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農業・漁業の技術

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#研究

植物にも『ビニルビン』

植物にも『ビニルビン』

動物には、酸素を運ぶヘモグロビンなどの酵素によって分解され、『ビリルビン』という成分が作られる。植物は動物と同じ酵素が働いていないため、ビリルビンは作られないと考えられていた。

しかし、研究によると動物の酵素とは異なる別の仕組みで、ビリルビンが生成されていることが分かった。そして、ビリルビンの働きを詳しく調べたところ、光合成の効率低下の原因となる酸化ストレスを低減していることも分かった。

今後

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キノコのネットワーク

キノコのネットワーク

京都大学や東北大学などの研究グループは、キノコが張り巡らせた菌糸のネットワークに、ヒトの神経細胞と同じように、方向性をもって電気シグナルの伝達がおこなわれている可能性があることを、野生のキノコで初めて確認したと発表した。

研究グループは、森林に生えているキノコ(オオキツネタケ)6個に電極を設置し、電位の変動を測定。すると、はじめは電位の変動はほとんどみられなかったが、雨が降り始めると、やがて活発

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花咲かじいさん

花咲かじいさん

民話「花咲かじいさん」には、灰をまいて枯れ木に花を咲かすおじいさんが登場する。この灰のように開花の時期を操る物質の研究が進んでいる。

植物は季節の訪れを知る体内時計をもつ。フロリゲンがその役割を果たしている。花芽を作るスイッチとしてはたらく植物ホルモンだ。

名古屋大学の辻寛之教授ら研究チームは、フロリゲンの働きに作用する物質の研究を行っている。植物の成長の針を早く進めたり遅くしたりする。課題は

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カンガルーの赤ちゃんのフン

カンガルーの赤ちゃんのフン

米ワシントン州立大は、カンガルーの赤ちゃんのふん便から生成した培養液を使って、牛のゲップによるメタン生成を抑える研究を行っている。

牛などの反すう動物のゲップには温暖化ガスのメタンが多く含まれる。牛の胃には無数の細菌が生息しており、食べたエサを分解する。分解の過程でメタンが発生し、牛はゲップで排出する。メタンは二酸化炭素と比べ約30倍の温室効果があり、世界の温室効果の約4%が牛のゲップによるとさ

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国産トリュフの人工的発生に成功

国産トリュフの人工的発生に成功

トリュフは西洋料理に欠かせない高級食材になるきのこです。日本でも食文化の多様化を受けて、トリュフの香りを楽しむ機会が増えています。国内で流通するトリュフは全てが海外からの輸入によるもので、欧州産はキログラム当たり約8万円、きのこの中で最も高額に取引されています。

日本でも、20種以上のトリュフが自生していますが、野生のトリュフは希少で人工栽培技術は確立されていませんでした。そこで、国産トリュフの

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