美しい建物たちがその存在感を最大限に輝かせて、背後に広がる大自然の山の風景と見事に調和していた。





ジョシュアツリーナショナルパーク

車を走らせていると、不思議な植物が現れてきた。ジョシュアツリーだ!小さいものから大きいものまで、この地帯にはたくさんのジョシュアツリーが生育している。

そして大小無数の岩山が赤く乾いた大地に点在している。無限に広がるこの不思議な光景。火星や他の惑星に来たみたい。

ここでもやっぱり人はいない。どうやら私たちの旅は人が行かないようなタイミングと場所を無意識に選んでいるようだ。きっと見るべきものやメッセージがあるのだろう。


カラカラに乾いたこの地では1年に1回雨が降ればいいそうだ。この地の生きているのか死んでいるのかわからないような植物たちは、そのめぐみの雨を吸い、溜め込んで、生き延びていくという。

とても水の惑星といわれる地球とは思えない環境で、自然の苛酷さがある。

まるで異世界に迷い込んだよう。巨人はいるのではないかと思わせる巨石が積み上げられた山や、こんなにも水のない土地でもどこかユーモラスに生きる独自の進化を遂げた植物たち。



大地と宇宙が交信するような、明らかに普通の地球のエネルギーとは違うエアーポケットのような場所。ジョシュアツリーはこの異世界の番人なのかもしれない。


自然は本当におもしろいし、人間は本当にちっぽけだ。宇宙からみたら私たちは蟻一匹ほどでしかないのかもしれない。ならば、世界の大きさに気づいた勇敢な蟻となり、どこまでも自分の足で冒険できる歓びを抱きしめて生きていきたい。自由に歩いてこの人生や地球、出会う人を愛して行こう。









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