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日本人サラリーマンも世界を食べる

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【スニーカー文庫《俺のラノベ》コンテスト「笑える話」特別賞入選】 しみじみと面白い。 趣味は料理。外食したものをキッチンで再現して細部を探るのが好き。 外資系サラリーマンだっ…
「日本人サラリーマンも世界を食べる」をマガジンにしました。ここからそれぞれの記事を単品で買うことも…
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#note大学新入生

アメリカのハンバーガーは今でもでかいか?

アメリカのハンバーガーは今でもでかいか?

 アメリカのハンバーガーは一般的にでかいという認識が普通だろう。
 実際、同じマクドナルドのビッグマックでもアメリカで食べる方がでかいという人もいる。
 バーガーキングはでかいので有名だが、これも日本サイズはジュニアサイズだというアヤシイ噂がまことしやかに囁かれている。
 実は僕はまだ日本のバーガーキングに行ったことがないのでこれに関してはなんとも言えないのだが、マクドナルドのビッグマックは確かに

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ホビロン、またはバロット

ホビロン、またはバロット

 皆さんはホビロン、あるいはバロットという食べ物をご存知だろうか?

 ホビロンというのはベトナムでの名前、フィリピンではバロットと呼ばれる。
 これは、アヒルの有精卵をある程度まで孵化させて、だがアヒルの雛として孵る前に茹で殺して食べる恐ろしい料理だ。
 そのグロテスクなイメージから、特に西欧圏では極悪珍味として名高い。日本人は何でも食べる癖にホビロンは可哀想すぎて人気がない、というか食べたこと

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アメリカ人と日本のイザカヤ

アメリカ人と日本のイザカヤ

 以前、イタリアの血が薄すぎるイタリア系アメリカ人のクリスのことはみなさんにも紹介したと思う。
 今回は立場を逆にして、そのクリスが日本に長期出張した際の顛末をお話ししたい。

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 当時、僕たちはA5サイズの小さなタブレットを開発していた。
 売りはインターネット機能で、モデム内蔵というところがミソだった(当時は無線LANなん

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微笑みの国の屋台ラーメン

微笑みの国の屋台ラーメン

 タイにダイビング旅行に行ったときのこと。
 プーケットで泊まった安宿の向かいに、いつも夜に店を出している屋台ラーメンの店があった。
 正直、しがない。
 子連れのおばさんが一人でやっている店なのだが、パラソルとかを一生懸命設置している割には客が少ない。
 向かいが大きな中華料理の市場だったのもまずかったのだろう。
 その屋台はいつも閑古鳥が泣いていた。
 子供は我関せずとその辺を走り回り、おばさ

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アメリカの殺人カクテルと絶品ステーキ

アメリカの殺人カクテルと絶品ステーキ

 二〇〇〇年の頃、僕は上司の命令でアメリカの某団体に所属していた。
 簡単にいうと、Windows-Intel支配を排除して、真に自由なPC開発を訴える団体だ。
 正直言って、主義主張に疑問があったし(僕は企業活動に於いては長いものには巻かれた方が安全と思ってる)、集まっているのも今は亡きコンパックとかの各社の暇人だったんだけど、お集まりは楽しかった。
 予算に関してはある程度裁量を認められていた

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フィンランドの車窓から

フィンランドの車窓から

 国際便が世界各地から到着するフィンランドのヘルシンキからタンペレという街までは距離にして二百キロくらいある。
 タンペレまでは国内便の飛行機もあるのだが、電車で移動することも可能だ。
 その時勤めていた北欧系携帯電話メーカーの開発部はタンペレにあったので、東京から飛行機でヘルシンキまで飛んだ後、タンペレまで移動しないといけない。
 いつもは飛行機で移動していたのだが、何しろ二百キロだ。ほとんど弾

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