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目指したのは、時代に沿った価値を「生み出し続ける」組織【代表インタビュー 前編】

大手企業のバックオフィス業務の効率化を実現するDXクラウド『クラウドハウス』シリーズや、製造業に特化した人材プラットフォーム『ジョブハウス工場』を展開するTechouse。前編・中編・後編の3回にわたり、創業のきっかけやTechouseが持つビジョン、事業づくりや組織に対する考え方について、代表の礒邉に聞いていきます。


新しい価値を生み出す、人の役に立つ発明をしたい。そのためには起業をするしか手段が無いと思った

―礒邉さんはどういった家庭で育ったのですか?

実家は自営業で、3代続く八百屋を営んでいました。小学生の頃はお店を手伝うことも多く、今思えば幼少期から当たり前のように「商売」に触れていたのだと思います。

また、父が新しいものが好きだった影響もあり、常に最先端のものに触れる機会に恵まれていて、小学校低学年から家にあったパソコンをよく触っていました。例にもれず私も最先端技術に魅了され、毎日パソコンで日記を書くことに熱中していたのを覚えています。

―商売や最先端のものに触れる機会が多かったのですね。どんなお子さんでしたか?

算数・理科が好き、国語・社会は好きではないという、絵に描いたような理系の子どもでした。小学校の卒業文集には「将来は車や電車、船等にとってかわるような交通機関を作りたい」と書いていました。また、当時「ノーベル賞をとりたい」と話していたのも覚えています。

―幼少期から、社会を変革する発明をしたいと考えていたのですね。Techouseを創業された大学時代について教えてください。

あまり勉強熱心なほうではなかったかもしれません。授業に積極的に出ているというよりは、図書館や大学生協でずっと本を読み漁っていた時間が長かったように思います。また、株式投資にも熱中していました。特に大学1、2年生の頃は株式投資にのめりこんでおり、そのために様々な企業について調べていました。

―株式投資がTechouseの創業のきっかけとなるのでしょうか。

実は大学2年生の冬に株式投資はやめてしまいました。一定の利益が出てはいたのですが、株式投資を通して価値を生み出している実感が得られなかったので、自分は投資家には向いていないと気づきました。改めて自らの手でものづくりを通して新しい価値を生み出したい、という気持ちが強くなっていったのです。

また様々な会社を調べたり経営者の本を読んだりする中で、“モノ”の評価は社会がするのであり、つくる”モノ”はソフトでもハードでも何でもよいということに気づきました。

「何か特定のものをつくる会社ではなく、ものづくりを通して世の中に新しい価値を生み出し続ける場所としての会社を作りたい。これこそ自分が人生を懸けて取り組むべきことなのだ」このような思いが、私を起業への道に突き動かし始めました。

―「起業」という大きな決意をされたあと、すぐにTechouseを創業されたのですか?

まずは大学を1年休学して、ピクスタ株式会社でエンジニアとして働くことにしました。学生が起業してもそう簡単にうまくはいかないだろう、お金を稼げるようになるためには様々な素養が必要だろうと思ったからです。

また、IT企業の社長としてプログラミングの技術は身につけておきたい、と思ったことも理由の1つです。その後、大学4年生だった2012年1月に、Techouseを創業しました。

100年後も発展し続ける企業、決して成長を止めない企業を作ろうと思った

―創業当時、どんな会社を作りたいと思っていましたか?

日本企業ではトヨタやホンダ、ソニーといった会社が好きだったこともあり、モノづくりの会社を作りたいと思っていました。創業する前にエンジニアの経験を積んだのも、そういったモノづくり企業の創業者のほとんどがエンジニア出身だったことが影響しています。

また、せっかく人生を懸けて企業を立ち上げるのであれば、100年後の人々が「これはすごい!」と驚嘆することを成し遂げなければ意味がない、そのために長期で発展し続ける企業、決して成長を止めない企業を作ろうと思っていました。

―どのような事業から始めたのですか?

前提として、現在も一貫しているTechouseの方針として「特定の事業ドメインを定めない」というものがあります。長期で発展する会社を作るためには、その時代ごとの課題を解決していく必要があり、展開する事業も時代に合わせて変化し続けるべきだと考えていたからです。

創業当初は、学生の就活やプログラミング学習に対しての課題感を実感していたので、長期インターンに特化した人材プラットフォーム『JEEK』*や、プログラミング学習サービス『codestudy』*などを展開していました。
*現在はサービス終了

―事業ドメインを定めないという方針は創業当初からのものだったのですね。それ以外で、重視していた点はありますか?

当時は学生起業ブームで数々の企業が設立されていましたが、創業まもなく事業活動の廃止に追い込まれている会社を間近に見ており、ビジネスは一筋縄ではいかないものだと改めて実感していました。

長期で成長し続けるためには、外部からの投融資に頼りきりになるのではなく、自分たちの事業で利益を出し再投資していくことが重要だと思い、1年目から利益を出せる事業を展開することを重視していました。



前編では、Techouse創業のストーリーについて話を聞きました。次回は、現在の主力事業である『ジョブハウス工場』と『クラウドハウス』シリーズの立ち上げ時のエピソードについて語っていただきます。

★インタビュー中編はこちら


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