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Imagine ジョン・レノンの不思議なピアノ


John Lennonが射殺されてから、40年が経つという。そう聞いて、40才で亡くなった Johnジョン Lennonレノン は、生きていれば父とほぼ同い年なのだと気が付いた。前に著書をここで取り上げた柄谷行人(note「世界史の構造」とアフリカ文化) とも同世代だ。愚かにも今までどちらも考えもしなかった。3人とも幼少期に第二次世界大戦の終戦をむかえた世代なのだと、そんな事を思いながら久しぶりにアルバム「Imagineイマジン」(1971年)を聴いた。

Imagine

表題曲 "Imagine" はこわい曲だと改めて思う。ビートルズ時代にキリスト教を批判した(Wikipedia 「キリスト発言」2021.12.13)としてアルバムを集会で焼かれ


身の危険を感じた事もあったのに、宗教なんてないと想像してと歌う。
アカ狩り(マッカーシズム)が吹き荒れた事のあるアメリカを拠点としながら、所有なんかないと想像してと歌う。
普通に考えたら、一触即発いっしょくそくはつではないかな。しかし彼のピアノは不思議なタッチでそれを包み込んでいます。なかなかあの味わいは出せない。あのピアノあってこその曲なのだと感じます。
アルバムの他の曲ではみっともない姿をさらしています。嫉妬しっと深く("Jealous Guy")、友達の悪口を言い("How Do You Sleep?")、かと思えば笑ってしまう程の恥ずかしいラブソング("Oh Yoko!")を歌う。"でも、でもね、そんな僕も想像するんだ、皆が平和に暮らす姿を。僕だけじゃないだろう?"( *1)と John Lennon の思いは "Imagine" の歌詞につながるのだと思います。このアルバムは全てが "Imagine" へと戻り、まためぐるという一つのコンセプト・アルバム(トータル・アルバム)であると、僕には思えます。
John Lennon について語れば、間違うに決まっています。いろいろな意味で両義的りょうぎてきなものを感じます。だから明日は違うことを思うかもしれません。いい音楽は、その時々に違う顔を見せます。そこがまたいいところでもあります。
そしてこのアルバムは、本当に素晴らしい。何度聴いてもきない。名曲名演ぞろいです。

*注 1

* 1. Imagine 歌詞の中の言葉
"You may say I’m a dreamer
But I’m not the only one
I hope some day you’ll join us
And the world will be as one"
や 
"Imagine all the people sharing all the world"
とその他の曲で描かれた姿から想像した
John Lennon の気持ちです。

終わりに

「Imagine」(1971年) だけでなく
John Lennonのアルバム
「John Lennon/Plastic Ono Band」(1970年)
「Some Time in New York City」(1972年)
「Mind Games」(1973年)
「Walls and Bridges(1974年)
「Rock 'n' Roll」(1975年)
「Double Fantasy」(1980年)
「Shaved Fish」(Compilation albums 1975年)はそれぞれに良さがあり、名盤・名曲ばかりです。

ひらげエレキテルさんが「John Lennon/Plastic Ono Band」(1970年)の中の名曲 "Love" を通して、John Lennonについて語っています。たいへん興味深い。


(この記事の中盤以降の骨子は、だいぶ改変してはいますが、2017年12月にinstagram(philosophysflattail)に書いたものを手直ししたものです。「違う顔を見せる」と言いながら、ここに書いた「Imagine」の印象はその頃と変わらない。)

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