ChatGPT は「これまでのAIビジネスの課題」を乗り越えられるか?
この日経の記事について、先日noteを書かせて頂きました。
上記の記事では、主に「投資の対象」に関し、起業家目線で書かせて頂きました。
今回は、この日経の記事をベースに、AI開発会社として「業界の課題として感じていること」について、書かせて頂きます。
そして、僕が思う課題を明らかにするとともに、
「ChatGPT は、その課題を軽やかに飛び越えるのか?」
ということについても、僕なりの考えを少し書かせて頂きます。
この分野にご興味ある方に、何かご参考になれば嬉しいです😃
対象の読者
あまりAIやChatGPT などに馴染みのない方
起業や投資について、興味あるけど、やったことがないという方
上記のような方々に、出来るだけわかりやすくを心がけ、書かせて頂きます😃
AIビジネスの流れ
ほんまざっくりとの説明です。
大体のAIビジネスが、こういう流れとなっています。
上の図について、簡単に要点のみ書かせていただくと、以下のような流れです。
①データ:
データを集めるプロセスです。
②ソリューション:
ほぼ、IT系のシステムのこと。
主にアプリとかですね。ここに、AI(機械学習)のアルゴリズムが内蔵されているイメージです。
AIには、①のプロセスで蓄積したデータを使います。
③価値:
当然ビジネスなので、お客様の課題を解決せないけません。
お客さんが幸せになったり
お客さんがより儲かったり
では、以下が本題です。
AIビジネスの課題
結論:一番の課題は価値に到達しないこと
以下が、僕が感じている課題です。
もう少し補足させて頂きますね。
例えば、AIアプリが、お客さんに何らかのアウトプットを出したとします。
アウトプットとは、予測値であったり、リコメンドであったり。
いずれにしても、
「AIが出してきた結果を受け取って、それを用いて本当に”価値”まで到達するのは、"お客さん任せ"になってしまう」
ことが多いのです。
お客さん任せなので、なかなか価値まで辿り着けない😭というケースを、非常に多く聞きます。
ここが、僕が思う一番の課題です。
ちなみに、一般論として、AIビジネスの課題で挙げられるのは以下の通りです。
などなど。
これらも勿論問題やと、僕も思います。
でも、日々、僕が現場で感じているのは、これらよりも、上述の通り違う内容(価値への到達)です。
なぜ、AIを使っているのに価値を感じれない?
そもそも、顧客の課題は「AI活用」ではない
お客さんの課題は、AIを使うこと自体ではないです。
AIを使うことは、目的や方法論の一つであって、課題ではありません。
よくあるお客さんの課題はこういった内容です。
一般的に、会社経営で直面している課題です。
AI開発会社がやっていることの本質は?
これに対して、AI開発会社というのは、ソリューション(ぽいもの)を提供しているのみです。
「課題の解決に資するであろうもの」を提供はします。
が、なかなか「課題の解決にコミット」できるわけではありません。
ここに、顧客とAIベンダーの間に、大きなミスマッチが潜んでいます。
なお、僕がソリューション(ぽいもの)と、「ぽいもの」と付けているは、それが理由です。
Solutionというからには、何かの課題を解決していなければいけません。
でも、実態には、課題を解決するのはお客さん任せになってしまっているのです。
AIアプリがやっているのは、あくまで
のみです。
上記のプロセスのアプリは、単なるCalculation(計算)であって、Solution(解決)ではないんちゃうかなと、僕は思っています。
このようなのが、AIビジネスの現場で、僕が多く見てきたケースです。
AIベンダーも星の数ほどあり、AI活用事例も星の数ほど出てきました。
しかし、本当に成果として「価値」まで感じれている事例は、数えるほどしかないのではないか?と思っています。
将棋AIなどの無敵感で、AIへの期待値が爆発
ここまで度々「ミスマッチ」と書きました。
では、なぜ、顧客はAIに大きな期待感を持っているのでしょうか。
これには、(申し訳ないですが)メディアが一役かっています。
もちろん、メディアも悪意があってではないです。
例えば、
などは、非常に大きなニュースになりやすい話題です。
不安感。
期待。
恐怖。
夢。
いろいろな人間の感情をたかぶらせる話題ですよね。
メディアによって、AIの驚異的な成果が連日報道されるようになり、一般的にAIに対する期待感が爆発的に高まったように感じます。
しかし、様々な大学の先生方も指摘していますし、僕らのような実務者も感じてるのは、
「AIがそのように人間を圧倒できるのは、今のところは将棋などの”限られた環境”のみ」
というのが率直なところです。
しかしながら、多くのビジネスパーソンは、メディアの情報に影響を受けます。
(勿論、僕もそうです。)
なので、こういった報道によって、多くの顧客(法人)が、AIに多額の投資や、発注、予算の確保などをするようになりました。
さて、では次に、このように顧客側の期待値と、開発者サイドの提供内容にミスマッチが生じる場合、結果的にどのようなことが起こるでしょうか?
当然、「思ってたんと違った」となる
過剰な期待がクライアント側にある中で始まるプロジェクトの結果は、明白です。
プロジェクトの途中の中間報告などで、お客様側から、以下のような声が聞こえ始めます。
などと、なります。
つまり、実証実験のみで終わるのです。
実証実験とは、Proof of concept. PoCといわれます。
PoCのみで終わる形ですね。
この問題点は、例えば以下の記事などで、わかりやすく指摘されています。
IBMさんの記事(素晴らしい記事です😃)
https://www.ibm.com/downloads/cas/RZA2RAX4
他にも、こちら。
PoCだけで終わると、必然的に、「価値」にたどり着かないです。
これが、繰り返しになりますが、僕が思うAIビジネスの一番の課題です。
改めて、クライアントにとっての価値とは?
ここまで、繰り返し抽象的な「価値」という言葉を繰り返してしまってきました🙇♂️
改めて、ここでいう価値とはなんでしょうか?
僕は、
「以下のような問いに対する答えが、そのまま答えになるかな」
と思っています。
こういった①か②の問いにクリアにYesと言えれば、価値を提供できていると自信を持って言えるんではないかと思います。
ChatGPT は、本当の課題を解決できるか?
そんな中に、ChatGPT の衝撃です。
いわゆる、生成AIですね。
生成AIは、アウトプットがわかりやすいですね。
例えば
「記事を書いてくれる」
この一点をとっても、記事を書く仕事をしている人にとっては、かなり仕事が楽になりますよね。
(人間が仕事を奪われるか否か、という議論は、すいません。。今は置いておきます🙇♂️)
こういう直接的なわかりやすいアウトプットが、今非常に評価されていると思います。
少なくとも、今多いリコメンデーションAIや、予測AIよりは、アウトプットがわかりやすいです。
さて、ではこの生成AIのアウトプットが、本来の顧客側の「価値」まで到達しているのでしょうか?
僕個人の意見ですが、
と思っています。
なので、まだまだ技術的な話題性が中心で、本当に定着するには時間がかかるかな?と思っています。
なので、これからもChatGPT などの生成AIの進化を楽しみながら、今後も見続けたいと思います😃
答えはきっと数年後に出ているでしょう。
今日も読んで頂いて有難う御座いました😃
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